あんにんが...いなくなった。
パートT その2

 
手術当日の夕方、私達はすぐにあんにんに会いに行った。あんにんは病院のケージの中でチョコンとお座りをしている。けれどまだ麻酔から完全に覚めていないためかふらふらとしている。私達を見て一生懸命尾っぽを振っている。"あんにん 良くがんばったね!! 良い子にしていたらすぐにおうちに帰れるよ"と声をかけでたくさんたくさんなでてあげた。それでもあんにんの姿はとても痛々しくて涙がこぼれそうになった。
こーぱのかかり付けのこの病院は避妊手術をすると3日間のお泊りとなる。今はだいたい翌日退院なのだけれど、慎重派の先生はお腹を切っているのだから特別な事が無い限りは病院で安静にしているのが一番!!と言うのだ。良心的なことにお泊り代金は手術費用に含まれているのだ。私達にとってはとても嬉しい、だってこーぱといっしょにしたら安静なんてしてくれるはずが無い。遊ぼう!! 遊んで!! とばかりにこーぱにからんでしまうからだ。
そして翌日、あんにんに会いに行った。落ち着きの無いあんにんきっと鳴いたり叫んだりして大変な事になっているのだろうと思ったら、予想に反してあんにんはとても良い子にしていた。ケージの中でチョコンと座り何時もおとなしく良い子にしていると言われたのだ。それでも私の姿を見たあんにんはキュンキュンないて尾っぽ沢山振っている。"良い子でがんばったね"とまたあんにんに声をかけて沢山なでてあげた。ところが私が帰ろうとすると今までとても良い子だったあんにんが力を振り絞るようにワンワン鳴き始めてしまった。仕方が無いけれどあんにんにまだ良い子にしていてねまた会いに来るからといって病院を後にした。次の日も面会に行ったのだけれど、やっぱり同じに沢山鳴かれてしまった。そしてこーぱはこの間ずっとあんにんのことを朝起きて家中を探し、お散歩から帰ってきてまた家中を探しつづけたのだった。
2004.5.13 あんにんの退院の日がやってきた。
夕方こーぱを車に乗せて病院に向かった。そして病院に着くと先生から術後の経過はとても良好です、抜糸は10日から2週間の間の都合の良い日でいいですよ といわれた。そしてあんにんが身体にサポーターみたいなのを着て抱っこされてきた。あんにんは私達を見てもうキュンキュン喜んで尾っぽが千切れるくらい振っている。あんにん 良い子だったね と声をかけた私と主人だったのだが、あんにんにはこーぱしか見えていなかった。こーぱのほほにキュンキュンと鳴いてペロペロなめまくっている。何時もは怒るこーぱもこのときはあんにんをちゃんとなめてあげていた。なんだかガックリ....やはりあんにんは誰よりもこーぱが一番と言う事がはっきりした瞬間だった。そしてあんにんは先生に"しばらくはガォガォ禁止だよ"と言われたんだけれどそんな声も聞こえないほどこーぱに甘えつづけたのだった。そして何時ものとおり4人で車に乗り込むと、こーぱの安心している顔が見えた。そしてこの夜、あんにんはまだお散歩にいかれないのでこーぱだけをお散歩に連れ出した。なのにこーぱは心配だったのだろう やっと帰ってきたあんにんがまたいなくなってしまうかもしれない と思ったらしく う★ちもしないまま家に帰ってきてしまったのだった。


手術を終えて帰ってきたあんにん


手術の後、まだ糸がついています

私達そしてこーぱにとって、試練の日々が始まった。こーぱに会えて興奮するあんにんを見て先生は毎日必ず傷口を見て確認してださい、きちんと消毒忘れずにあまり興奮させないようにして、お散歩はトイレだけにしてとりあえず2.3は傷口を見せに来てくださいと言われた。はじめの2.3日は交代で一人がこーぱのお散歩、一人があんにんとお留守番という形で過ごしたのだけれど、術後とは思えないほど元気なあんにんは、やっぱり外に出たいらしく、こーぱがお散歩に行くと落ち着かなくなり家中をうろうろ、ワンワン吠えまくったりする。こーぱときたらやはりあんにんがいなくなるかも??という気持ちがあるらしく、すぐに家に帰ってきてしまう。それに私がパートに出ているために1日5時間くらいお留守番なのだが、帰ってきたときが大変なのである。とにかくもの凄く興奮してしまう、お帰りなさい 寂しかった!!といわんいばかりにキュンキュンないて千切れるくらい尾っぽを振るあんにん、とにかくすぐに抱っこをしてなだめる、そうすると後ろでこーぱが嫉妬していじけてしまうのだ。ごめんねこーぱ、あんにんは今病気だから我慢してね というしかないのだ。それにもうひとつ、あんにんは大切なものを忘れてしまったのだ。それはトイレ...やっとおぼえたトイレ、はじめのうちはケージの中が寝床とトイレ、それをおぼえて成長するにつれて狭いケージ中では無理、ケージのとなりにトイレを置いてやっとケージが寝床となりにトイレを覚えたばかりでの入院、病院での生活はケージの中は何処でもトイレだったから何処でもいいとおぼえてしまったらしい。薬を飲んでいるせいかトイレも近い、もう大変な事になってしまった。トイレを失敗するたびにあんにんにトイレの場所を教える、その姿を見てこーぱがなんだか不安そうに見ている。神経質のこーぱにとってはこの姿を見ることさえもストレスになってしまったみたいだ。
とにかく元気なあんにん、お留守番など我慢できるはずがない、仕方が無いので公園まで自転車の籠に載せていくことにした。そして公園につくと片手にこーぱのリードを持ち、あんにんを抱っこして歩く、こんなお散歩が続いた。


元気にカジカジ♪


遊びつかれてやっとおやすみ

あんにんのお腹はといえば、最初は少し赤いかな??というかんじでその赤みも2.3日でとれ、その後はお腹に糸がついているほかはとても綺麗だった。傷跡もとても小さい、同じ頃手術した子に比べるととても綺麗、ワンお友達のおとーさんおかーさんにも"とても綺麗で傷も小さいね、手術した先生はとっても上手なのね"とよく言われた。やっぱり、院長先生にお任せしてよかったなぁと言われるたびに感じた。
そして何とか2週間がたち、無事に抜糸を迎える事ができたのだ。糸を抜いたあんにんは、お腹にあった違和感が取れたみたいでよりいっそう元気になったのだ。
私達の勝ってで手術をしたあんにん、そしてそのためにたくさんのストレスを受けてしまったこーぱ、本当に良くがんばってくれました。これからも今まで以上に大切に、たくさんの愛情を送りたいと思う出来事でした。


抜糸直後の傷跡

 

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