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 「しゃばけ」「ぬしさまへ」に続く若旦那シリーズ第三弾。
  やっぱり病弱な若旦那と、若旦那を守るべく祖母の大妖に送り込まれた妖怪たちが事件を解決する短編集。ミステリはなかなかすっきり爽快といかないところがつらいところだ。たいてい哀しみが残る。このシリーズもまた笑ってばかりもいられないが、笑わずにいられないんだよね。
  若旦那が大事なのはよいけれど、妖怪たちの大事は人間の感覚とは少々異なるからいちいち笑かしてくれるし、文章がこれまたかわいくて面白いのだ。両親はもちろん、兄やたちにこれでもかというくらい甘やかされて育ったにもかかわらず、なかなかしっかりしてる若旦那もいい。互いを大事に思いやる気持ちが繰り返し描かれるところが好きなのだが(絵も好き)、「ねこのばば」には法力絶大かつ俗臭ぷんぷん、しかしけっこう抜けてるお坊さんが新登場する。彼の活躍も今後楽しみだ。


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