絵本以外の児童書も含みます。シリーズものは1冊と考えます。短編も1冊とします。
少なくとも3回は読み直した本のなかから順不同で、コンセプトは1.カタルシス2.おもしろさ3.美しさ。
1 | 雪は汚れていた | ジョルジュ・シムノン | 1番目はやはりこの本、第二次大戦独軍占領下、少年の魂の甦りの物語 |
2 | 闇の左手 | アーシュラ・K・ルグイン | 人類同盟の使節ゲンリー・アイは惑星<冬>に降り立った。そこは遥かな過去に放棄された人類の植民地、雪と氷に閉ざされた辺境の地だった。そこでゲンリー・アイはエストラーベンと出会い、死の間近にせまるゴブラン大氷原を逃避行することになる。しかし惑星<冬>の住民は雌雄同体であったのだ。 美しい物語である。 |
3 | トムは真夜中の庭で | フィリパ・ピアス | 兄弟のピーターがはしかにかかったため、トムはおじさんの家にあずけられることになった。ホールの大時計が13時を打った時、トムは過去を遡り......... |
4 | アラバマ物語 | ハーパー・リー | ジェムと妹スカウトの父、アティカスは弁護士だった。アティカスはあるとき、無実の黒人青年を弁護することになり、4,50年代?のアメリカ南部では、それは一家が白い目で見られることを意味した。ジェムは裁判の状況から当然父が勝つと信じていた。ところが陪審員の表決は・・・・・「なぜ そんなことが できるの」ジェムは涙を止めることができない。 ふたりのまわりに起こった事件でジェムとスカウトは成長してゆく。 |
5 | 夜 | ヴィーゼル | .........あとでします。 |
6 | マリオンの壁 | ジャック・フィニー | ジャック・フィニーを読んでいると、セピアに変色した写真のなかの心地よい場所に入ってゆくような気がする。かくありたかったアメリカがある。 |
7 | 芽むしり、仔撃ち | 大江健三郎 | 同時代を生きている作家のデビューから生成の様を凝視めていられるのは苦痛であり幸福であります。「芽むしり、仔撃ち」の傷口の美しさ、「個人的な体験」で蜜月は終りました。自分の痛みを時代の痛みとしてうたうしか道はなかったのか、でもあの時普遍性は失われたような気がする。 |
8 | レパントの海戦 | 塩野七生 | レパントの海戦は無敵のトルコの神話を打ち砕いたがそれは同時に海洋国家ヴェネティアの黄昏でもあった。ひとつの時代の終焉。海戦を縦糸に指揮官バルバリーゴとフローラの愛を横糸に語られるものがたり.......哀しみは深かったが、女は孤独ではなかった。一度、心から男に愛された女は、もう二度と孤独に苦しむことはないのである。 |
9 | ゲド戦記 | アーシュラ・K・ルグイン | 先ごろ、第四部が上梓された。わたしとしてはフェミニズムに拘った四部は無くもがなである。しかしそれは前の三部作の香気をいささかも損なうものではない。ファンタジーではあるが根底を流れるのはゲドの「私とはなにか」であり、読者への問いかけであり、新しい神話である。 |
10 | 草の花 | 福永武彦 | 「....どうしてって何処にいても同じだもの、何処にいたって寂しいもの」汐見茂思が愛した藤木忍のことばである。「藤木、君は僕を愛してくれなかった。そして君の妹は僕を愛してくれなかった。僕はひとりきりで死ぬだろう...........」汐見茂思の聲である。「...汐見さんはこの私を愛したのではなくて、わたくしを通して或る永遠なものを、或る純潔なものを、或る女性的なものを愛したのではないかと.....」藤木千枝子の手紙である。 |
11 | エミリーのシリーズ | モンゴメリ | エミリーは思慮深い少女.....アン以上にモンゴメリ自身の内面をを受け継いだエミリーは、夢みる、思考する、階段を一段一段昇ってゆく。 |
12 | 水晶 | シュティフィター | コンラートと幼い妹は道を間違え、厳冬のアルプスに迷いこんでしまう。ふたりが大自然のなかで見たものは...? |
