船箪笥や、テーブル、衝立、建具などに使っているケヤキ材は、
全て佐渡島内で伐採されたものです。
大体、立ち木で確認し切り倒して材木にします。
木の大きさにもよりますが、自分たちで切り倒す事もあります。
切り倒すときにチェンソーの刃が根元に入ると赤い切りくずが飛び散るという具合に、
島内産のケヤキ材は全般に木肌の赤みが強く、木目も細かくきれいです。
立ち木の状態で外観から木の内側の状態を想像するのですが、まだまだ勉強不足で
たまに大外れで大穴が開いていたりなんていうこともあります。
伐採したケヤキは、木口からの割れに気をつけながら
5年から10年はそのまま寝かせ、
乾燥の具合を見て3寸から4寸の厚めの板に製材します。
それからまた数年寝かせ、乾燥させながら徐々に使用する板の厚さにまでしていきます。
それだけ注意深く乾燥させても、加工の際に切ったり、削ったりすると
曲がったり、ねじれたりしてとても大変です。
どの木も私より年上ですから
(お前のような若造の思い通りにはなってやらんぞ)なんて思ってるのかもしれません。
それでも、丁寧に、注意深く加工を進めると、なんとかこちらの思う形になってくれます。
生きている木を伐採し、命を終わらせて手にする材料です。
私たちは、その木に新しい命を吹き込まなくてはなりません。
100年生きた木なら100年もつ品物にしてあげなくては・・・
伐採、製材、加工の際はいつも気になることです。
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