RAINBOWアルバム感想

メンバーとの様々な確執があり、DEEP PURPLEを脱退した後の天才ギタリスト・リッチー・ブラックモアのバンド。
徹底的に様式美を敷き詰めた数々の名曲を輩出し、ロック史においてもパープルに負けないくらいの太字で
記されるべきアーティストではないだろうか。因みに自分はパープルより好きです。




1.Man of the silver mountain
2.Still I'm sad
3.Catch the rainbow
4.Blacksheep of the family
5.Sixteenth century greensleeves
          /9曲
RITCIE BLACKMORE'S RAINBOW 68
1975年 1stアルバム

なんでもかんでも人のせいにするような、自己中な数々の言動を残しているリッチー・ブラックモア氏であるが、このファーストアルバムは自分の名前をタイトルにしてしまい、なんか....

それはともかく、どんどんファンク調に走ってゆくパープルの中で、「ブルースをやりたい」と思ったいうのも彼のパープル脱退の理由の一つだったようで、本作はブルース調の様式美溢れるミドルテンポ/スローテンポの曲ばかりで、それ程ハードさも感じることは無い。 様式美と疾走感が見事に融合した圧倒的名曲の数々が生まれていくのは、やはり次作からか。

オープニングは、やや単調ながらリッチーのリフのみで名曲になりうるような
Man of the silver mountain。やはりアルバム中最もハードな曲だろうし、邦題の「銀峰の覇者」というのもタイトルを上手く解釈した最高の題だと思った。
ラストを飾るヤードバーズをカヴァーしたインストナンバー、
Still I'm sadもセンス抜群。パープルの黄金期を思わせるようなパイプオルガンの音色が上手く使われているし、肝心のギタープレイもやっぱりなんだかんだ言ってこのおじさん上手いや、と感じさせられるものでした。
アルバムの「核」となるのは、ジャケットのイメージをそのまま体現したかのような、スローテンポのバラード・
Catch the rainbowだろう。 幻想的なギターの旋律が・・・・見事にこちらの眠気を誘ってくれたり......(笑)

それにしても、やはりこの3曲が看板曲となっている時点で地味なアルバムだということが分かってしまうが、印象が薄いながら他にも良い曲がちらほら・・・。 サビのコーラスが見事にキマるややハードなナンバー・Blacksheep of the family、単調なロックンロール・ナンバーながら曲長が短くて飽きずに聴けるSixteenth century greensleevesIf you don't like rock'n'rollが個人的には好き。
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このアーティストにおいて重要視されるアルバムとは言い難いと思うが、悪くはないですよ。




1.A light in the black
2.Stargazer
3.TAROT WOMAN
4.Do you close your eyes
5.Starstruck
          /6曲
Rising 96
1976年 2ndアルバム

この作品が70年代HRアルバムのマスターピースの一つと認知されているのは、何と言ってもこのインクレディブルなメンバーの顔ぶれがあるからだろう。 この後M・S・G、WHITESNAKE等で次々と活躍してゆく、ロック史上に残る伝説の名ドラマー:コージー・パウエル。この後BLACK SABBATHでも高評価を受け、更に80年代HR/HMシーンの中堅を担った自分自身のバンド「DIO」を創り上げた最強のヴォーカリスト:ロニー・ジェームズ・ディオ。 そしてエレキギターの奏法に、新たにクラシカルで様式美的な要素を加えた天才ギタリスト:リッチー・ブラックモア・・・。
説明だけでこれだけ行数を割いてしまったが、とにかく今考えるととんでもないメンバーな訳で、「三巨頭」などとも呼ばれているらしいですね。

やはりこのアルバムにおいて最も凄いのは、最後の2曲であることに間違いはあるまい。全長8分以上に及ぶ
StargazerA light in the blackはその雰囲気、演奏力共に次元が違うとしか思えない。コージーのリズムが一切狂うことの無いツーバス、そしてリッチーの狂気のギタープレイ。 これ以上ないくらいに様式美を前面に出した雰囲気も、とにかくハマるととことんハマってしまう凄い迫力。ロックでなくクラシックを聴いているかのような、そんな感覚すら味わえる程の逸品。バンドをやっている人間で、3人が火花を散らしあっているこのパワーを感じ取れない人がいるのだろうか? 全く、この2曲がレコードではB面に収録されていたというのだから、凄いものである・・・。 因みに私は、中盤に長いユニゾン部分を持つA light〜の方に、更に衝撃を受けました。皆さんはどっち?

勿論この2曲に対抗しうる迫力を持った、
TAROT WOMANの荘厳な雰囲気に始まるA面も良い曲尽くし。
つくづく、こんなに上品で質の高いロックアルバムは無いと思うなぁ。 全長33分、全6曲。