夜闇に飛ぶ鳥の羽音に心はさざめき


恐怖は木々の枝葉さえも妖しく息づかせる




歩んでいても、自ら踏みしめるその両脚さえもみえず、


歩みの感覚は麻痺していく




今、本当に大地というものを踏みしめているのだろうか


暗闇の彼方へ、探るように、何かを求めるように


差し伸べているこの両手さえ、目の前に在りながら


夜闇に包まれて見えはしない




時折、不安のあまりに確かめる。


この肉体に触れて、自らの存在を確かめる。


その確かな感触さえも、不安を打ち消してはくれない。



今、この躯は闇に溶けてはいないだろうか


それを保証する何物も無い


ただ息を吸う毎に、夜闇がこの身体をめぐってゆくのを感じる





感覚とは何だっただろう


今、自分は「在る」のだろうか









HOME