「兄さん、本気で大佐の犬になる気なの?」
「はぁ?」
振り向いた兄さんは、それこそ漫画のような嫌ぁーな顔をした
「何、気色悪いこと言ってんだよ、おまえ、
誰が大佐の犬になるっつたんだ?軍だろ、軍!うへぇー鳥肌たっちまった」
ぶるぶるっと体を震わす…
「あの人、絶対おかしいよ、兄さん、やめたほうがいいって、
同じ国家錬金術師になるんでも、他にまだ道があるじゃない」
「だけど、一番近道でもあるんだぜ」
あぁもう、身の危険を感じてよ。あんな人の所に行ったら、
即首輪をはめられて、しつけされるに決まっているんだ、
「俺は、一日でも早くお前に体を返してやりたいんだ。
そのためなら、犬にでも、ドブネズミにでもなってやる。」
「に、兄さん…」
ジーン!感動してしまった…
う、違う、感動している場合じゃない!
「一年や二年、遅くなっても僕はかまわないよ!
兄さんがあのひとにあんな事やこんな事をされることに比べたら、」
ガイーン!!グワン、グワン、グワワワーン
「お前の方が変だっつーの!!」
兄さんの右腕をもろに顔面に喰らって、視界が揺れる。
「だけど、だって、にいさん!!」
んもう、なんて説明すればいいんだよ、
にいさんって、ああいう大佐みたいな俺様的タイプの人間には、
たまらないものがあるんだよぉー
屈辱に、顔を歪ませてみたい!みたいな、もろ好みなんだよ、
何でわかんないのかなぁ、
おくてすぎるよ、僕が、教えてあげようかっての!
「!!」
「なんだ?」
そうか、教えてあげればいいんだ、こういう世界があるってことも!
何でそんなことに僕が詳しいか、ってのは、
先に恋を知ってしまったって事で、流してください、
「兄さん!」
「だから、何」
「男の人にはね、何種類もの人間がいるんだよ、」
「は?」
「女の人しか愛せない人や、男の人しか愛せない人や、
どっちでもいい人や、どちらもだめな人や
まだまだたくさん世の中にはそれぞれの好みがあるんだ、
特に兄さんは、女の人オンリーじゃない人には、
結構好まれる性格で、外見なんだよ!」
「いきなり、なんなんだよ」
「だから、あんな、変な人のいる軍になんか入ったら、
即日、押し倒されて、こんな事されるんだよ、いいの?」
「うわっ」
あ、後頭部打った、痛そー
「いってててて、アル、お前、」
「ほら、こんなに簡単に押し倒されるじゃない?」
「いいかげんにしろっ!!」
「凄んだって、無駄だよ、兄さんって誰よりもちっさいし、
誰よりも可愛いんだから!」
「このヤロー、マジで壊されたいのか!!」
「はい、それも無駄。ちょっと兄さんに詳しい人なら、
両手を封じることは忘れない。
錬成陣が作れなきゃただの子供だもん。ね?」
兄さんの両腕をしっかり捕まえて、頭の上で束ねる。
手のひらがくっつかないようにね。
「くっ、のヤロー、放しやがれー!!」
「暴れると、余計に相手をあおるだけ、僕はしないけど、
相手によったら、2.3発殴られるかもよ、」
わぁ、悔しさに、ぎりぎりと歯を噛みしめて目に涙まで浮かべてる…
こりゃ、壮絶…
こ、このまま、やっちゃいたいー!!…けど、今の僕には…無理…
「うわーん、にーさーん!!」
「だから!!お前のためにも、一日も早くだな…」
「えっ?」
えっ?えっ?えっ?それって、
「だー、あつくるしい!!早くよけろ!このっ」
巴投げ…ドンガラガッシャーン!!
なんか、感動ー!今、なんていった?僕のため?
逆さまの視界の中、兄さんまっ赤ー!可愛すぎー!
「一日も早く体を取り戻すんだ!!」
わかりました。僕は、一時も兄さんを離れません!
守り抜いて見せます!!僕が!!