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詩集 噴水
詩集 海色のセーター
著者名 : 藤原祐子
出版社 : 秋田文化出版社
発行年 : 噴水 1988 海色のセーター 1999.1.1
N D C : 914
ひとこと : 心地よい刺激。

  お母さんへの想い、子どもたちへのまなざし、日常から立ち上がってくるあれこれ。
  「噴水」は、藤原祐子さんの第一詩集である。選ばれた言葉が確実に響きあって大きな形となり、どっと飛び込んでくるような詩が収められている。
  第二詩集の「海色のセーター」は、祐子さんがぐんと近づいてくれたような気がする詩集である。
  「海色のセーター」から好きな詩を三篇。

  「はなうた」

  年寄りくさいからやめろという
  なんと失礼な
  言い分がわからないわけではないけれど
  私には歌がいっぱいつまっている
  息子のあなたとは比べものにならないくらい
  八十を越した母にはもっといっぱい
  つまってる  しみこんでいる

  きょうだいで歌い合った歌
  一人ぼっちの時 窓から身をのり出して
  空に向かって大声で歌った歌
  母がいつも何かしながら歌っていた歌
  りんご畑で友達と合唱した歌 など など
  小川に花びらが浮かんで流れるように
  はなうたは流れる時間に心を浮かべた時の歌
  はなうたは 一片の花びら

  「いなづま」

  天はときおり
  へその緒のように
  地球をつなぐ

  「初冬」

  風 這い上がり

  羽後町は西馬音内盆踊りの名手である彼女が詠う「踊る」に漲る命も感じてもらいたい。ぜひご一読を!

  ※「噴水」「海色のセーター」を著者のご好意によりご希望の方に差し上げます。
   メールにてご連絡ください。

(ソーダ)