不安とやきもちは恋のえさ


 僕の身体が空っぽのせいか、時折どうしようもなく、不安になる時がある。
「ねえ、にいさん、」
「ん?」
 今日、セントラルの図書館から新しい文献を借りてきたにいさんは、帰ってきてからずっとその文献とにらめっこしていた。
「・・・・」
「なんだよ、」
 やっと僕の方を向いてくれる。
「ん、」
「言いたいことがあるならはっきり言えよ。」
 ぱたりと読んでいた文献を閉じて僕の方へ寄ってきた。
「うん、にいさん、僕のこと、まだ好きでいてくれてる?」
「ばっか、あたりまえだろ?なんだよ、また、不安がっているのか?」
「う・・・ん、ごめん、」
「不安がらせる俺も悪いんだよな。こっちこそ、悪かった。そんで?今度はなんで、そうなってんだ?」
 にいさんは、僕の胸を軽く押して、ベットに僕を座らせた。その膝をまたいで、僕に近づいてくる。
「ん・・・たいしたことないんだけど・・・やきもち、かな?」
 怪訝そうな顔でのぞいてくる。
「何に?」
「ほん、」
「?本?」
「うん、正確に言うと、大佐の紹介してくれた文献。にいさん、帰ってきてから一言も僕と話しをしてくれないから・・・」
「あ、わるかった・・・けどなぁ、・・・ふーっ、」
 何か言いかけて黙ってしまった。
 解ってる。僕のために必死になって資料を探しているってことも。
「・・・アル。」
「うん?」
「・・・愛してる」
 ぽそっとささやいてくれる。
 僕ってこんな瞬間が欲しくて、落ち込んだりするのかなぁ?
「真っ赤だよ?」
「うっせーなぁ、お前がやきもち焼くからだろ?!」
 更に真っ赤になって僕のあごを押し上げた。
「お前のこと、嫌いになったりしたら・・・は、ありえないか、お前以上に好きなやつができたら、お前にきちんと報告するから、
それまでは安心していろよ。」
「に、にいさん・・・僕以上に好きな人を作る気なの?」
 なんか、余計哀しくなってきたよ・・・
「もしもの話しだよ!ばか!」
「でも、」
「だから!!絶対に、そんな報告はないから、隠すこともしないから、お前が俺の一番だから!余計なことを勝手に心配するなってことだ!!」
 真っ赤になりながらも、必死で僕を見上げてくるにいさんが愛おしくてしかたがない。
 興奮して高揚している丸いほほに触りたくなった。
「触っていい?」
「ん?あぁ、」
 僕の手がそっと頬に触れた瞬間、ぴくりと身体を緊張させたけど、手の平が頬を包むと、気持ちよさそうに目を閉じた。


「キス、していい?」
「決まってるだろっ、お前はいちいち確認取らなくてもいいんだよっ」
「にいさん、さっきから怒鳴ってばかりだね。イライラしてるの?」
 ほんとは、恥ずかしいだけなんだよね。知っているけどさ、
「違うって言ってるだろー!!」
 うがーって感じで怒ってる。あはは、たのしいなぁv
 興奮しているにいさんの顔を両手でつかんでちょいと引っ張ると、瞬間でおとなしくなった。
 顔を寄せると、僕の角とあごにあたらないようににいさんも顔の角度を変えてくれる。


 優しいキス。


 視界がにいさんでいっぱいになるけど、暖かみも吐息も感じない僕。
 にいさんにしてみれば、無機質な冷たい鉄板に唇をくっつけているだけの感触だろう。
 なのに、人にするように、優しく唇を動かして口づけてくれている。
 こんな瞬間は本当に泣きたくなるほど切ないよ。
 にいさんには、鉄板に口づけさせるんじゃなく、温かくて柔らかい唇で答えてあげたい・・


「あ、アル?」
「ん?なあに?」
 忙しいんだから、だまっていて。
「ちょっと待て、なにやってるんだ!」
「さっき、いちいち確認取らなくてもいいって、言ったじゃない。」
 片手で襟止めを外し、アンダーウェアをまくり上げ、手のひらを上半身にすりつける。もう片方の手で、ズボンのベルトを
外しにかかる。
「そこまで許可した覚えはねーぞ!」
「恥ずかしがり屋のにいさんの許可を待っていたらきりがないよ。とっとと、進めさせて貰うから。」
「お前は限度と節度をわきまえろー!!!」






イチャイチャな二人が見たかっただけです。山も落ちも意味もありません。
もっといちゃいちゃしている二人が見たいです。