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  驚いたのは短編集だったことである。どんな映画化だったんだろう。もっと驚いたのは「ポッカァーン」という短編で粟根まことが登場したことである。

  「関西人気ナンバーワンの劇団新感線から借りてきた看板役者である。たいせつなあずかりもののよそさまの子だ。だから余計にぐちゃぐちゃにいじめて、多少なりとも変形させて返してさしあげるのが礼儀というものだろう。」

  ・・・・・・・・・・・。

  「この小憎らしい阪大出の根性をねじって曲げてちょうちょう結びにしてやらねば、せっかく新感線からあずかったかいがない。」

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・らも素敵。

  どうもわたしの愛も曲がりがちでいけない。しかしまだ若い粟根まことが「理屈言い」の本領を存分に発揮しつつも手玉に取られる様は喜ばずにいられるものではないですよ。 こんなところでなんだけど、らもつくづく惜しい。

 

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