風人日記 第六十三

新しい年

2018年1月1日〜





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                           作品


『オキナワ 大神の声』(飛鳥新社刊 2200円+税)
 
            


 7年来毎年訪ねていた琉球弧列島を舞台に、喜界島から与那国島まで八百数十キロを歩いてゆく短篇連作集。



一昨年、いろんな推移の中で三ヵ月ほど日本の全原発五十四基が停止したことがある。現在は大飯原発が稼動しているほか、安倍首相は「今後新たな原発建設も指向する」と言い出している。原発ゼロは早くも夢のかなたというのだろうか。情けないことである。
 私は現在と未来の人類のために、原発が少しでもなくなっていくことを望む。


                            2013年4月1日
                            2015年1月1日
                            2016年1月1日
                            2017年1月1日
                            2018年1月1日


                          作家・前日大教授 夫馬基彦


                  日記         


1月16日 雪山

といっても、我が家の書斎から見るもので、今日あたりはやや曇り模様だから、西遠方の白馬山系は全く見えず、北の浅間山系は浅間山と赤ザレ、奥烏帽子岳の3つだけが雪を冠っており、あとは黒っぽい地味な山肌だけを見せている。

白馬山系は昨日、純白にそびえて見え、実にきれいだったが、毎日その光景が続くことはめったにない。比較的近い浅間山系にしろ、きれいに見えるのは空が青くて雲がない日だけで、その条件がない日は、一番東端の浅間山を除けば、全体に黒っぽい中に白い雪がところどころ刷毛で塗られたように見える程度である。

昨日あれほどきれいだった白馬なぞは、今日は姿も影も見えない。
浅間山系は近いから、書斎正面に見える高峰山はじめ、三方ケ峰、黒斑山など、どれも雪のありようまでよくわかる。

形としてはギッパ(牙山)が名前通り一番面白く、次いで三方ケ峰がその名通り三方に小さな峰があって、それぞれに名前はないのだろうかなどと、毎度少し考えさせられる。

雪がもう少し濃ければ何かふさわしい名が付けられそうな気がするが、全体としては、「穏やかな近場の山」という感じで、洒落た名前が浮ばない。
うーむ、もう少し雪が積もってくれたらなあ。



1月8日 焚火

庭に積み上げておいた枯れ枝類が気になって、焚火をした。
午前に1回目をし、ぶすぶすいぶり続ける残り火が気になって、他の枯れ枝類も集めて午後2回目をした。

途中から妻も出てきて加わった。焚火好きだから予想通りである。
焚火というのは面白いもので、二人とも子供時代から大好きだったと初めて知った。
子供時代は子供だけで焚火を始めると、大人から「気を付けるんだよっ」と厳しく声がかかったものだが、さすがに今はそういう声は飛ばない。

むしろ、通りがかりの人が寄ってきて「木が多くていいですねえ」と話しかけられたりする。みんな何となく自分もやりたそうな顔をしている。
大人も子供もたいてい焚火好きなのだ。

2回目はもう少し先に取っておけばよかったかな、と思ったり、いや、またどこぞから焚火の材料くらい出てくるわさと、期待したり、楽しい感じが続く。



1月5日 今年初のベルコーヒー

元旦から午後は開いているのを知っていたのだが、今日が初お目見えとなった。
ママ(1時から担当)はもちろん健在、途中でちょっと顔を出した息子さん(1時まで担当)も元気で、今年もまた小諸で一番よく顔を合わせる人たちになりそうだ。

客の方も顔を合わせた第1号は
ずっと顔なじみの常連で、今年もまた昨年同様のつきあいーーといっても顔を見て黙礼するだけだがーーとなりそうだ。
1時間ほどいて、彼とママの会話を聞いているうちに、ああ、ベルコーヒーだなと感じ、フムフムとひとり頷いて帰ってきた。

私はベルコーヒーはまさに常連で、小諸では一番よく行く場所だが、考えてみると、ママ以外とはあまり話をしない。多少とも言葉を交わすのはほんの一人二人くらいだろう。

今年はもう少し言葉を交わすようにしようか。東京方面へはもうほとんど行かないだろうし、人と会う場所はだんだん少なくなる。その分、貴重な場所だ。


1月1日 賀正

一日違うだけで1年違うような気がする不思議な日だが、しかしまあ年賀状の束を見ると、1年に1度だけの稀有な日という実感がわく。
年賀状も定型通りという気もするが、とにかくほかにはない日で、読んでいくのが楽しい。

中学時代の仲間と近況を知らせあう日なぞ、ほかにはまずないし、高校時代のヤツの言動を思い出す日もほかにはない。
あーあ、みんな歳とっちゃったなあと、口に出し、おのれの歳とった顔をおのれで想いうかべる。

うーむ、全く歳とったものだ。皆さん、あけましておめでとうございます、ともの悲しく言ってみる。