【コ ラ ム】
No.45/2007.5
スクランブル(ボランティア)

私たちの願い遂にかなわず休館案可決
              
急遽町議選出馬の前田前館長 堂々当選


  3 月から 4 月、美術館は大きく揺れ動いた。まず定例議会で休館を盛り込んだ条例が通り、その衝撃が覚めやらぬうちに事態は急展開し前田館長の辞任と町議選立候補となり予想を上回る得票で当選した。残るは新館長と美術振興協議会会長のツートップ人選だ。美術館は今、大きな変革期を迎えようとしている。

  3 月 16 日、町議会は美術館の冬期間休館条例案を可決した。「 19 年度から当分の間、 12 月から 3 月の 4 ヶ月間は休館する」これがこの条例の骨子だ。ただ、管理者である美術振興協会の経営努力により開館を維持するだけの収入の見通しがあれば教育委員会了解の下、業務の継続ができる。つまり、協会に下駄を預ける形となり協会の打つ手が注目される。
  ポプラの会は 4521 名の署名を集め休館条例案撤回の願いを込め陳情書を提出した。そして議会で採択されたのに今回の議会では一転して私たちの本意に反するものとなった。 3 月議会の条例案審議を傍聴して痛切に感ずるのは議会には表の顔と裏の顔があってそれを巧みに使い分けているということだ。私は文化や芸術に冷淡な町理事者側同様、定見のない議会にも強い不信の念を抱く。同時に署名に協力していただいた方々に対しこのような結果になり申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
  だが美術館を守り育てようとする人に暖かい励ましの声をかけられる。情勢はきびしいが、通年開館を目指し私たちは協会に側面から協力を惜しまないつもりだ。
  4 月 4 日、 19 年度ポプラの会総会冒頭の前田館長挨拶の中で館長辞任と町議選立起の意思表明があった。私たちにとってまったく寝耳に水の驚きだったが、一連の休館問題審議で民意を正当に反映しない議会に強い危機感を抱き、急遽議会内部からの改革を思い立ったに違いない。ゼロスタートの選挙運動は薄氷を踏むような毎日だったが、日を追うに従って応援する人達の輪も広まり 22 日、遂に上位当選を果たした。地盤のない新人が議席を獲得したのは、やはり美術館に象徴される文化、芸術活動を停滞させるなという町民の強い意思を如実に示したのだと思う。議会の新しい風となるよう期待する。

O.Y

 

 
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