13 | デミアン | ヘルマン・ヘッセ | あの疾風怒涛の時代、わたしにとってデミアンは聖書にも等しかった。 |
14 | マテオ・ファルコーネ | メリメ | 農夫マテオ・ファルコーネには男として何ごとにも換え難い矜持があった。そしてそれは息子への愛を超えるものだった。 |
15 | 失われた時を求めて | プルースト | 正直のところ 漠然とした印象だけが思いだされて なににこころうごかされたのか はっきりと思いだせない。後日 読み返してコメント。しかし 長いなぁ。文庫で何冊あったろう。 |
16 | ピーター・パン | ジェームズ・バリ | 生えかわらない乳歯のままの、移り気でわがままで怖れを知らぬ少年ピーター・パン、ピーターにとっては死も冒険だった。 |
17 | 飛ぶ教室 | ケストナー | 涙は現金と泣くのをこらえていた優等生のマルチン、少年たちを温かく見守る舎監のユスツス先生、そして世捨て人の禁煙先生は・・・・ |
18 | エロスとタナトス | エロス・生の本能 〈生〉を肯定的に受け入れようとする方向性。性本能と密接に結びついている。 タナトス・死の本能 〈生〉を苦痛とし、自己の辿って来た生を逆行し、ついには生命以前の原始的な状態を終着点とする還元的・破壊的な方向性。 自己を破壊しないために、そのエネルギーを外部に向けて他を破壊する。そこで破壊または攻撃傾向が生まれる。 生の本能は外部に、死の本能は内部に向かう。 エロスとタナトスの葛藤は、文明の構築という形に昇華されていく。つまり、文明とは、エロスとタナトスと抑圧の産物なのである。 25歳の頃 この本を読んで とても楽になった。自己破壊傾向が強く それをコントロールするのがたいへんだったから。しかし副作用もあった。 |
|
19 | こころ | 夏目漱石 | 罪 先生がKを裏切ったこと ただそのことのために自殺したとは思わない。 |
20 | 死霊の戀 | テオフィル・ゴーチェ | 優しいテオと慕われたゴーチェ、あえかな月の光にうかびあがってくるのは黄金色の華奢なミイラの足.......また幾百年の悪夢から甦る蒼白き相貌..... |
ちょっとおやすみ 100冊だってむつかしい.....たいへんなことをはじめてしまいました。どこまでいけるやら | |||
21 | 雨月物語 | 上田秋成 | 真間の手児女は遠いむかしのものがたりではない。菊の佳節の誓いも吉備津の釜も 美しいものがたり、これは語れるかもしれない。 |
22 | 光る砂漠 | 矢沢宰 | 光る砂漠 影を抱いて 少年は魚をつる 青い目 ふるえる指先 少年は早く 魚をつりたい |
23 | 水に沈む | シュトルム | 溺死と訳されるときもありますが、わたしは水に沈むという題名がとてもよくこの物語を表しているように思う。シュトルムはあたりはずれがない安定した作家と思う。 |
25 | 今昔物語 | ......... | なかでも芦刈はいつか語ってもみたい。 |
26 | 恐るべき子どもたち | コクトー | 恐ろしいのはふたりがぜんぜん変わらないことだ。 |
27 | 肉体の悪魔 | ラディゲ | 早熟の天才ラディゲの贈り物。完璧なロマン(小説)です。 |
28 | ねじの回転 | ヘンリー・ジェイムズ | 目に見えぬ悪霊の存在をわたしたちは行間から感じ取る、具体的に書かれているわけではないのに....ヘンリー・ジェイムズは不思議な作家だ。雰囲気とかニュアンスが見えるような気がする。 |
29 | 虚無への供物 | 中井英夫 | 作者に幻惑され、弄ばれる快感。 万華鏡のように、細部が反転し寄り集まり異なる相となる。 |
30 | 風とともに去りぬ | マーガレット・ミッチェル | スカーレットの大地、タラがケルトであったとは実はわたし知らなかった。 中学生の時は、メラニイとアシュレに惹かれた。ひとは変るものだ。 |
