6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震により、花山では浅布・中村(避難勧告)・金沢(避難指示)の3行政区100人以上の皆さんが自宅から避難を余儀なくされました。 避難所は7月末で閉鎖され、全世帯仮設住宅や借家・アパート等に移りました。 仮設住宅は3箇所に設置され、1箇所に入居者の談話室も設置されました。 一時帰宅は現在、週3回で日・水・金。雨天の場合や上流のダム湖が危険水位を越えた場合は中止です。 市と被災者のミーティングは週1回、金曜日の18:30から開催されます。 市側は現在も避難指示・勧告の解除予定時期を示さず、避難者は生活の再建計画も立てられず、不安を募らせています。 避難地区ではこのところの大雨で新たな崩落が発生、余震も続くなど山は未だ動いています。 |
被災者の現在の関心ごとは罹災証明書の判定結果です。 全壊・大規模半壊・半壊・一部破損の4段階で判定されますが、「災害に係る住家の被害認定基準」により市税務課の職員が判定します。 判定は家の傾斜とそれぞれの部位ごとの判定により損害割合が算出されます。 当然のことながら、この判定によって国や県・市の支援程度や義援金の配分が変わります。 問題は、支援程度や義援金の配分に住家の損害以外の視点(たとえばそれぞれの経済状況に応じた支援とか)はほとんど入っていないことです。 職を失った人や営業できない経営者、わずかな年金で暮らすお年よりも多くいるのです。 義援金の配分に至っては、個々の経済状況を把握することは、事務処理上手がかかりすぎるので無理という回答でした。 悲しいことは、この判定や配分によって被災者同士がバラバラになりつつあることです。 |
9月21日、遅ればせながら花山震災復興の会「がんばっぺ」を、とりあえず避難者を中心に立ち上げました。これから花山全体に入会案内を出します。 一時帰宅は月・木を除く週5日になりました。家の修理も一時帰宅の範囲内でとの条件で許可になりましたが、各裏山の調査はこれからとのことです。稲刈りや販売用きのこ栽培の収穫等は別途実情に合わせ配慮する予定だそうです。 市側の説明によると、浅布と小川原の土砂ダムは仮河道が完成し、本水路を計画中。湯の倉の土砂ダムでは重機進入道路が完成し、仮配水管や仮排水路を建設中。さらに、河道掘削、配水管埋設と護岸工事を11月末までに完成予定。湯浜の土砂ダムへの工事用道路は、路線を決定し立木伐採を10月上旬から開始予定。とのことです。 |
10月9日、義援金の第2次配分が公表されました。1次配分よりはきめ細かくなったとは言え、肝心の一部破損(特に限りなく半壊に近い一部破損)の問題はそのままです。 柱が傾き、土台が外れて床がブヨブヨしても損壊率が20%に満たなければ一部破損で、義援金は一律5万の見舞金、市の支援策にはほとんど該当しません。 花山でも稲刈りが盛んです。避難地域の稲刈りも進んでいますが、肝心の分けつ時期に水路が地震で破壊されたり湧水が止まったりで、田に水が入らず収量は激減です。 一時帰宅のルールが変わり、湯の倉の土砂ダムの水位に関わらず、大雨警報が発令されれば中止または即帰宅となりました。 小川原地区では家の解体が進んでいます。悲しいことですが、避難が解除されても地域に戻らない家庭が増えています。避難が解除されてからも復興への道のりは遠く厳しいものと覚悟しなければなりません。人とのつながりがより大事になって来ます。 |
避難指示・勧告による現在の避難住民は、仮設住宅入居41世帯・花山内賃貸住宅等5世帯・花山外賃貸住宅等24世帯の182人です。 今の最大の関心事は仮設の結露対策と風除対策(がんばっぺの活動記録参照)です。積雪による傷んだ家の2次被害や除雪も心配事です。道路以外の除雪(道路の除雪によって道路の門口に溜まった雪や家の入口までの雪、屋根の雪下ろし)について住民の協力が不可欠です。 また、生業支援や離職者の救済も急務です。 1月から予算がないと、松ノ原の規制ゲートのガードマン配置がなくなりました。不審者の侵入が心配です。 |
1月から松ノ原の規制ゲートのガードマン配置がなくなりましたが、今月10日から被災離職者を雇用して再度ガードマンが配置になりました。 市が年度内に復興計画を策定することになったことを受け、住民による復興計画を策定して市の復興計画に反映してもらおうと、19日仮設入居者を中心に集まっていただき、テーマごとにみんなの意見を集約しました。 道路や崩落地の復旧作業は冬期間も引き続き発注になり急ピッチで進んでいますが、各裏山の安全対策は未だ先のようです。 |
