欲
(やべえな、俺、どうしちまったんだろう・・・)
前を歩く弟の背中がとても頼もしく見える・・・
あの腕の中の感触をしっている・・・
(昨日だって、・・・してもらったってのに・・・)
すでにその腕の中が恋しくなっている
振り向いて欲しい、その視界の中に
(俺をみてほしい・・・)
「にいさん?どうし・・・(うわっ)」
後ろを着いてきていたはずの兄の気配がだんだん小さくなってゆく感じがして、
なにげに振り向いたら絶句した。
「ちょっと、こっち来て!」
「えっ?」
町はすれの道をそれて、どんどん草原の中を引っ張って行かれる。
秋の草丈は長く、小柄な兄の腰丈を遙かに超えていた。
「ちょ、アルッ!どこいくんだよっ!いてっ」
たまにある長い雑草の葉先が、兄の頬をたたく。
何も言わずに黙々と雑草をかき分けて進む弟の背がやっぱり頼もしくて、
捕まれた手にきゅっと力を込めた。
「にいさん、ごめんね。昨日たりなかった?」
街道が遙か彼方に見える頃 弟はいきなり兄を草むらに引き倒した。
「あ、アル?」
「でも、だめだよ、道なかであんな顔しちゃ・・・」
そんなに物欲しそうな顔をしていたのか・・・と赤面を隠せない
「さわっていい?」
「ばっ、ばかやろう、ここをどこだと思って!!」
理性ではそういいながら、目の前にある弟の体にすがりつきたい自分が居る。
「だって、にいさんのあんな顔見せられたら、無いはずの心臓が止まりそうになったんだもん。」
「俺ばっかで、ごめんな?」
すくいようのない罪悪感。肉体のない弟に向ける自分ばかりの肉欲
「なにが?」
「だって、お前、肉欲ないだろ?」
もうなれた仕草で鎧の手は兄の上着の中をまさぐる。
その手の動きだけで兄の意識は持って行かれそうになる。
「肉欲・・・ってどんなのなんだろう?」
弟の言葉に兄の息が止まる。
「にいさんの言う それ の感覚はわからないけど、にいさんばかりがそういうことをしたいと
思っているわけじゃないんだからね。」
弟に組み敷かれて、感極まっている兄の頬にふれる。
「道なかであんな顔みせられたら、黙っていられないくらい、にいさんに欲情してるよ?」
鎧の指が兄の唇を軽くなぞると それだけで瞳をきゅっと閉じて薄く開いた口から苦しげな吐息を漏らした。
上気した頬、細かくふるえる金色の睫、もっともっと苦しめたい、乱れさせたい、気持ちよくさせたい・・・
「にいさんが欲しい・・・これが今の僕の肉欲・・・」
「あ、あるっ、や、はあっ、」
(もっと啼いて!僕で感じて!にいさん!!)
「んあぁ!アルッ!!アルッッ!」
兄とシンクロする瞬間、頭の中が真っ白になる。
ひときわ高く啼いて体を震わせると、弟にすがりついていた腕から力が抜ける。
落ちそうになる体を抱き留めて、そっと抱きしめしめる。
「僕のすべてだよ、にいさん」
「ア・・・ル・・・」
くてりと力なく後ろに倒れた頭を支えてあげると頬にさっき背の高い葉で叩かれて細く切れたあとがある。
自分とは違い、柔らかくて白くて傷付きやすい兄の体
「僕の方こそ、こんな体でにいさんに触れてごめんね。」
「お前だけ、愛している。アル。」
意識が無いと思っていた兄がそっとつぶやいた。
「僕もだよ、にいさん」
「はぁ〜〜〜、俺たち何やってんだろうな?真っ昼間から、」
「しかも外で?」
ははっ、て笑ったから、へへって笑って返した。
秋の空は青く澄み切って高い。風が見渡す限りの黄金色の草原を撫でていく。
座ったまま、視線の高さにある海原を眺めていた。
(この高さなら、にいさんの視界には入ってないだろうなぁ)
ふと、兄と視線があった。
「にいさん、今、キスしたいと思ってるでしょ?」
(あ、ちょっとふくれた!かわいいなぁ、)
じらしていると、右手でごんっとどついてきた。
「はいはい、」
かがんで兄の高さに合わせる。
一生懸命吸い付いてくる兄にちょっと切なさを感じる。
(はやく体をとりもどして、こんなキスにも答えてあげたい・・・)
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| またしてもやってしまいました・・・だって、湯呑屋さんの作品って、素敵すぎて萌が止まらなくなってしまうんです; 新作を拝見しては、パソの前で一人萌え苦しんでいますよ;; それにしても、あの素敵な作品から、こんなエロを想像する私は最低です;;ごめんなさい・・・ ニソルの湯呑屋さんのサイトにはリンク部屋などから移動出来ますvほんっとに素晴らしい作品ばかりです!! |