ぶらあぼ2021年2月号 新譜ぴっくあっぷ

鍵盤楽器奏者、室内楽奏者、指揮者として日本の音楽界を牽引し続ける小林道夫がバロック、モダンの両方の分野で活躍するヴァイオリニストである桐山建志とタッグを組み、2014〜15年にかけてモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会〈前8回〉を開催。本盤はそのライブ録音である。8枚組という大ボリュームだが、色鮮やかに展開するモーツァルトの世界はどんどん次を聴きたくなるはずだ。桐山は伸びやかな音色でモーツァルトならではの生き生きとした歌を紡ぎ、小林はその歌に溶け合い、時には軽やかにリード。常に“対話”を楽しむ演奏は、聴いていると思わず笑顔になってしまう。 (長井進之介)

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