【予告】

 
特別展示 木田金次郎の交流圏
 

「橋浦泰雄−旅への導き」展

7月4日(水)〜11月4日(日)
 


 7月からは特別展示。今年は日本画家で民俗学者の橋浦泰雄(1888-1979)という人物と、木田との交流を取り上げます。
 橋浦泰雄は鳥取出身。画家を目指して上京し、共産主義の影響を受けますが、弟・季雄の師であった有島武郎と知合い、有島の「惜しみなく愛は奪う」に重要な示唆を与えた人物として同書に名が記されています。また、兄・小谷義雄が札幌にいたことから、たびたび北海道を訪れ、道内各地を旅しました。岩内にも大正年間に数回訪れ、木田と親しく交流を重ねていました。
 「木田金次郎の交流圏」では重要な位置にある橋浦。その魅力は幅広いフィールドにあるでしょう。橋浦は木田の漁師時代の見聞から民俗学への関心を高め、柳田國男の門下となりました。また、橋浦と北海道を旅した人物に、田上義也( 1899-1991)がいます。田上は橋浦との旅で北海道に根を下す決心をし、のちに広く世に知られる「旧小熊邸」や、「道銀本店ビル」などを手がける建築家になりました。
 一方、木田も橋浦や田上との出会いの後、有島の死もあって、漁師をやめて画家へと歩みだしました。この展覧会では、大正末期の青年の出会いを「旅」をテーマに紹介します。展示の核となるのは、橋浦が旅先で描いた「絵たより」。約 90枚の道内各地の風景とともに、木田・橋浦をめぐる交流の様子を紹介します。
  7月15日(日)の「木田金次郎生誕祭」の記念講演会では、『橋浦泰雄伝』(晶文社)など、橋浦研究に取り組まれている、鶴見太郎氏(早稲田大学准教授)を講師に「橋浦泰雄の眼−故郷遍歴−」と題して講演をいただきます。ご期待ください。
 美術・民俗・建築のクロスロード。岩内の持つ「磁場」を感じる内容となるでしょう。
学芸員、鋭意準備中です。詳しくは次号でも。どうぞお楽しみに(ズシリ!)

 
(学芸員 岡部 卓)