31 | 金髪のエックベルト | ティーク | 悪夢。でもなぜか、なつかしい..... |
32 | 人の砂漠 | 澤木耕太郎 | ひとびとのものがたり、胸が痛くなる 今のものがたり 毎朝 弟を残して 勤めに行く振りを続けた 女医の話に うたれた。ひとの 崇高さというものは 思いもかけないところに あらわれる。 |
33 | 怪談 | ラフカディオ・ハーン | 雪女、乳母櫻、ケルトの血をひき日本で生涯を終えたハーンの情熱がなければこれらの美しいものがたりをわたしたちが語ることはなかった。 |
34 | 柩のなかの猫 | 小池真理子 | 破綻がなく、とてもきれいなおはなし。小池真理子さんはミステリの謎解きの部分ではなく、ひとを書こうとしているところが好きかな。かえって小説を書いたほうがいいのじゃないか? 謎解きには ときどき 無理がある。 |
35 | 情事の終わり | グレアム・グリーン | 作家とその友人の妻セァラは不倫をしていた。ところが独軍の爆撃で九死に一生を得たその日からセァラは心変わりをしてしまう。作家はセァラをなじるがセァラが病を得て急死したあと、彼は真相を知る。グリーンは少し饒舌に過ぎるがセァラの選択と苦悩を思うとき、わたしだったら、地獄に堕ちてでも.........と思うのです。 |
36 | テレーズ・デスケイルー | モーリヤック | グレアム・グリーンとともにカソリックの作家と言われるモーリヤックの小説。テレーズは自由になりたかった。そのために手段をえらばなかった。わたしはテレーズを好きにはなれないけれど この続編で テレーズが震える手で 前髪をかきあげるシーンに 胸を打たれます。 テレーズにとって大きな自己犠牲であったから。 |
37 | わたしがこどもだった頃 | ......... | ヒロシマの原爆を 体験したこどもたちが 数年後に回想して書いた作文集、 昔のこどものことばは美しくて、暮らしも美しかったのだろうと思う。毎年 夏に学校で読み聞かせをしている。 |
38 | 地獄変 | 芥川龍之介 | 父の薄暗い書斎で 旧仮名遣いで読んだのは 12の頃........紅蓮のほのほが見えました。 |
39 | 和泉式部日記 | 和泉式部 | わたしは 残念ながら 年下のひとを 戀をしたことがない。しかし、和泉式部の日記を読むと 戀がいかなるものか 思い出されて切なくなる。 |
40 | ディアドラ伝説 | ......... | トリスタンとイゾルテの原型になったといわれる 古代の愛のものがたり ディアドラは 運命に弄ばれるだけの ヒロインではありませんでした。自ら愛を告げ そして愛のために闘い 自らの手で愛するひとのあとを追いました。再話してもう一度語りたいおはなしです。 |
41 | クリスマスの思い出 | カポーティー | カポーティーは 冷血を書いたあと 小説を書けなくなってしまったそうだが、こんなに 美しいおはなしを 残してくれた。おばちゃんのことわすれることはできない。 |
42 | 古事記 | .......... | イザナギイザナミのよもつひらさかのはなしはギリシャ神話のオルフェウスとユーディリケによく似ている。3つの呪符のもっとも古いモチーフ |
43 | ブリジンガメンの魔法の石 | アラン・ガーナー | きたるべき悪の復活にそなえて眠りつづける騎士たち。その秘密をコリンとスーザンは知ることなる。 |
44 | テス | ハーディー | テスの愛も努力も実を結ぶことはない。しかしテスは抗い難い宿命に敢然と立ち向かう。たとえ最後に力尽き 倒れることを予期していても.... |
45 | おとうと | 幸田文 | 碧郎は心弱い弟だった。気丈で優しい姉は結核にかかった弟を看取るが.... |
46 | 悪童日記 | アゴタ・クリストフ | 双子の少年たちのなんとも壮快な?悪戯のかずかず、されど このはなしはそれだけのものではない。 |
