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  とうとう来た池上永一の沖縄戦争もの。これを正月に読んでいいのか、正月は確実に心楽しくなるぶ厚い本を読むべきではないのか。ぼくのキャノンてなんだ、コピー屋か?好きな作家の新刊に対する期待は鳥海山より高く田沢湖より深い。しかしなんといっても誘惑に弱いので読んだら心配はいらなかった。
  登場人物が敵も味方もパワフルでいい。戦後の村の復興に心血を注いだオジィオバァ と未来を受け継ぐその孫たち。村の秘密を探る紫織。復興の度合いのスペシャル加減に笑いが止まらず、オジィオバァが秘めてきた思いに涙した。ちょっと物足りなく感じたのはスペクタクル度が「風車祭」 や「レキオス」と比べて低いせいだろうか。人死が多いのがせつない。

 

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