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月光ゲーム Yの悲劇'88
著者名 : 有栖川有栖
出版社 : 東京創元社
発行年 : 1989.1
N D C : 913
ひとこと : 本格推理小説を堪能せよ!
合宿で矢吹山にキャンプにやってきた英都大学推理小説研究会(EMC)。他大学のグループとも意気投合し、楽しく過ごす彼らを突然の噴火が襲う。山崩れによって下山の道を断たれ、キャンプ地に閉じこめられた彼らを次に襲ったのは再びの噴火と殺人事件だった。 犯人はこの中にいる。EMCの面々が犯人探しに乗り出す中、第二の殺人が起こる。 知り合ったばかりの彼らに何があったのか。
犯人を特定するために必要なデータが全て出揃った段階で、作者は「読者への挑戦」をしている。

  正々堂々とやりましょう。あなたと私とがよき「盤面の敵」であることを信じつつ。

特別な知識、突飛な発想をせずとも推理によって犯人を導き出せるゆえに「本格」である。EMC部長の江上二郎が絡み合ったパーツを解きほぐし、推理を組み上げていく様は見事だ。自分の推理ともども楽しまれたい。

EMC部員の有栖川有栖が語る形式をとる、有栖川有栖デビュー作。
(ソーダ)