決済用預金とは?
ご存じの通り、定期預金等については既に'02年4月からペイオフが解禁されているが、
「当座預金」「別段預金」「普通預金」の3つの預金については'05年3月末まで全額保護が継続されている。

'05年4月以降は
「無利息」
「要求払い(預金者が払戻しをいつでも請求できること)」
「決済サービスを提供できること」
という3条件を満たす「決済用預金」のみが全額保護の対象となる。

したがって、05年4月以降も保護の対象になるのは、現行の「当座預金」「別段預金」と、普通預金を無利子にした
「新型預金」ということになり、これら3つの預金を総称して「決済用預金」と呼ぶことになる。

ちなみに預金保険料率は決済用預金が0.090%、その他の一般預金が0.080%になっている。
預金保険法施行令の一部を改正する政令の概要
預金保険料率の推移(預金保険機構)
決済用預金の効果は?
金融庁はずべての金融機関にペイオフ全面解禁前に金利がゼロの決済用預金を導入するよう要請した。

これは、中小の金融機関がうかつに新型の決済用預金を導入すると、信用度に不安があって預金流出を怖れたから
ではないかと勘ぐられかねない。そこで、すべての銀行で一律に取り扱うとしたほうが無用の混乱を避けられるからだ。

確かに現状のように実質ゼロ金利のもとでは、どこの銀行の預金に預けようがほとんど利息は付かない。
特に現状の普通預金金利はおおむね年0.001%である。であれば、わざわざ他の金融機関に預け替えるといった面倒
くさいことをするより、恒久措置として全額保護が続く新型の決済用預金に預けたほうが手間も掛からず、安心できると
いう人も多いだろう。

ただし、将来金利が上昇してくると、事態は変わってくる。バブル期には普通預金でも2%くらいの金利がついたのだから、
保護されなくてもこの金利を諦めるのは、なかなか難しい問題だ。

ペイオフ全面解禁といっても、金融機関が潰れなければ何の問題もないわけだから、こうなると安全性の高い金融機関の
普通預金や定期預金にお金はシフトするだろう。

そして、そのような資金シフトは現在のような低金利下ではなく、ある程度金利が上昇してくる局面で劇的に行われることに
なるのではないだろうか。