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 映画「間宮兄弟」のコマーシャルがばんばん流れていて、見るともなく見ていたら、兄弟の部屋には壁面を埋め尽くす本棚があるではないか。
  なんて居心地の良さそう部屋なんだろう。
  人生に不器用そうな気配を醸し出すでこぼこ兄弟も気になる。これはぜひ観てみようと出かけたのが、五月。女性にはいまいち縁がないけど、自分ルールに従った気持ちのよい生活や葛藤、心映えが期待どおりに面白かった。
  原作も面白いような気がする。三つの図書館で貸し出し中が続き、ようやく手にしたのは八月も半ばだった。初・江國香織である。「間宮兄弟」について読書アンテナは「大好き?」方向を指しているが、ほかの著書には「いまいち?」方向である。どんなもんだろう。
  読み始めたら読了はやたら早かった。映画との違いが気になったのもあるが、予想以上に素敵で心地よい文章だったのだ。映画はおおむね原作に従っていて、ようするに原作も面白かった。実際そんなことは珍しい。

  この物語にはすこーんと広がる青空がくっついているような気がする。青空はとことん広いのでこっちにもはみだして来る。明るくていい。

 

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