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グッドライフクラブ特許検討・ポイント(メールマガジン発行第102号)

特許第3693969号(発明の名称:電子チケット使用支援システム)

登 録 日: 平成17年7月1日 特許権者: 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
出 願 日: 平成14年3月6日 出願番号: 特願2002−59821
公開番号: 特開2002−352163 分  野: G06F 17/60
審査請求日: 平成14年3月6日 請求項数: 4  公報頁数:19
備   考:
【発明概要】
 電子チケットを発行するチケット発行システム、 発行された電子チケットを保持し出力することができるユーザ端末、ユーザ端末から電子チケットを受信するチケット受領マシン、及び、それらを含んだ電子チケット使用支援システム。
【発明背景】
 従来、ITS(Intelligent Transport System)と称する、 道路交通の利便性を高めるためのシステムが知られている。ITSは、道路を走行する自動車に搭載された無線通信可能な装置(以下、車載器)と、道路上又は道路近傍の所定場所に設けられた無線通信可能な装置(以下、路側機) との間で無線通信を行うことで、走行中の自動車に対し様々なサービスを提供しうるものである。そのサービスの一つに、高速道路等の料金所において、料金所を停止することなく通過しても料金決済を行えるというものがある。
 ITSにおける料金決済の方法として、クレジットカードを使用する決済方法がある。この決済方法では、与信残額(利用可能な金額)をチェックすると数十秒かかってしまうため、ITSにおける料金決済でクレジットカードを使用する場合には、 与信残額をチェックしない方法が好ましいと考えられる。しかし、この決済方法では、与信残額がないのにサービスの使用を許してしまう、クレジットカード或いはクレジットカード番号が盗難された場合には不正に料金決済が行われてしまうなど、 種々の問題がある。
 また、別の決済方法として、電子チケットを使用する方法が考えられる。電子チケットを使用する決済方法としては、チケットの二重使用や偽造を防ぐというセキュリティの観点から、電子署名を用いる方式が一般的である。 この方式では、予め、ユーザ(チケット使用者)が、電子チケットの発行センタの電子署名(発行センタ署名)が付された電子チケットと、公開鍵証明書の認証機関の電子署名(認証機関署名)が付された公開鍵証明書とを有する。この電子署名を用いる方式での方式では、 複数回の通信と電子署名の検証が行われる。
 ところで、ITSにおける無線通信では、自動車の走行速度と路側機がカバーできる通信可能領域とを考えると、その実効的な通信時間長はごくわずかであると考えられる。ITSにおける料金決済では、 このわずかな通信時間長内に、少なくとも、電子チケットの送信と、その電子チケットの正当性の有無の検証が完了されなければならない。このため、ITSでは、チケットの送信からそのチケットの正当性の有無の検証までの時間長が短くて済むチケット使用シーケンスが要求される。
 しかし、上述した方式でのチケット使用シーケンスでは、通信回数と電子署名の検証が複数回であることからすると、上記要求を満たしているとは言えない。
 そこで、チケット使用シーケンスにかかる時間長が短くて済み、且つ、 同一のチケットを複数の商店で使用できるシステムに適した電子チケット使用支援システムを提供する。
【請求項要素・ポイント】
【請求項1要素】
電子チケットを発行するチケット発行システムと、チケット発行システムが発行した電子チケットを取得し取得した電子チケットを送出するユーザ端末と、ユーザ端末が送出した電子チケットを受信するチケット受領マシンと、を備えた電子チケット使用支援システムであって、以下の要素からなる。
  1. ユーザ端末は、
    電子チケットを送信するときに、ユーザ端末側の日時を示すデータ作成開始日時情報と電子チケットとに対して一方向性関数を適用してチケット使用証を生成するチケット使用証生成手段と、
    電子チケットと、チケット使用証生成手段が生成したチケット使用証とをチケット受領マシンへ送信する手段と、を備える。
  2. チケット受領マシンは、
    ユーザ端末から前記チケット使用証と電子チケットとを受信する手段と、
    チケット受領マシン側で受信した日時前の所定の時間範囲を予め定められた所定のサンプリング単位でサンプリングすることによって得られる複数の日時情報が代入される時間変数であるチケット受信日時情報及び受信した電子チケットを含む情報に対して一方向性関数を適用して演算を行う演算手段と、
    チケット受信日時情報に代入されるいずれかの日時情報における演算手段の演算結果が、受信した前記チケット使用証に一致するか否かを判定する判定手段と、
    判定手段によって一致する場合に、電子チケットが正当であるとして検証を行う検証手段と、を備える。
(請求項1特許ポイント)
 何やらややこしそうな特許であるが、実施例による本特許の全体像は以下のようになる。
 インターネット2上に、有料道路の使用料金を決済するための電子チケットを発行し管理する電子チケット管理サーバシステム(サーバ)21が備えられる。また、ユーザが乗車する自動車25には、 サーバ21から発行された電子チケットを保持し無線通信して使用するためのコンピュータマシン(車載コンピュータ)27が搭載される。また、有料道路上又は有料道路の各々の所定場所(例えば、高速道路の各々の料金所付近)には、 車載コンピュータ27が無線通信して発した電子チケットを受領するためのコンピュータマシン(電子チケット受領マシン)31が備えられる。
 サーバ21は、電子チケットを管理するためのデータベース(チケット管理DB)41を有し、 チケット管理DB41内に、発行可能な電子チケットに関する情報(電子チケット情報)を格納するためのディレクトリ(チケット管理ディレクトリ)43と、発行済みのチケットを管理するためのテーブル(発行済みチケット管理テーブル)45とを有する。
