あんにんが...いなくなった。
パートT その1

 
 ついにこの日がやって来てしまった。
あんにんが元気に成長して6ヶ月が過ぎた。どんどん成長していくあんにん...女の子だからもういつでもヒートが来てもおかしくないお年頃になった。チャッピーママの初ヒートは7ヶ月、可愛そうだけれど引き取ると決めた時からあんにんの避妊を決めていた。男の子と女の子しかも親子、安全のためにもどちらかを手術するしかないけれど、こーぱは2度の交配で1度は成功し5頭の立派なパパとなっている、家の中に半年事にヒートが来る女の子がいたなら、たとえ去勢をしても本能は残ってしまう...悲しいことに親子でも交配はしてしまうのだ。親子で交配、とても危険な行為 生まれて来る子供の危険ももの凄く高い。こーぱをたとえ去勢しても本能が薄れゆくまでの間、必ずあんにんに襲い掛かってしまうだろう。それに毎度襲われるあんにん、二人のストレスを考えて、女の子であるあんにんを避妊する事に決めたのだ。
そろそろ手術の時期、主治医の先生と相談をして日にちを決めて一応手術の方法の確認をした。ところが今は一般的に避難手術と言えば卵巣と子宮の両方を切除するのだけれど、先生はあんにんはまだ幼いから卵巣のみ切除しましょう...戸惑いは隠せなかった。何度も先生と話し合いお友達の手術方法も聞いたり、近くの人気のある獣医さんにも聞いたりしてみたけれどやはりこーぱの主治医の先生にお任せする事にした。病院は小さいけれどとても信頼できるし、どんな治療でもしてもらえる、なんと言ってもいつでもきちんと説明してくれる。病気の事,お薬の事、今後の経過、そして治療費の事、こんなに良い先生は他にはいない。その先生の考えを信じる事にしたのだ。
2004.5.9 手術前日、あいにくの空模様...雨なのだ。あんにんはしばらくお散歩にいかれないから今日は思いっきり走らせてあげたかったのだけれどお天気には勝てません。それでも元気なあんにん。お家の中で相変らず走り回っていろんな所をカジカジ、明日自分のみに何が起こるのかなんてわかっていないんだもの。そんなあんにんをみていると何時も以上に可愛がってしまう。些細な事で必要以上に誉めてしまったり、なんでもないのによしよしして抱っこしたり...そんな私達の変化をこーぱは敏感に感じ取っていた。なんで??なんで??とばかりに一日中こーぱは私達を不思議そうな目で見つめていた。


カジカジしているあんにん

2004.5.10 手術当日、昨日夜のゴハンが何時もよりも早くて量も少なかったし夜からお水が飲めないあんにんは、ちょっと...う〜んだいぶご機嫌斜め。飼い主である私達の都合で健康な身体にメスを入れるなんて、本当はしたくないけれど...ごめんね、あんにん でもこれからもずっとずっと大切にするから許してね そんな気持ちで一杯、それに避妊手術といえども手術するのだからとても心配なのだ。麻酔もするし、万が一何があったらどうしょう...元気なあんにんにまた会えるのだろうか??そんに気持ちのままで病院へと向かった。


手術当日の朝、ご機嫌斜め

こーぱは病院が大好きなのだ。この日も何時ものように自分からぐんぐんと病院に入っていく、そのまま止めないと診察室まで先生を探しにいってしまうのだ。こーぱは院長先生が大好きみたい...自分からすすんで診察してもらっちゃうのだ。逆さまつげも勝手に一人で診察台の上でおすわり、抑えなくてもじっとして抜いてもらってくれる。飼い主としてはとっても楽、しかも安心していられるのだ。そして自分の診察が終わり、もう帰るのだ!!お家でゴハン食べたい!!今日は朝ゴハンまだ食べていないんだから!!なんて感じで待合室で待っているあんにんの所へ行った。待っていたあんにんはこーぱの姿をみてほっと一安心、あんにんはこーぱがいないと不安で一杯なのだ。いつもならこのまま二人とも抱っこそれて車に乗ってしまうんだけれど....なんだか変??あんにんが若い先生に抱っこされてる??なんで??とばかりにこーぱが私達を見つめている。そして私は先生に何度も何度も"よろしくお願いします"といってしまった。そんな不安そうな私に病院のスタッフの方が、院長先生が手術するから心配ないですよと声をかけてくれた。そして先生も心配しないで大丈夫ですよ、手術は午後からします3時くらいには終わると思うからすぐに電話をしますと言ってくれた。私達は何度も何度も抱っこされているあんにんをなでてがんばってねあんにん大丈夫だからと声をかけた。そしてあんにんは病院の二階へと行ってしまったのだ。
時間はまだお昼前、私達はこーぱだけを連れて車に乗り込んだ。こーぱはなんだか不思議そうな顔で私達を見ている。とーさんかーさん、あんにんがいないけどいいの??と言っているみたいに見える。何時あんにんをうざったがっているこーぱもいざいなくなると心配な様子、あんにんがいないからとーさんかーさん独り占め めーいっぱい甘えちゃう!!とばかりに喜ぶかしらと思っていたんだけれど、やっぱりこーぱは立派なパパだったか...と改めて認識させられたのだ。
家に着いたこーぱはいつもどおりに玄関で足を拭くと一目散にあんにんのハウスへと向かった。ハウスの中にあんにんがいないのを確認すると家中を探し回った。何度も行ったり来たり、やっぱり落ち着かない、それは私達も同じだった。そしてやっと電話のベルが鳴った。緊張しつつ受話器を取ると院長先生からの電話だ。"無事に手術は終わりました、まだ卵巣も米粒くらいに小さくてだいぶ奥のほうにあったので予定よりも傷口が大きくなってしまったけれど大丈夫ですよ。もうすぐに会えるので会いにきててあげて下さい"その言葉を聞いてほっととした。そして何度も何度も先生にお礼をいった。
 

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