DC60Hzサイト番外編 長野市内に電子部品店が有った頃

その昔、長野市内には何軒も電子部品を扱っているお店がありました。

  - きゅうさんが訪ねた事のあるお店の思い出話を綴ります -

ニシキ電器 
私が初めて電子部品を買ったお店です。その名の通り 錦町通りに有った小さなな部品屋さんです。30年以上前ですが、その時すでに古い感じ?のお店でした。
小さなお店でしたが、電子工作に必要な物は一通りそろっていて、ラジオ等のキット類やマイコンキット、アマチュア無線のトランシーバー等も数台置いて有ったのを覚えています。

初めて部品屋さんに来た事をお兄さん?(おじさんというにはちょっと若い感じの人だった)に告げると ”欲しい部品をこの皿に取って行くのだよ” と教えてくれた事をを覚えています。トランジスタが数本ずつスチレンフォームの板に刺してあり、小さな紙に型番と値段が書いて有りました。初めて見る新品のトランジスタがすご くカッコよかったですね。(2SC372-Y等あったな)

電車に乗って何度か買いに行きましたが、それから数年後の夏休みに行くと、中央通りの”ニシキ電器”に移転したという張り紙がされていました。こちらは家電店で同じ会社だったのですね。(その後、以前お店は道路拡張で取り壊された)
そちらのお店に行き部品を買いに来たことを告げると、おじさん(今度はおじさんという感じの人)が、2階に有るけど暑いよ、と言いながら部品類が並べられ た2階に連れて行ってくれましたが、雰囲気的には電子部品で商売する気はなさそうだなぁと感じた物です。(おじさんの対応は良かったですが)

他の家から近い部品店を知ると長野市街のお店には行き難くなり、その後は行かなかったのですが、長野五輪の頃にはお店がなくなっていました。初めて電子部品を買いに行ったお店だけに少々寂しい気がしたものです。

倉沢科学
善光寺の御ひざ元、大門町に有った理科機器などのお店。ビーカーやフラスコなど理科でおなじみの器具を扱う理科準備室みたいなお店に電子部品もありました。

いつの間にか北長池に移転していたのですが、そちらのお店に足を踏み入れる機会もなく今は閉店されてしまったようです。

長野ハムセンター
アマチュア無線の専門店さんとして有名なお店ですが、以前は電子部品も置いてありました。後に抵抗やコンデンサ等、一部の電子部品は中野店に移動した様でしたが、中野店は閉店してしまいました。

松本電子部品 長野店
松本市をはじめ中南信にお店がありますが、以前は長野市(消防局・中央消防署の近く)にもありました。

部品屋さん・無線機屋さんは狭いお店にたくさん詰め込まれている?イメージでしたが、広めですっきりしていた印象が残っています。
アマチュア無線機器類の販売が中心だった気がしますが、今は無きFCZコイルという受信機やトランシーバー等の自作によく使われたコイルに初めてお目にかかったのはこのお店でした。

ここで初めて見たFT-901SDかっこよかったですね。

システムデザイン・電子パーツセンター / エレパーツ長野
県民文化会館の真正面(TSB・県立図書館側の入り口方面)に存在していた電子部品店さん。
すっきり綺麗な店内でしたが電子工作に必要な物はそろっていました。エレキット等の初心者向けキット等は扱いが有りませんでしたが、一部の秋月電子のキットを扱っていたり出物のジャンク・パーツ類が有ったりと初心者よりも”通”向けのお店だった気がします。

カタログによると本社・機器開発部は千歳町と有りますので、開発・設計が本業でその会社の電子部品小売り部門という位置付けだったと思われます。

オリジナルパーツカタログを作ったり、オリジナルキットやトランスの販売や無線雑誌に広告を出していたりと元気がありました。

後に通りから少し入ったところに移転しましたが、お店の品ぞろえと おじさんの話好きは相変わらずで、会計した後もしばらく話し込むのが楽しかったお店でした。
このお店のその後ですが、ちょっと電子工作から足が遠のいていた後、この後紹介するお店に行くと”!”な事態に...。
レシート
1987年版 標準在庫カタログ
オリジナルパーツやキットもありました
エレパ長野レシート エレパーツ長野 価格表 エレパーツ長野 オリジナルパーツ&キット


アサヒ電子部品
トリはやはりこのお店ですね。
初めて訪れたのは長野駅東口からまっすぐ東に300mぐらい進んだところにあった小さなお店のころでした。小さなお店にギッシリと部品棚があり、低いところにある部品棚から部品を拾おうとするとお尻や背中が反対側の棚にあたるぐらい狭かったイメージが残っています。
小柄で穏やかな感じのおじさん(+αな感じのお歳?)とお姉さん(同じく+α)が対応してくれていました。
それからしばらくして県民文化会館方面に移転されました。今度は店内も広く(部品屋さんとしては)一通りの電子部品類とケース、スイッチなどの部品、キット類、工具、お買い得部品コーナーなども有り 大抵の物はそろえることができました。
比較的目新しいIC等も置いてあったり、白色LEDを初めて見たのもこのお店でした。

ある日お店のドアを開けると店内の配置が変わっており、お店の中身が増えた?と思ったとたん位置が変わったレジには上記のエレパーツ長野のおじさんが!
部品をそろえてレジに行き恐る恐る?お店一緒になったんですか?と切り出すと話好きのおじさんは相変わらずの調子でいろいろ話をしてくれました。
皆さん、店に入って私の顔を見た途端驚いた表情をされるのですが、気を使ってか聞いてくれないんですよ、と話していたのが印象に残っています。

エレパーツ長野と統合したアサヒ電子部品はエレパーツに有ったオーディオ真空管等も取り込みおじさん曰く、地図上、秋葉原と日本橋間に線を引いて、そこから上にこれだけの部品を扱っているのはここだけでしょう、と言ったのを信じるに足りる感じがしました。

長野駅からも徒歩で十分な立地で中高生でも訪れることができましたし、駐車場も数台分あり、車でもの買い物もしやすいうえに上記の品揃え。田舎でこれだけのお店が存在するのは大変恵まれていると思っていたのですが、ある日突然お店が閉店していました。
ネットの噂では何らかのトラブルに巻き込まれて破産したらしいと見ましたが真相はわかりません。

他にも電子部品店が有ったようですが、いずれにしても昔は何店も部品屋さんが有りました。
サブカルの聖地となった秋葉原で今も部品店は存在しますが、部品毎の専門店が多く、
一軒ですべての部品をそろえることができる田舎の部品屋さんは初心者には便利です。が、
もう、電子部品専門店が新たに開店する可能性は極めて低いのかな?と思います。

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