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黒ねこのおきゃくさま
著者名 : ルース・エインズ・ワース・文 山内ふじ江・絵
出版社 : 福音館書店
発行年 : 1999.10
N D C : 933
ひとこと : 優しい気持ちは巡るのです

  まずしいおじいさんの楽しみはミルクにひたしたパンと、一週間に一度のごちそうのひつじの肉を食べることでした。
  あらしの夜、おじいさんの家にずぶぬれの黒ねこがやってきました。ひもじそうなねこのために、おじいさんはミルクとパンとひつじの肉を骨まで全部あげました。それから寒くてふるえているねこのために残り少ないまきを全部使ってあたためました。おじいさんはおなかがすいていましたが、ねこがごろごろとのどを鳴らしているのを聞いて幸せな気持ちになりました。そしておじいさんとねこは一緒にねむりました。 あらしがやんだ次の日、黒ねこは出て行きましたが、おじいさんに贈り物をしていきました。
  「つるの恩返し」「花咲かじいさん」。洋の東西を問わず動物たちは優しくしてもらったことを忘れないようです。今も動物たちはお礼をしてくれているのでしょうか。忙しい私たちは気づいていないのかもしれません。動物たちの時間にあわせ、心を通わせたら、見えてきますよ。きっと。

(木馬)