音楽現代2021年2月号

推薦 モーツァルトがクラヴィーアとヴァイオリンのために書いた作品が断片を含めて44曲収められている。モーツァルトは幼少期にヴァイオリンとクラヴィーア双方の楽器で活躍しており、ヴァイオリン・ソナタは必然的な創作行為だった。作品はオブリガート・ヴァイオリンを伴うクラヴィーア・ソナタという性格が強いが、初期から後期に向かうにつれて双方の楽器の対等性が強まり、この録音においてもフォルテピアノが使われている曲では、初期とは別の次元の作品になっている。超ヴェテランノ小林と親子ほどの年齢の離れた桐山であるが、古楽・古典に造詣が深い2人であるだけに、モーツァルトの創作の過程を見事に解き明かしている。 ☆野崎正俊

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