【コ ラ ム】

No.44/2007.4

こんなところに木田作品が出現 !?   ・・・ちょっと気になる本のご紹介・・・

『ハコの牧場』  北村恵理作 福音館書店  2006.3 発行  1,600 円


  主人公春子の小学 2年生からの2年間のエピソードをつづった児童書ではあるけれど北海道の自然に満ちた暮らしが生き生きとして、大人が読んでも魅力的なお話です。

 春子の祖父は山梨から移住し明治の頃に森崎牧場を開きます。牛を飼い、畑をおこし、家族みんなで協力して日々を送る。確かにそういう時代を過ごして、今こんなにも便利でまた淡い人間関係の中私たちは生きているのだなーとしみじみと思いました。

 著作の 296ページ、春子がクリスマスの集まりで札幌の祖母の実家に呼ばれます。クリスチャンのおじやいとこが集まり賛美歌を披露したりする合間、普段は入られない応接室にいとこが招き入れ「きんじろさんのえだよ」と木田金次郎の額絵を見せてもらうくだりに、主人公が子供時代数回しか見ていない木田金次郎の絵がずいぶん印象深い思い出になっていることに、胸が熱くなりました。本物の持つ力がそこにはあると思いました。

  読後、娘と二人で北村さんへ感想文を送ったところお返事をいただきました。木田作品のポストカード数枚を同封したところ「金次郎は花の絵も描いていたのですね。どれもいい絵で眺め入っております。」というお返事をもらい、カナダにお住まいでもいつか木田美術館で未知の作品をゆっくり見ていただけたらなと、強く願っています。
S.K


 

 
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