47 | プラテーロとわたし | J・R・ヒメーネス | ろばのプラテーロとわたしののどかな日々... |
48 | ナルニア国物語 | C・S・ルイス | タンスの奥は見知らぬ国への入口だった。ファンタジーはひととびでものごとの本質にせまり得る。 |
49 | 旧約聖書 | ......... | カインとアベル、サムソンとデリラ、塩になったロトの妻、旧約聖書を読むと血の沸き立つようなひとの群れが眩しいばかり。 |
50 | 銀の匙 | 中 勘助 | 私小説の(?)結晶みたいな精緻な美しさ |
ちょっとおやすみ のってきました 100冊までは一気にいきそう......でもそのあとが | |||
51 | 赤と黒 | スタンダール | 貧民の出のジュリアン・ソレルその熱い野望は白きレナール夫人に出会い愛したとき潰えたのでした。ジュリアンの首を抱えたマチルドの凄艶。 |
52 | 梁塵秘抄 | ........... | 遊びをせんとや生まれけん たはぶれせんとや生まれけん 仏は常に在せども現ならぬぞあはれなる ひとの音せぬ 暁に ほのかに夢に見えたまふ |
53 | 北欧神話 | .......... | 主神オーディン、世界樹イグドラシル 女神フレイヤそしてロキ 神々の黄昏 巨神たちとの最後の闘い |
54 | 扉を開けるメリー・ポピンズ | トラバース | メリー・ポピンズがうちにもきてくれないかなぁ。やさしいけれど若干意気地が無いこどもたちと愚かな母を叱ってくれなおいかなぁ....。 |
55 | シビル・わたしのなかの16人 | フローラ・リータ・シュライバー | 多重人格の少女の物語。実話。16の人格が現れたのは自分を守るためだった。人格が統合されてゆく(シビルが癒されてゆく)過程は圧巻だった。。 |
56 | アルジャーノンに花束を | ダニエル・キース | チャーリーは 脳の手術によって 知能の足りないおひとよしから 天才に変貌する。しかし それは彼が夢見ていたものとは かけ離れていた。 チャーリーは苦悩する。彼の友は 同じ手術を受けた ねずみのアルジャーノンだけだった。ところが、アルジャーノンに変化がおとずれる。そしてそれは チャーリーにとっても ひとつのさだめを 意味するものだった。 SFのかたちをとっているがこのストーリーは イノセントについての 物語。チャーリーの内なるものへの旅、自分を発見し 受け入れるまでの物語である。 |
57 | 冷たい方程式 | トム・ゴドウィン | SFの衣をまとってはいますが、誰もが経験しないとは限らない究極の選択。あなたならどうする? |
58 | ソラリスの陽のもとに | レム | ソラリスの海のおもてをずっと眺めていたいと願ったあの頃。 |
59 | Yの悲劇 | エラリー・クイーン | ヴァン・ダインのグリーン家殺人事件がなくては、Yの悲劇は生まれなかった。しかしYの悲劇が上かな、これは探偵トゥルーリー・レーンとファイロ・ヴァンスの人間として魅力的にかかれているかどうかの差。 |
60 | エジプト神話 | ........... | イシスとオシリス...灼熱のエジプト神話 |
61 | 嵐が丘 | エミリ・ブロンテ | キャサリンとヒースクリフの宿命の愛、しかしガラスの仮面を見たのは失敗だった。 |
62 | 丘の家のジェーン | モンゴメリ | ジェーンは不器用で 器量も悪く 成績も今一 なにごとにも自信が持てない少女。ところがある夏、ジェーンの幼い頃 母と離別した顔も知らぬ父が夏休みを一緒に過ごすよう要求してきた。いやいや島にやってきたジェーン、ところが美しい島の生活そして新聞の論説委員?だったか 父ケネス・ハワードと向き合うことでジェーンは変ってゆく。 |
63 | カノン | 篠田節子 | 音楽への執念、想いは残った。あとはどうでもいいことだった。愛も生も。いやそれこそが....。 |
