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ステンドグラス、エッチンググラスの豆知識とこれまで寄せられた質問と回答

●ステンドグラスとは   
本来ステンドグラス(stained glass)とは、無色のガラスに彩色、絵付け(stained)を焼き付けしたガラスピースを鉛線(ケイム)で組み合わせたものでした。
その後いろいろな色ガラスが作られるようになり、それらのピースの組み合わせで図柄を作り鉛線で組み上げる方法が主流となり、現在ステンドグラスというとこちらの工法のものが大半を占めるようになりました。
前者をヨーロピアンステンド、後者をアメリカンステンドと日本では区別する方もいます。
叉、近年ガラスメーカーなどから板ガラスの上に樹脂の顔料、シートを張ってステンドグラスのように見える製品が出ていますが、広い目で見ればステンドグラスかもしれませんが、我々はニューステンドという名前で区別しています。
叉本来のステンドと違い、樹脂、シートをガラスの上に張ったものですから、長い年月の間には変色、剥離する可能性があります。商業施設などへの使用はともかく、一般住宅への使用はお勧めできません。
●ステンドグラスの製作工程
大まかな行程としてはまずデザインを書きそのイメージのガラスを選びます。次に原寸のそれぞれのピースの型紙を作りそれをガラスに写し取りガラスを切ります。切ったガラスをデザインの上に並べ再度見直し修正します。
その後鉛線あるいはカッパーテープ(copper tape)を巻き半田でつないで一枚のものとします。大きさによっては補強を施します。最後に鉛線の場合はパテうめをしそれぞれ鉛の部分を黒色、ブロンズ色等に薬品処理します。
●ステンドグラスの施工
・設置場所
ステンドグラスは光の状態で美しさが大きく変化します。(逆光の状態で見るのが一番きれいです)光の状態をよく考慮して設置場所を選びたいものです。外部、浴室、トップライト、ドアなどの施工も可能です。
光の条件がよくない場合、あるいは自然光に頼らないでよく見せたいとき(夜間でも室内からきれいに見たい時等)は強制的に照明を施す事があります。また使用するガラスの種類で光があまりない場所でもステンドの雰囲気を出すことは可能です。

・施工方法
本来強度的にそんなに弱いものではありませんが、安全性を考慮して外側に透明のガラスを合わせて施工します。まれには二枚のガラスでサンドイッチにすることもあります。(一枚で作れるステンドグラスの大きさの目安は約1uです。それ以上の開口部については開口部を小割りするなどの工夫が必要です。)

Q 
既存のサッシに取り付けられますか?


ほとんどの場合取り付け可能です。ただし開口部の大きさによっては工夫が必要です。又既存のドアに取り付ける場合はそのドア本体の強度、ヒンジの強度をチェックする必要があります。ドアチェックは必ず必要です。
流行のペア硝子用サッシにも取り付けることは可能ですが、ペア硝子としての機能は低減します。
別の取り付け方として、ガラスの室内側の木枠に押し縁で取り付ける方法もあります。これでしたらペアガラスの機能は損ねません。
一部の輸入建材の窓枠は接着で組み立てられているものがありその枠を使用しての施工が出来ないものがありますのでご注意下さい。

ステンドグラスの色は変色しませんか?


ステンドグラスのガラスは溶かしたガラスの素材の中にそれぞれの色に発色する鉱物を入れて色を出しています。長い間(100年以上)にはガラス表面が自然界の酸などにより腐食し色がくすんだ様になりますが極端に退色、変色することはほとんどありません。


ステンドグラスを新築する建物に取り入れたいがおおよその金額が知りたい?


この業界ははっきりとしたいわゆる通り相場というものがありません。有名な作家と私の様な無名な者とでは全然違った金額が出るでしょう。加えて同じ面積でもデザイン、使用するガラスによっても又違います。
制作者とよく打ち合わせをして大まかなデザインを作っていただければ確かな見積が出ます。とは言っても最初は大まかでも予算を組む上で見積りが必要ですよね。
私共に限って申し上げれば1u単価は20万位からとお答えしています。地域、工房によってもまちまちです、よく製作、施工業者と打ち合わせをなさって下さい。

ステンドグラスの修理は可能ですか?

