===== コップのひと =====





汚れたコップを手に取ると中で何かが動いた



見るとそれは人のようにも見える


振ると それは 頭を抱えうずくまり
覗き込むと それは 両手をひろげ叫んでいる



でも私には聞こえない
私はその声を聞きたくはない





手を離すとコップは落ち 彼は粉々になった



もう その姿を見ることもない
もう その声を聞く こともない





コップはもう粉々なのだから


彼が私を真似ることなどできないのだ