都道府県は、政令の定めるところにより、金融機関を指定して、都道府県の公金の収納又は支払の事務を取り扱わせなければならない。
地方自治法 第235条第2項 市町村は、政令の定めるところにより、金融機関を指定して、市町村の公金の収納又は支払の事務を取り扱わせることができる。
地方自治法第235条の規定により金融機関を指定している普通地方公共団体において、隔地の債権者に支払をするため必要があるときは、出納長又は収入役は、支払場所を指定し、指定金融機関又は指定代理金融機関に必要な資金を交付して送金の手続をさせることができる。この場合においては、その旨を債権者に通知しなければならない。
地方自治法施行令 第165条第2項
指定金融機関又は指定代理金融機関は、前項の規定により資金の交付を受けた場合において、当該資金の交付の日から1年を経過した後は、債権者に対し支払をすることができない。この場合において、出納長又は収入役は、債権者から支払の請求を受けたときは、その支払をしなければならない。
地方自治法施行令 第168条
都道府県は、地方自治法第235条第1項の規定により、議会の議決を経て、一の金融機関を指定して、当該都道府県の公金の収納及び支払の事務を取り扱わせなければならない。
地方自治法施行令 第168条第2項 市町村は、地方自治法第235条第2項の規定により、議会の議決を経て、一の金融機関を指定して、当該市町村の公金の収納及び支払の事務を取り扱わせることができる。
普通地方公共団体の長は、必要があると認めるときは、指定金融機関をして、その取り扱う収納及び支払の事務の一部を、当該普通地方公共団体の長が指定する金融機関に取り扱わせることができる。
地方自治法施行令 第168条第4項(→収納代理金融機関) 普通地方公共団体の長は、必要があると認めるときは、指定金融機関をして、その取り扱う収納の事務の一部を、当該普通地方公共団体の長が指定する金融機関に取り扱わせることができる。地方自治法施行令 第168条第5項(→収納代理郵便官署) 普通地方公共団体の長は、必要があると認めるときは、指定金融機関をして、その取り扱う収納の事務の一部を、郵便振替法第58条に規定する公金に関する郵便振替の方法により、当該普通地方公共団体の長が指定する郵便官署に取り扱わせることができる。
地方自治法施行令 第168条第6項(→収納事務取扱金融機関)
指定金融機関を指定していない市町村の長は、必要があると認めるときは、収入役をして、その取り扱う収納の事務の一部を、当該市町村の長が指定する金融機関に取り扱わせることができる。地方自治法施行令 第168条第7項(→収納事務取扱郵便官署)
指定金融機関を指定していない市町村の長は、必要があると認めるときは、収入役をして、その取り扱う収納の事務の一部を、郵便振替法第58条に規定する公金に関する郵便振替の方法により、当該市町村の長が指定する郵便官署に取り扱わせることができる。
地方自治法施行令 第168条第8項
第1項又は第2項の金融機関を指定金融機関と、第3項の金融機関を指定代理金融機関と、第4項の金融機関を収納代理金融機関と、第5項の郵便官署を収納代理郵便官署と、第6項の金融機関を収納事務取扱金融機関と、前項の郵便官署を収納事務取扱郵便官署という。
地方自治法施行令 第168条第9項
普通地方公共団体の長は、指定代理金融機関、収納代理金融機関又は収納代理郵便官署を指定し、又はその取消しをしようとするときは、あらかじめ、指定金融機関の意見を聴かなければならない。
地方自治法施行令 第168条第10項
普通地方公共団体の長は、指定金融機関、指定代理金融機関、収納代理金融機関、収納代理郵便官署、収納事務取扱金融機関又は収納事務取扱郵便官署を定め、又は変更したときは、これを告示しなければならない。
(指定金融機関の責務)
指定金融機関は、指定代理金融機関、収納代理金融機関及び収納代理郵便官署の公金の収納又は支払の事務を総括する。
地方自治法施行令 第168条の2第2項 指定金融機関は、公金の収納又は支払の事務(指定代理金融機関、収納代理金融機関及び収納代理郵便官署において取り扱う事務を含む。)につき当該普通地方公共団体に対して責任を有する。
地方自治法施行令 第168条の2第3項