ほとんどの場合可能です。ただし手作りのガラスが多いですから同じガラスがない場合があります。しかし雰囲気を壊すことなく修理できると思います。


ステンドのランプシェードが安く売っているがなぜあんなに安いのか、又良いステンドのランプシェードの見分け方が知りたい?


安い手間賃、低ランクのガラス、材料の大量仕入れ、大量生産、製作工程の簡略、この条件がそろえば安く作れると思います。
この中で一番難しいのが手間賃の問題でしょう、ですから安く売っているものはほとんど他のアジアの国で作られています。
たとえおなじ材料を支給されても私にはその金額で作ることは不可能です。但しできあがったものは私が作ったものの方が良く出来ていると思います。
ただひとつ申し上げたいのは、安い物がすべて悪い物とは思いません。自分の感性にあったものであればそれは値段に関係なくその方にとっては良いものだと思います。
良い物、悪い物の見分け方は難しいと思います。まずデザイン、ガラスの種類(近年は有名ガラスメーカーのコピー品もかなり作られています、私達でも見分けは難しいものもあります)、ガラスカットの良さ、半田の状態、金物の質、これらを一般の方が見分けるのは難しいかと思います。
叉、今流行のアンティーク物のランプ、パネルをよくあちこちで見かけますが、大半はそれらくし見せて作った現代のものです。目利きで無ければ手を出さないのが安全かと思います。
●エッチンググラスとは
(etching glass)はガラスの表面に薬品(フッ化水素)、研磨剤で傷を付けることにより図柄を表現する技法です。
現在の主流としては研磨材を圧縮空気でガラス表面に吹き付ける方法(サンドブラスト)が大半をしめます。
彫る深さを変えて何段階にも彫ることで複雑な図柄を立体的に表現することもできます。また彫った部分にごくごく薄い彩色をポイントとして施すこともあります。
基本的には無彩色の作品で派手さはありませんが周りの雰囲気を壊すことなく豪華さを演出することができます。
 

●エッチンググラス製作工程

原寸の図柄を書きそれを元にガラスの上に薬品あるいはカッティングシートなどでマスキングをします。図柄によってはマスクを順次はがして彫ることにより、立体感を出すことができます。
彫り終えた後汚れがつかないよう薬品処理をする事も有ります。工程的には簡単なようですがすべて勘と経験だけで進める仕事ですので経験とセンスが問われる仕事かと思います。
●エッチンググラスの施工
・施工場所
エッチンググラスもステンドグラス同様光の具合によりその良さが左右します。エッチンググラスは基本的にはガラスの片面を加工している為図柄によっては見る方向が限られます。
また透明感があり無彩色ですので白い壁の前、あるいは色がたくさんある前などに施工すると目立たなくなります(逆光の状態で見るのが一番よく見えます)。
エッチンググラスは一枚の板ガラスを加工するためかなりの大きさの開口部に施工することが可能です。ただしガラス表面を傷つけるわけですからガラスの強度は落ちます。
よって彫り方にもよりますが最低でも5mm以上の厚さのガラスが必要になります。

・施工方法
通常のガラスの施工方法と同じです。(コーキング施工、建具の場合は押し縁等)

●エッチンググラスの工法で石材、金属、木材、樹脂、タイル、などにも細工を施すことができます。


エッチンググラスの単価はどのくらいですか?


エッチンググラスの加工方法はいろいろあります。デザイン、大きさによっても違います。自分のイメージを伝えた上で見積りを出してもらうのが良いかと思います。

エツチンググラスはどのくらいの大きさの物まで出来ますか?

加工するガラス素材はかなりの大きさの物までありますが、制作者の設備的な制約で大きさは制限されます。私の場合は約3m×1.5mまでです。

昔からあるガラス障子等にガラスを白くぼかしてある、あれもエッチンググラスですか?


エッチンググラス(Etching Glass)ガラスに傷を付けるという意味からすれば同じ工法のものですが、”スリ加工”という名称で区別しています。
また同じように建具の硝子に目の細かいすり加工のような加工がしてあるものもありますが”水スリ”という加工で細かい研磨剤を水で溶いたもので硝子表面を加工したものです。
それぞれ大きく異なる点は、使用する研磨材の粒度、研磨材をガラスに当てる方法が異なります。


強化ガラスにエッチング加工できますか?

基本的にはガラスの強度が落ちますからしないほうが良いと思います。但しごく浅くエッチング加工を施すことは可能です。