2月は暖かい日が続き、1月に積もった雪はかなり融けました。このまま春になればいいのですが、3月に入ってから元を取るようにドカンと来るのではないかと心配してます。 迫川沿いの浅布・中村地区に関しては、雪解け時に湯浜と湯の倉の土砂ダムの状況を見て避難解除をするような市長発言が出はじめました。金沢地区に関しては地盤と後背地がかなりやられており、今のところ解除時期は不明です。工事車両も頻繁に行き来し、一時帰宅時間は13時までとなっています。(浅布・中村地区は16時まで) 避難解除の時期がうわさされるようになり、住宅の新築・修理の代金をどう工面するかが現実の問題となって来ました。自力再建が出来ず花山を離れざるを得ない世帯や地盤、後背地が危険で元の場所に戻れない世帯が出てきています。 既に2世帯が花山を離れることに決定。市が実施したアンケート(市内の避難世帯と半壊以上の世帯に実施)でも14%が修繕・修復の目途が立っていないと回答、さらに元の居住地に戻らないが12%、わからないが17%となっています。 住宅に対する公的支援金は大規模半壊あるいは半壊以上となっており、義援金の配分も第2次配分までは半壊以上に止まっています。一部損壊(1から19%)でも損壊率が15%前後で修理に1千万程度の見積りが出ており、最低限自力再建が難しい一部損壊世帯への住家被害としての義援金配分が待たれます。 また、農業を生業とされている世帯では作業の準備に入る時期ですが、水稲に関しては用水路の補修が間に合うか心配です。ハウス等での園芸農家も水の確保やハウス修理費用で悩んでいます。岩魚等の養殖業も同様です。助成金の補助率の引き上げや、更なる支援策が待たれます。 地域経済にも影響が大きい栗駒周辺の温泉施設は、市が出資している施設以外の5軒の温泉旅館で栗駒5湯復興の会を結成して、再建のための支援について市側と交渉に入りました。 |
2月27日、栗原市復興計画の第2回市民検討会が開催されました。市側から支援事業メニューが示されましたが、ほとんどが現行の支援策の中、要望していた自立再建困難な世帯用に花山地区に市営住宅を建設する事業が盛り込まれました。 3月2日、一時帰宅時の情報伝達等訓練が実施されましたが、住民の避難訓練は付録のようで国・県・市の情報伝達訓練が主でした。住民の避難については多くの課題が明らかになり、これからの調整が必要です。 |
3月28日、新潟県川口町復興組織の皆さんを迎えて「第1回地域復興交流会」が開催されました。栗駒・花山の被災者は川口町の復興にかける思いに元気を貰いました。 3月30日、栗原市復興計画の説明会が開催されましたが、構成の説明だけで支援事業メニューの説明はなく、質問はほとんどありませんでした。 梅が咲き、避難者も田んぼや畑の準備で大忙しです。避難指示・勧告解除の時期が取り沙汰されるようになりました。 復旧工事は次々に発注され、工事車両がひっきりなしにゲートから出入りしています。国道398号の除雪はもうすぐ県境まで達します。湯浜の土砂ダムの排水工事が始まれば避難解除も秒読みです。 |
4月23日、国・県・市の工事関係機関から被災住民に対して、各種復旧工事の進捗状況の説明がありました。 国道398号については、温湯まで6月中に、県境までは片側通行で秋までに開通させるということですが、それは避難解除とは別の話です。裏山関係も危険な箇所は順次工事に着手するそうです。 崩落箇所は、時間がかかるが元の緑を取り戻すような工法で復旧工事をするそうです。避難解除はやはり土砂ダムへの対応の目途が立ってからになりそうです。 金沢地区は、山や地盤の被害が大きく今年の水稲の作付けは無理のようですし、工事も長引きそうです。 一時帰宅は、農作業の時期ということもあり、今月の13日から増水の危険が無い限り毎日行ける様になりました。30日には2回目の避難訓練が予定されています。 |
4月30日、2回目の避難訓練が実施されました。防災行政無線の柱が増設され、避難箇所も集落ごとにしたため比較的スムーズに行きました。連休後に3回目の避難訓練を大々的に実施する予定だそうです。 当初6月末あたりに避難解除がされるのではないかとの見方でしたが、梅雨に入って毎日のように再避難では大変なので、梅雨明け後・8月に入ってから解除ではないかとのもっぱらの噂です。 避難地域でも国道398号沿いの水田では、一時帰宅の合間に田植えが始まりました。山々は新緑で覆われいつもと変わらないように見えますが、いたるところに地震の傷あとが隠れています。 |
