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  淋しくてたまらない時だの、誰かを愛したい時だのとわざわざ銘打った本をそんな時に読む気になれない。どこがどこがとあら探しをして腹を立てるだけだ。
  今日は弱り目に馴染んでくれそうな薄い本を選んだ。

  ねむれよい子よ波は引いたり返したり
  怒らせて波打つ胸に遊びけり
  水に放てば舟も魚も恩知らず
  ごほうびの金平糖が降る夜だ
  雪さんさ男の嘘がもう見えぬ
  みぞれ降る思い知るにはよき日哉
  微笑してああ神サマもさくら色
  一丁の豆腐に涙したたりぬ
  たくさんの心が通る夜がある
  白い花咲いたよ白い花散った

  開くと右に川柳が一句、左に絵かエッセイ28字×14行。一緒に遊んでくれる川柳と、たっぷりとられた余白がへこんだココロと混じり合ってから、立ち上がった。

 

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