歩 い た 道
 快晴の御嶽山 03.6.3 
五月のかかりに行こうと思っていたが、天気と、暇でありながら付かない都合で、今日になる。
19号線を北上し、恵那を過ぎると、御岳が白い頭を、僅かに覗かす。
何時もながら、時めきを感じる。
春風が心地よい。
間もなく、梅雨だというのに、この青空は、何も知らない様だ。
南木曽を過ぎ、漸く元橋を渡る。
これからは、除々御岳の領域である。
やがて、御岳湖の端が見えてきた。
あたりは、山藤が満開である。  陽に照らされて紫が更に鮮やかに見える。
アカシヤの香りが漂うが、姿が見当たらない。
山藤の香りだろうか・・・・・・
アカシヤといえば、ソウル時代が思い出される。
かの地は、春になると、いたる所で、この香りを、ただよわせてていた。
話によると、日本人が戦時中に満州(中国東北部)より持ち帰り植えたのだという。
(真偽の程は判らない)
しかし、韓国も豊かになったものだ。
16年まえは、まだ、月に一度は、外出禁止令(0時以降)があり、北への警戒が厳しいもの
であった。
自分も朝鮮語の辞書を持っていて ”韓国辞書に変えよ”と、叱られた事がある。
殊にワールドカップ以降は見違える国になった。

やがて、御岳のふもとが見えてきた。
節句の流れか鯉のぼり、六月の風に、気持良さそうに、なびいていた。


        
管沢で右折し、柳又に向う。
柳又に入り、間もなく、右左切り返しの登り坂となり、御岳もみえたり、隠れたり、
登りが丁度終わりかけた処、御岳の雄姿が正面に!
路かたの、林の切り開かれた空き地に、車を止める。


    
やはり素晴らしい!  慾を言えば、5月の新芽の淡い緑の時に来たかった。
冠雪も、もう少し下に伸びていただろうに、
しかし慾は言えないね、これだけの天気に恵まれたのだから。
納得いくまで眺め、腰を上げる。
361号の池の沢に出て右折する。
把の沢を貫け、木曾馬の里へ急ぐ、こちらは、今、ツツジが盛りである。
ようやく、到着。
昼を少し廻っていた。
昼食をすまし、散策としよう。
場所を西から東に変わると、御岳の左肩が上がって見える。
西野の辺りでは左肩が流れている。
やはり御岳は東地区の姿が好きだ。



           木曾馬の里にて

以前、ネパール.ヒマラヤに行ったとき、ヨハネスブルグからきた姉妹に会い、キリマンジャロの
話から日本にもキリマンジャロがあると、いうことで、御岳の写真を送ってあげたら、驚いていた。
日本に親近感が湧いたらしい。

こちらは、ブルーベリーが栽培されている、、夏には、ベリー狩りを始めるそうだが、カナダあたりからの流れだろう。
あちらは、自然生えのものを、よく観光客に狩り取らせ、食事に出しているのを見かける。

白樺林をぶらぶらと、歩き、お暇とする。

帰りは地蔵峠を越えて帰ることにし、旧道を走る。
新道に比べるとやはりカーブが多く走りづらい。
地蔵峠の展望台で最後の、見納めと車を降りる。
一台のバイクがあり、レザーの繋なぎを着たライダーがきていた。
” 素晴らしいですね ”と話し掛けてきた。
” どちらから ”と聞くと、埼玉から来たという、”会社を思いきって休んできて良かった
課長のご機嫌が悪いので迷っていたが、正解だった。課長に土産でも買っていこう”と
これから高山を廻って帰ると言っていた。

以前、Sさんに誘われ此方に絵を描きにきたのが、病み付きで、それ以来、冠雪の山をを見ると
気持がたかぶるようになった。

本当にライダーの彼が,満足げだった気持が良くわかる。
彼が立ち去った後、旅の安全を祈り、我々も帰途を急いだ。
御岳は何時の間にか、光を背にしていた。
   


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