華原朋美アルバム感想

小室三本柱(四天王)の一角。小室との恋愛が全盛期だった時代に売上的にも全盛をむかえた。ミリオン3曲。
余談だが、安室、鈴木と言ったアーティストが今になって小室の悪口を言っているなかで、
彼女だけが言っていないことに、つくづく人格者だなぁと思わされた。




1.I'm proud
2.LOVE BRACE
3.Somebody loves you
4.Summer visit
5.Just a real love night
          /9曲
LOVE BRACE 95
1996年 1stアルバム

売上的な流れも、そして小室と朋ちゃんの熱愛振りも、丁度全てが絶頂を迎えた頃に発売された大ヒットアルバム。
安室でも歌ってそうな、クオリティの高くデジタル色の強い楽曲が続く前半の流れも素晴らしいが、更に凄いのは6曲目以降の怒涛のラブソングの流れだ。このアルバムほど、情熱的な雰囲気が伝わってくるアルバムは聴いたことが無い。まさに、究極のラヴ・アルバム(?)と言い切りたい内容だ。

まったく、小室が本気になればこれ程凄いアルバムを作ることができるのか、と聴くたびに感心してしまう。朋ちゃんの歌声は「小室と不仲になってから下手になった」という意見がよく聞かれるが、それは違います。彼女はその前から下手です。 しかし、決して一般人には無い圧倒的な個性がある。そんな短所を上手く隠し、それでいてその長所を更に引き立てるような、素晴らしいアレンジのされた曲が次々と収録されているこのアルバムを聴くと、改めて小室というのは天才的作曲手腕を持ってるのだなと思わされる。

フォレスト・ガンプのファーストシーンを思い出させられるような、映画のサントラ並のクオリティを誇る、オープニングのインストから
Just a real love nightへと自然と入ってゆく部分で、まず感動させられてしまう。そして後半の果てしなく爽やかなsummer visitから、小室ラブソングの究極形ともいえるmoonlight、更に大曲化されたI'm proud、圧倒的にメロディラインが素晴らしいsomebody loves you、そしてクライマックスのLOVE BRACE・・・という流れは、思わず赤面してしまう場面も多いのだが、完璧な流れができているのではないだろうか。何度聴いても鳥肌が立つ。

アルバム曲があまりに素晴らしいために、シングル曲のアレンジがあまり大したことない、なんてどうでもいいことまで指摘したくなってしまう一枚。 個人的小室哲也史上最高傑作




1.save your dream
2.LOVE IS ALL MUSIC
3.Hate tell a lie
4.Every morning
5.You don't give up
          /8曲
Storytelling 36
1997年 2rdアルバム

さてこのあるばむ、自分が中学生の頃一聴した時は、名作ではないもののどの曲もそこそこのキャッチーさを持っているし、そこそこのアルバムと感じてしまった。だがしかし、本当はとんでもない手抜き作なのであった・・・・。
朋ちゃんの歌声も、ひたすら安定せず酷すぎる。 比較的歌いやすいメロディラインを持ったバラード曲でもその荒さが気になってしまうし、シングル曲のHate tell a lie
LOVE IS ALL MUSICといった曲でも「ユーレイみたい」と言う意見がちらほら・・・。 自分はLOVE IS ALL MUSICの中間部分などは好きなのだが、Hate tell a lieはミリオンヒットしたものの、この曲から朋ちゃんと小室の間の不協和音が聴こえるようになったような気がしてならず、そういった意味で興味深い曲だったりする。実際、彼女の歌の歌詞に「世の中いやだ」「ニュースききたくない」といったダイレクトにネガティブなフレーズが出てきたのも、この曲からだろう。この路線は後のtumblin' diceで行き着くことまで行き着くことになるのだが、それはまた別の話.....  そしてI wanna goなどは・・・お世辞にも聴けたものではない酷さ。

勿論、楽曲的な手抜きの仕方がまた半端ない。まずインスト、シングル曲、繋ぎの曲を抜いた純粋なアルバム曲が4曲しかない。内訳はメロが2つしかない
Every morning、前述のI wanna goそして全く区別のつかないYou don't give upYou just gonna sing a songである。
 そしてもはや許容できないところまで行き着いているのが、小室の日本語文法無視。「ときどき ごめんね あなたのことが大事で大切すぎて」って何だよ!?? お前なに人??

1曲目の
save your dreamのみ、96年10月という彼女の絶頂期にかかっていた名曲といえるだろう。
しかし一年後の97年の9月には、たのしく たのしく たのしくねなんて曲をシングルで切られるようになってしまった彼女には心から同情する。