優しさがあなたに全てを背負いこませて
弱さがその荷をあなたに縛りつけています
そして思いやりは、あなたの足取りを重くさせていきます
なぜ、こんなにあなたの心に降る涙が見えるのでしょう。
なぜ、あなたの心に密やかに迫り来る嵐を感じるのでしょう。
人は鋭敏なるものとして生まれ落ち、
ひたすらに鈍し続けて感覚の死へと向かいます。
こんなにも、こんなにも全てが見えなくなったこの心にも
ふたたび感覚は宿るようです。
降り注ぐ前の、雨の青い匂いも、
陽が昇る瞬間の鮮やかな紫色も、
虹の立ち上る瞬間だって感じ取れるし、
十円玉より百円玉の方が冷たいことだって知っています。
悲しみにうち震えるあなたの心は、私の翼を刺激して止みません。
わたしにとって翼とは、軽やかに空を舞うための
ものではありません。
翼とは庇護の象徴。
その涙を見なくても済むように。
この薄汚れた羽毛で全てを覆い尽くしてしまいたいのです。