5月8日、定例のミーティングで避難解除についてはじめて具体的な話がありました。 5月14日に予定されている第3回避難訓練の後、解除の日程・条件等を決定するそうです。 解除になってもすぐ戻れない世帯がけっこうあります。一般の通行はまだ先になりそうです。 |
5月14日夜避難解除について説明会があり、5月20日7:00をもって避難解除になりました。 しかし、花山の15世帯・栗駒地区の4世帯については裏山が危険ということで、解除になりませんでした。危険箇所の工事の進み具合で順次解除をするそうです。 今回の解除については何点か気になるところがあります。今まで市長は湯浜の土砂ダムに工事の手が入ったら、解除について検討する。解除は全世帯一緒にと言い続けて来ました。湯浜の土砂ダムの工事が始まったとの報告がないのに、なぜ急に解除したのか。報道でも梅雨明け頃かと伝えられていました。 19世帯を避難継続したまま解除するなら、比較的被害が少なく危険な裏山も無い中村地区をなぜもっと早く解除しなかったのか。 帰宅しても危険なところには立ち入らないようにと念を押しながら、なぜどこの裏山が危険か公表しないのか。 ほとんどの世帯はこれから家屋の修理や付帯設備の点検整備に入ります。市営住宅の件も早く進めばいいのですが。 |
6月13日、花山・岩ヶ崎・耕英で震災1周年事業が実施されました。「6.14実行委員会」という統一の実行委員会を組織、「6.14 栗原 ありがとう この1年」をスローガンに各会場の運営実施はそれぞれの地区の幹事団体としました。花山会場は「がんばっぺ」が幹事団体となり、行政やボランティア・社協の協力を得て「この1年の支援に対する感謝、元気でがんばっている姿の情報発信、被災者の更なる連帯」をコンセプトに実施されました。 6月14日は市主催の追悼慰霊祭が行われました。花山からも被災者が出席し、この地震で犠牲となられた方々の冥福を祈り献花しました。 6月17日、ようやく帰宅にあたっての住家調査票が届きました。市営住宅建設に向けての調査と思います。 |
7月1日付けで、金沢地区の5世帯12名と程野地区の1世帯2名の避難指示・勧告が解除され、残るは浅布地区の9世帯26名となりました。しかしその9世帯のうち、解除後戻ると表明している世帯は2世帯のみです。 松の原ゲートの一般車両の規制解除は8月上旬になりそうですが、浅布猪ノ沢地区の先に新たなゲートが設置されるようです。 7月1日現在、花山の避難指示・勧告が解除された63世帯150名のうち、自宅に完全に戻った世帯は2世帯、戻る手続きをしている世帯は9世帯に止まっています。 |
8月1日付けで、浅布地区3世帯の避難勧告が解除され、残るは浅布地区の6世帯14名となりました。 松ノ原ゲートも同日、浅布猪ノ沢地区に移動設置されました。 これにより自宅への戻りが促進されると思いますが、一般車両も入れるようになったため、防犯上の心配が出てきました。花山防犯協会等では、パトロール隊を組織して交通安全・防犯を強化しています。 |
その後、避難解除が進み避難勧告継続は3世帯8名のみとなっています。 規制ゲートは温湯橋まで移動になりました。国道398号の全面開通は10月1日の予定です。 1月15日現在、市の公表では避難世帯76世帯のうち避難前の生活に戻った世帯は41世帯となっています。しかし、避難扱いでなくなったが自宅に戻っていない方、まだ避難扱いだが自宅に戻っている方を相殺すると実質帰宅世帯は33世帯に止まっています。 市復興計画にある復興住宅の花山地区内への建設については、未だ未実施。1月21日に住宅についての相談会を開催したようですが、詳しい入居条件は示されず、入居の要望を聞いただけのようです。自力再建が難しく復興住宅入居希望世帯に対しては、できるだけ早く復興住宅建設と入居条件の具体的説明(公表)が必要です。 1月15日、義援金の配分委員会が開催され2か月以上避難生活をした世帯に対して「長期避難世帯等見舞金」が追加配分されることになりました。 |
3世帯8名は依然避難勧告継続です。 温湯橋の復旧は8月までかかりそうです。 4月5日現在、避難世帯76世帯のうち避難前の生活に戻った世帯(避難状態でなくなった世帯。自宅には戻らないが、親戚や施設での生活が常態になった世帯を含む。)は46世帯、帰宅世帯は35世帯です。 復興住宅の花山地区内への建設については、予定3戸のうち2戸建設が決定。施工は未実施。 3月2日、災害ボランティアの皆さんによる寝雪バスターズモデル事業が開催されました。花山・耕英のお年寄り世帯の堅く締まった根雪を除去していただきました。 |