お風呂のあとはv
「こんなもんかな?」
「おう、サンキュー」
泡だらけのタオルをにいさんに返して、手の泡を洗い流してからシャワールームを出た。
僕までシャワーを浴びる必要はないからね。
「ちゃんと暖まるまで、お湯を被ってくるんだよ。」
「へいへい、」
にいさんは自分のことになるといっつも適当だから、過保護と言われようが、お節介だと言われようが、口うるさくひとつひとつ確認しないといけない。
手間はかかるけど、それを面倒だとか思ったことは一度もない。
僕は床に座り込んで、僕の鎧用の布を出す。まずは全身にまんべんなく付いている湯気の水滴を届く範囲でおおざっぱに拭き取る。
人の体と違って、鎧は関節部分に余裕がないから、融通が利かない。そう、関節が斜めには動かないんだ。
まあね。鎧を着て鎧の背中を掻く人なんていないから。だから届かない所って、結構あるんだ。
そんなところはにいさんにやって貰う。
前掛けも洗わないといけないな。
靴を履いているわけじゃないから、足下も結構汚れている。汚れ落としの薬品を布につけて、足下から拭き始めた。
これが結構匂うらしい。僕には臭覚がないからわからないけど、初めの頃は閉めきった部屋でやっていて、にいさんが倒れそうになった。
だから急いで拭いて、頑固な汚れを落とすと、その布と薬品をしっかりしまい込み、窓を開けて換気した。
「ふー、あっつー」
にいさんが出てきた。
「換気も終わったし、冷えるから閉めるね。」
「いや、のぼせそうだから、もう少しそのまま開けといてくれ。」
「んー、すこしだけね。」
にいさんはすぐにお腹を壊すんだから。今だって、パンツ一丁で、しかも髪から水を滴らせたままベットに座ろうとしている。
「ちゃんと拭かなきゃダメだよ!」
濡れたベットで寝るのはにいさんなんだよ。そんなんじゃ、風邪を引いちゃうよ!
「へいへい、」
「なんか、この頃返事がおざなりだよ。」
あ、ふくれた・・・反抗期かな?
「かして!!」
肩にかけたままのバスタオルを取り上げると、にいさんの頭にすっぽりとかぶせて、わしわしと拭きまくった。
「んぶっ、ちょ、アルッ、んわわわわわっ」
わしわしわしわしっ、がしがしがしがしって、タオルの上から指先でおさえこみ、髪の中の地肌からも水分をすいとった。
勢いに振り回されまいと、にいさんの腕が僕の胸に突っ張る。
「ほいっ!」
だいたい拭き終わってタオルをぱっと持ち上げると、にいさんの頭は大爆発を起こしていた。
「ぷぷっ、」
「なんだよっ!お前がやったんだろっ」
「いつもの事ながら、この瞬間が一番たのしいよねっ」
シャワーのせいか、僕に頭を振り回されたせいか、ほんのり頬を赤らませながらまたしてもにいさんはふくれた。
けど、そのふくれっ面にちょっとばかり笑顔が含まれているのを僕は知っている。
「窓を閉めてくるから、ちゃんとシャツを着てね。」
言われるままに動くにいさんを確認しながら、僕は窓を閉め、旅行バックの中からにいさんのブラシを出した。
「このまま乾いたら、明日、みんな振り向くね。」
それはそれでたのしいかも。と思いながらにいさんの髪を毛先の方から梳いてゆく。
それは徐々に流れる金糸へと変わっていった。
「ほい、終わり。」
梳くことで、残っていた水分がまとまり、流れてきたのでタオルで押さえて吸い取ると、後は自然に乾くのを待つだけ。
「サンキュー、次はお前だな。」
「うん。」
新しい布をにいさんに渡して背中を向け、僕は自分の手の届く範囲で拭きはじめた。
「今回は結構汚れたな。」
「途中で雨が降ったしね。」
「変な奴らにいちゃもんつけられて、一騒動おこしちまったしな。」
「あれはにいさんが先に手を出したんじゃない」
「先に口を出したのはあいつらだ。」
「まったくもう。」
喋りながら二人で一生懸命鎧の体を磨き上げていく。関節部分とか、結構埃が溜まってて、こり出すときりがないくらいだ。
「よっし、こんなモンかな?前の方終わったか?」
「うん、だいたい終わり。」
「んじゃ、新しい布出してくれ。」
「?良いけど、どこふくの?」
はい。と手渡すとにいさんは僕の前に回ってきた。
「よっと、動くなよ。」
「うわっ」
にいさん、僕は山じゃないよ。脚立でもないんだよ。
まるでロッククライミングでもしているように、僕によじ登りはじめた。
「まだだろ?顔」
「うん、」
肩にまたがりながら、鼻歌交じりに僕の顔を隅々まで拭いてくれる。
「やけに楽しそうだね、にいさん。」
「いやぁー、我が弟の顔は、ほんとにごついなぁ、なんてな。」
「ひどいよ、・・・好きでごつくなったんじゃないやい。」
最後の方は小声で訴える。にいさんが気にするとこまるし・・・
「この角は何のためにあるんだろうな。」
「かっこいいからじゃない?」
「ん〜〜、やっぱ頭突きの凶器だろ。」
「鎧で頭突きって、どんな戦いだよっ、」
「うはは、組んず解れつの肉弾戦。」
「首が動かないのに、頭突きってあり得ないよ。」
「んじゃ、ロケット頭突き!」
全力で走って来て、両足で思いっきり踏みきり、額から敵めがけてつっこむ!!って・・・
「・・・中の人も無事じゃすまないね・・・」
「うひゃひゃひゃひゃ、やっぱ飾りかぁ。」
「なんか、にいさんにそうやって言われるのも腹が立つなぁ。」
・・・?にいさん、頭上でなんかしてる?
「に、にいさん、なにやってるの!」
「なんか、舐めやすそうだったから。」
「だからって、」
「どんな味か気になってたし。」
「味なんて、あるわけないじゃん。」
あるとすれば、鎧を磨くオイルの味・・・具合悪くなりそう・・・
「そんなことないぜ・・・ドキドキする恋の味ってやつか?」
思わず絶句する。
にいさんはそんな僕を見ておもしろがっている。ちょっとだけ照れくさそうにニヤッて笑った。
そして、そっと降りてくる唇は、僕の口の部分に優しく重ねられた。
僕はにいさん無しでは生きていけない。にいさんのためにここにいる。
にいさんも、きっと僕無しでは生きていけない。そう思いたい・・・
むやみにべたべたですね。いちゃいちゃ・・・じゃない?最後の方でイチャイチャvしてましたよ?
私の設定の中では、できちゃってるんですけど。この二人はv
やっぱ、いちゃいちゃ足りませんねぇ、もっといちゃつけ!じゃなきゃ、引っぺがすぞ!!
もう一回くらいは、続きそう・・・ほんとか?