私がこの世で一番好きな花は、枝垂桜。「咲き乱れる」という表現が、これほど当てはまる花はない。その妖艶な花の「気」に惹かれ、憧れ続けている。いつかこの世を去るときは満開の枝垂桜の木の下がいいと思わせるほどの魅力に今年も何回か出会うことができた。
バトンタッチして、今を盛りと咲いているのは、八重桜。この花に妖艶さはないけれど、華やかな美人のような「気」を持っている。
花々には、それぞれの「気」が漂っているが、そこからは本当にさまざまな性格やメッセージが伝わってくる。先日、「彼」(愛車のこと!)に乗って仕事に行ったとき、道路の中央分離帯に大きくて濃い黄色のラッパ水仙が、集団でいた。ちょうど赤信号で彼女たちの横にしばらく止まっていたのだが、驚いた。その賑やかなおしゃべりに!「何十人」もいた彼女たちのほとんどが大きな声でおしゃべりしていたからだ。しかも他人(他花?)の言うことを聞いているものはなく、それぞれが、言いたいことを勝手にしゃべっていたのだ。私のように、止まっている車の運転手に話しかけているものもいたし、隣に咲いている花に何か一生懸命しゃべっているものもいた。その中で、一人ポツンと下を向いて黙っているものも、2,3人(?)いた。
そういえば数年前、九州に講演旅行に行ったときに列車の窓から見えた、うるさい菜の花が思い出される。あの時の、菜の花さんたちの数はすごかった。でも一人一人のおしゃべりという感じではなく、全体的に一体感があり、まとまってうるさかった。ねーねーねー、私たち、ナ・ノ・ハ・ナ・よー!!と。 「うるさい」ということで印象的な花々は、今回のラッパ水仙たちに会ったのが、二度目の経験である。カラーセラピーで黄色は、「コミュニケーション」を象徴する色だと聞いたことがあるのを今突然思い出したが、菜の花もラッパ水仙も黄色なのは、偶然だろうか?あのパワフルなコミュニケーション力はすばらしい。
それにしても、あのラッパ水仙たちの陽気さ、自分勝手さ、そして2,3人の暗さがとても興味深かった。
花の持つ「気」をどう感じようが、私の仕事と直接関係ないのだろうけれど、人の「気」を感じ取ることは、ドラマセラピーのセッションをする上で必須である。一般的な10人から20人くらいのグループは勿論のこと、私の場合、多人数(時には300人以上)に向けて行なうこともよくあるので、その場に行ったとたん、皆さんの「気」を感じ、今日の皆さんが、どこまでやって下さるか判断しなければならない。実際、その場に立っただけで、どんなアクティビティーができるかできないか、ほとんどわかってしまう。「ワッ、いろいろできそう、楽しみ!」とか「ワッ大変!心の扉、かなり厚そう。」という具合に。どんな場合も、その「気」に私の「気」を合わせて「その気!」になってもらう。 心を表現することは、ブロックが外れさえすれば、人は本来、楽しめるはずだ。(・・と思っていないとこの仕事はできない。)
枝垂桜は難しい部類に入るが、ラッパ水仙たちは、いとも簡単なグループだ。
あー彼女たちとセッションやってみたい!
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