指定金融機関は、普通地方公共団体の長の定めるところにより担保を提供しなければならない。
(指定金融機関等における公金の取扱)
指定金融機関、指定代理金融機関、収納代理金融機関、収納代理郵便官署、収納事務取扱金融機関及び収納事務取扱郵便官署は、納税通知書、納入通知書その他の納入に関する書類に基づかなければ、公金の収納をすることができない。
地方自治法施行令 第168条の3第2項
指定金融機関及び指定代理金融機関は、出納長若しくは収入役の振り出した小切手又は出納長若しくは収入役の通知に基づかなければ、公金の支払をすることができない。
地方自治法施行令 第168条の3第3項
指定金融機関、指定代理金融機関、収納代理金融機関及び収納代理郵便官署は、公金を収納したとき、又は公金の払込みを受けたときは、これを当該普通地方公共団体の預金口座に受け入れなければならない。この場合において、指定代理金融機関、収納代理金融機関及び収納代理郵便官署にあつては、出納長又は収入役の定めるところにより、当該受け入れた公金を指定金融機関の当該普通地方公共団体の預金口座に振り替えなければならない。
地方自治法施行令 第168条の3第4項 収納事務取扱金融機関及び収納事務取扱郵便官署は、公金を収納したとき、又は公金の払込みを受けたときは、これを当該市町村の預金口座に受け入れなければならない。この場合において、収納事務取扱金融機関及び収納事務取扱郵便官署は、収入役の定めるところにより、当該受け入れた公金を収入役の定める収納事務取扱金融機関又は収納事務取扱郵便官署の当該市町村の預金口座に振り替えなければならない。
(現金出納の検査及び公金の収納等の監査)
地方自治法 第235条の2
1 普通地方公共団体の現金の出納は、毎月例日を定めて監査委員がこれを検査しなければならない。
2 監査委員は、必要があると認めるとき、又は普通地方公共団体の長の要求があるときは、前条の規定により指定された金融機関が取り扱う当該普通地方公共団体の公金の収納又は支払の事務について監査することができる。
3 監査委員は、第1項の規定による検査の結果に関する報告又は前項の規定による監査の結果に関する報告を普通地方公共団体の議会及び長に提出しなければならない。
(指定金融機関等の検査)
地方自治法施行令 第168条の4
出納長又は収入役は、指定金融機関、指定代理金融機関、収納代理金融機関、収納代理郵便官署、収納事務取扱金融機関及び収納事務取扱郵便官署について、定期及び臨時に公金の収納又は支払の事務及び公金の預金の状況を検査しなければならない。
地方自治法施行令 第168条の4第2項
出納長又は収入役は、前項の検査をしたときは、その結果に基づき、指定金融機関、指定代理金融機関、収納代理金融機関、収納代理郵便官署、収納事務取扱金融機関及び収納事務取扱郵便官署に対して必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
地方自治法施行令 第168条の4第3項
監査委員は、第1項の検査の結果について、出納長又は収入役に対し報告を求めることができる 。
(指定金融機関等に対する現金の払い込み)
地方自治法施行令 第168条の5
指定金融機関を定めている普通地方公共団体において、出納長又は収入役が現金(現金に代えて納付される証券を含む。)を直接収納したときは、速やかに、これを指定金融機関、指定代理金融機関、収納代理金融機関又は収納代理郵便官署に払い込まなければならない。
(歳計現金の保管)
地方自治法施行令 第168条の6
出納長又は収入役は、歳計現金を指定金融機関その他の確実な金融機関への預金その他の最も確実かつ有利な方法によつて保管しなければならない。
(歳入歳出外現金及び保管有価証券)
地方自治法施行令 第168条の7
出納長又は収入役は、普通地方公共団体が債権者として債務者に属する権利を代位して行うことにより受領すべき現金又は有価証券その他の現金又は有価証券で総務省令で定めるものを保管することができる。
出納長又は収入役は、普通地方公共団体の長の通知がなければ、歳入歳出外現金又は普通地方公共団体が保管する有価証券で当該普通地方公共団体の所有に属しないものの出納をすることができない。
前項に定めるもののほか、歳入歳出外現金の出納及び保管は、歳計現金の出納及び保管の例により、これを行なわなければならない。