64 | 知と愛 | ヘッセ | ナルチスとゴルトムント、修道院でいっしょだったふたりは惹かれあいながら、それぞれの道を選ぶ、ナルチスは修道僧として過酷な戒律の生活に身をおき、ゴルトムントは愛と漂泊に身をゆだねる。ふたりの生が再び交差したとき....... |
65 | 賛美歌集 | ......... | 我に来よと主は今、優しく呼び賜う などて愛の光を避けて彷徨う。 今でも歌います。神は我が宿り、我が強き盾ぞ、 |
66 | 青い花 | ノヴァーリス | 青い花は命の象徴、愛の象徴だった。 |
67 | 飢餓海峡 | 水上勉 | 犬飼多吉は京都の寒村に生まれた。父と早く死に別れて、貧困のどん底から必死で這い上り、樽見京一郎と名を変え 食品会社の社長として 社会的名士に成り上がったが 彼にはひとにいえない秘密があった。……ある日 ひとりの女が訪ねてくる。逃亡の際 馴染んだ娼婦、杉戸八重。彼女にとっても 犬飼多吉は忘れられない男だった。…… |
68 | 砂の器 | 松本清張 | 父と少年が冬の日本海を彷徨うシーンは美しかった。(これは映画)ひとの闇も悪も滅びるからこそ美しいのだが..... |
69 | アーサー王伝説 | ......... | 湖の騎士ランスロットと王妃グィネビア、トリスタンとイゾルテなどの悲恋と円卓の騎士たちの栄華、そして最後の戦い |
70 | 邪宗門 | 高橋和巳 | 大本教をモデルにしたといわれる。しかし阿麗の鮮烈は忘れられない。読み返してから、またコメントします。 |
この作業 ねずみいろの脳細胞のすきまから かって読んで 感動したり 考えこんだり した本を 呼び起していると ちかづいてくる ...... なにを のぞんできたか なにを もとめてきたか ......... ちょっと辛いよね......そんなに変ったわけじゃなかった。 |
|||
71 | 風車(かざぐるま) | 太田..... | くるくる回れかざぐるま、幼きいのちみつめつつ.......実は作者を思い出せない。もしご存知の方がおいででしたら教えてください。 |
72 | 暗い旅 | 倉橋由美子 | 突然失踪してしまったあなたを探す旅、それはわたしの中への旅だった。 |
73 | 閑吟集 | ...... | なにせうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ そうなのよ。見てるより踊る これワタシのポリシー |
74 | 幼年連祷 | 吉原幸子 | 風 吹いてゐる 木 立ってゐる ああ こんな夜 立ってゐるのね 木 風吹いてゐる 木 立っている音がする 恐ろしさとはゐることかしら ゐないことかしら |
75 | イルスの竪琴 @星を帯びし者 |
パトリシア・マキリップ | ヘドの領主の息子モルゴンは額にUく星を持つ約束された者だった。アンのヘウンの謎を解いて手にした王冠をモルゴンはベッドのしたにしまっておいた。偉大なる者の竪琴ひきとであったモルゴンに試練が襲いかかる。エーレンスター山の地下ででモルゴンは失われた大地のあるじたちのこどもたちからイルスの竪琴を受け取る。 |
イルスの竪琴 A海と炎の娘 |
パトリシア・マキリップ | アンの王の娘レーデルルはモルゴンを探す旅に出た。 | |
イルスの竪琴 B風の竪琴ひき |
パトリシア・マキリップ | 偉大なる者は風を支配する。モルゴンは風を解き放った。 | |
76 | アドルフ | コンスタン | 古今東西、男の恋とはこのようなものかもしれない。手にしてしまえば 女などようなきもの.....されど.失ってから判ってもおそいのだよ ウフフフ |
77 | 10月は黄昏の国 | レイ・ブラッドベリ | 夢魔の国へ...... |
78 | 砂糖菓子が壊れるとき | 曽野綾子 | マリリン・モンローの生涯をモデルにした小説だがヒロインの千田京子を作者はモンローそのままにしたわけではないのだろう。まわりの男たちがおもしろい、でももっとつっこんでもよかった。涎たらして眠ってるとこがよかった。 |
79 | マルタの鷹 | ダシール・ハメット | この作者の夫人があの小説を書いたあの方だったとは。ハードボイルドの元祖ハメットは人間を書こうとした、サム・スペードは生きている。呼吸している、歩いている。 |
80 | 虎よ、虎よ! | アルフレッド・ベスター | もちろん、ウィリアム・ブレイクの詩が........しかし..... 物語は復讐譚。岩窟王みたいな。 |
81 | 刺青の男 | レイ・ブラッドベリ | ブラッドベリがいなかったら萩尾望都はどうなっていたかと思う。 |
82 | チェザーレ・ボルジア或いは優雅なる冷酷 | 塩野七生 | ボルジア家は毒薬でしか知りませんでした。チェザーレ・ボルジアは己がさだめを疾走しました。たとえそれが滅びに向かうものであったとしても、過酷に容赦なく、微笑みを浮かべて.... |
83 | 幻の馬車 | ラーゲルレーフ | 救世軍のおはなし、陰鬱な北国の思い空、差し込む一条の光 |
84 | 反逆児 | ラクルテル | わたしはどうやらピカレスク・ロマンが好き...ということは野心に満ちた悪い奴が好き...ほとんど末路は悲しいけれど。....でもちょっとヤバイかな。この傾向は。 |
85 | 地球幼年期の終わり | アーサー・C・クラーク | 地球幼年期の終わりは終末論のひとつであり、ホモサピエンスとしての人間が進化の次の段階でどう変身をとげるかというテーマを見事に描いている。 |
86 | エスパーお蘭 | 平井和正 | 感応者お蘭は大統領の特別補佐官ショウ・ボールドウィンを愛してしまうが、彼の実体は......併載の花の行方も忘れ難い。 |
87 | オッドジョン | ステープルドン | 物語として、問題がないわけではないのですが、超能力テーマのSFとして、棄て難い。 |
88 | O・ヘンリー短編集 | O・ヘンリー | 誰も知らぬ者のない最後の一葉、贈り物など人生の機微をついた短編集。 |
89 | 緋色の記憶 | トマス・H・クック | ある夏、コッド岬の停留所に、緋色のブラウスを着てミス・チャニングが降り立った。美しいミス・チャニング、チャタム校の悲劇はこうして幕を開けた。ひとの闇が迫る。 |
90 | アクアリウム | 篠田節子 | 多摩の奥地、洞窟の水底に棲む未知の生命体はなぜ生をうけたのだろう。なぜ青年にメッセージを送ったのだろう。 |
91 | 銀河帝国の崩壊 | アーサー・C・クラーク | SFの古典。長いときをおいて、居住地に久方ぶりに生まれた少年は禁断の扉を開く。 |
92 | 少年 | 北杜男 | 読み返してからコメント |
93 | 夢十夜 | 夏目漱石 | 病気のときに見上げた白熱灯の 熱したフィラメントの色の悪夢、 |
94 | 掌の小説 | 川端康成 | たまに、贈り物のようになにもしないでいい時間ができる。そんなとき傍らにあってほしい本 |
95 | 見えない橋 | 澤田ふじ子 | 不義を犯したふたりは出奔する。束の間光芒を放ったそれでも愛だった。生活に追われ行き着く果ては....... |
96 | 風たちぬ | 堀辰雄 | 読み返してからコメント |
97 | ダンセイニ幻想小説集 | ロード・ダンセイニ | 読み返してからコメント |
98 | ビルマの竪琴 | 竹山道雄 | 埴生の宿を聞くたびに水島上等兵の静かな横顔が目に浮かぶ。 |
99 | 北風のむこうの国 | マクドナルド | 英国のファンタジーの系譜のなかでもわすれてはいけない物語。読み直してからコメントします。 |
100 | 果てしなき流れの果てに | 小松左京 | 遺跡調査のさなか失踪した青年が50年後ヒマラヤ山脈で発見された。壮大なスケールで問う人類の叙事詩。溢れるイメージ、ひとつの世界観をこの作品において、小松左京は統御した。 |