(口座振替の方法による歳入の納付)
地方自治法施行令 第155条
普通地方公共団体の歳入の納入義務者は、当該普通地方公共団体の指定金融機関、指定代理金融機関、収納代理金融機関又は収納事務取扱金融機関に預金口座を設けているときは、当該金融機関に請求して口座振替の方法により当該歳入を納付することができる。
(郵便振替の方法による歳入の納付)
地方自治法施行令 第155条の2
普通地方公共団体の歳入の納入義務者は、当該普通地方公共団体の収納代理郵便官署又は収納事務取扱郵便官署に請求して、郵便振替法(昭和23年法律第60号)第58条に規定する公金に関する郵便振替の方法により当該歳入を納付することができる。
(証券をもつてする歳入の納付)
地方自治法施行令 第156条
地方自治法第231条の2第3項の規定により普通地方公共団体の歳入の納付に使用することができる証券は、次に掲げる証券で納付金額を超えないものに限る。一
持参人払式の小切手又は出納長若しくは収入役若しくは指定金融機関、指定代理金融機関、収納代理金融機関、収納代理郵便官署、収納事務取扱金融機関若しくは収納事務取扱郵便官署(以下この条において「出納長等」という。)を受取人とする小切手で、手形交換所に加入している金融機関又は当該金融機関に手形交換を委託している金融機関を支払人とし、支払地が当該普通地方公共団体の長が定める区域内であつて、その提示期間内に支払のための提示をすることができるもの
二
出納長等を受取人とする郵便振替払出証書又は持参人払式の郵便為替証書若しくは出納長等を受取人とする郵便為替証書で、その有効期間内に支払の請求をすることができるもの
三
無記名式の国債若しくは地方債又は無記名式の国債若しくは地方債の利札で、支払期日の到来したもの
地方自治法施行令第2項
出納長等は、前項第1号に規定する小切手であつてもその支払が確実でないと認めるときは、その受領を拒絶することができる。
地方自治法施行令第3項
地方自治法第231条の2第4項前段に規定する場合においては、出納長等は、当該証券をもつて納付した者に対し、すみやかに、当該証券について支払がなかつた旨及びその者の請求により当該証券を還付する旨を書面で通知しなければならない。
(取立て及び納付の委託)地方自治法施行令第157条
地方自治法第231条の2第5項の規定により取立て及び納付の委託を受けることができる証券は、前条第1項に規定する証券とする。
地方自治法施行令第157条第2項
地方自治法第231条の2第5項の規定により取立て及び納付の委託を受ける場合において、その証券の取立てにつき費用を要するときは、収入役は、当該取立て及び納付の委託をしようとする者に、その費用の額に相当する金額をあわせて提供させなければならない。
地方自治法施行令第157条第3項
地方自治法第231条の2第5項の規定により取立て及び納付の委託を受けた場合において、必要があると認めるときは、収入役は、確実と認める金融機関にその取立てを再委託することができる。
地方自治法施行令第158条
次の各号に掲げる普通地方公共団体の歳入については、その収入の確保及び住民の便益の増進に寄与すると認められる場合に限り、私人にその徴収又は収納の事務を委託することができる。
一
使用料
二
手数料
三
賃貸料
四
貸付金の元利償還金
地方自治法施行令158条第2項
前項の規定により歳入の徴収又は収納の事務を私人に委託したときは、普通地方公共団体の長は、その旨を告示し、かつ、当該歳入の納入義務者の見やすい方法により公表しなければならない。
地方自治法施行令158条第3項
第1項の規定により歳入の徴収又は収納の事務の委託を受けた者は、普通地方公共団体の規則の定めるところにより、その徴収し、又は収納した歳入を、その内容を示す計算書を添えて、出納長若しくは収入役又は指定金融機関、指定代理金融機関、収納代理金融機関、収納代理郵便官署、収納事務取扱金融機関若しくは収納事務取扱郵便官署に払い込まなければならない。
地方自治法施行令158条第4項
第1項の規定により歳入の徴収又は収納の事務を私人に委託した場合において、必要があると認めるときは、出納長又は収入役は、当該委託に係る歳入の徴収又は収納の事務について検査することができる。