 サーバ21は、予め、有料道路を管理するベンダ(業者)から電子チケット情報を受けて、それをチケット管理ディレクトリ43に格納する。
 サーバ21は、矢印200に示すように、車載コンピュータ27から電子チケットの発行を要求されたときは、 矢印300に示すように、その要求に応じた電子チケットを暗号化したものを車載コンピュータ27に発行する(このときに、サーバ21は、発行した電子チケットの値段の決済を済ませる)。
 また、サーバ21は、矢印500に示すように、 既に発行した電子チケットが受領マシン31を介して還流してきたときは(つまり、受領マシン31が車載コンピュータ27から受領した電子チケットを受領マシン31から受信したときは)、その電子チケットの正当性の有無を検証する。 その検証において、正当性が認められたときは、サーバ21は、発行済みチケット管理テーブル45に記録されているデータのうち、正当性が認められた電子チケットに関するデータを削除する。一方、正当性が認められないときは、サーバ21は、 不正対処のための処理を実行する。
 車載コンピュータ27は、矢印200に示すように、電子チケットの発行をサーバ21に要求する。そして、車載コンピュータ27は、矢印300に示すように、その要求に応じて発行された、 暗号化されている電子チケットを受信し、その電子チケットを復号して保持する。
 車載コンピュータ27は、自動車25が有料道路を走行することにより受領マシン31の通信領域に入ったときは、矢印400に示すように、 保持している電子チケットを含む送信データを作成しその送信データを電子チケット受領マシン31に送信する。
 そのとき、車載コンピュータ27は、送信データの作成し始めた時に車載時計が示した日時を表す情報(データ作成開始日時情報)と、 電子チケットを送信する時の自車位置を示す自車位置情報と、電子チケットとを用いて、電子チケットを使用できることを証明するための情報(チケット使用証)を生成し、生成したチケット使用証も送信データに含めて送信する。
 受領マシン31は、自身の通信領域に自動車25の車載コンピュータ27が入ったときは、矢印400に示すように、車載コンピュータ27から、電子チケット及びチケット使用証を受信する。
 それらを受信したら、受領マシン31は、 それらを受信したときに受領マシン時計が示した日時を表す情報(チケット受信日時情報)と、受領マシン31の位置情報等を用いて、受信した電子チケット及びチケット使用証の正当性の有無を検証する。
 受領マシン31は、 その検証において、電子チケット及びチケット使用証の双方について正当性が認められたときは、矢印500に示すように、電子チケット及びチケット使用証をサーバ21に還流(つまり送信)する。
 以上が本特許におけるシステムの概略であるが、 請求項1では、このうちのユーザ端末(車載コンピュータ)とチケット受領マシンの特許となっている。
 チケット使用証その他の演算方法は、請求項2以下で説明している。
 また、本ポイントでは、実施例から高速道路などでの車載コンピュータとチケット受領マシンで説明しているが、本特許はこれに限定されるものではない。 本特許の特徴は、従来では電子チケット使用時の通信回数と検証が複数回行われいたところを、1回の一方向通信のみで行うための方法である。従って、電子チケットを使用する様々な場面で応用できるものである。
【請求項2】
 請求項1での電子チケット使用支援システムにおけるチケット使用証生成方法。
【請求項3】
 請求項1での電子チケット使用支援システムにおける電子チケットの検証方法。
【請求項4】独立項
 請求項1に発行システム及びユーザ端末の電子チケット生成手段(チケット使用証生成含む)、チケット受領マシンの電子チケットの判定手段の要素を加えた特許。
【実際の特許請求範囲】
【請求項1】補正部アンダーライン省略
電子チケットを発行するチケット発行システムと、前記チケット発行システムが発行した電子チケットを取得し前記取得した電子チケットを送出するユーザ端末と、前記ユーザ端末が送出した電子チケットを受信するチケット受領マシンと、 を備えた電子チケット使用支援システムであって、
前記ユーザ端末は、
前記電子チケットを送信するときに、前記ユーザ端末側の日時を示すデータ作成開始日時情報と前記電子チケットとに対して一方向性関数を適用してチケット 使用証を生成するチケット使用証生成手段と、
電子チケットと、前記チケット使用証生成手段が生成した前記チケット使用証とをチケット受領マシンへ送信する手段と、を備え、
前記チケット受領マシンは、
前記ユーザ端末か ら前記チケット使用証と前記電子チケットとを受信する手段と、
前記チケット受領マシン側で受信した日時前の所定の時間範囲を予め定められた所定のサンプリング単位でサンプリングすることによって得られる複数の日時情報が代入 される時間変数であるチケット受信日時情報及び受信した前記電子チケットを含む情報に対して前記一方向性関数を適用して演算を行う演算手段と、
前記チケット受信日時情報に代入される前記いずれかの日時情報における前記演算手 段の演算結果が、受信した前記チケット使用証に一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって一致する場合に、前記電子チケットが正当であるとして検証を行う検証手段と、
を備えたことを特徴とする電子チケッ ト使用支援システム。
【請求項2】
前記チケット使用証生成手段は、前記チケット使用証を生成する際に、前記電子チケットと前記データ作成開始日時情報とに前記ユーザ端末の位置情報を加えて、前記一方向性関数を適用してチ ケット使用証を生成し、
前記演算手段が、
前記電子チケットと前記チケット受信日時情報とに前記チケット受領マシンの位置情報を加えて、前記一方向性関数を適用して演算を行うことを特徴とする請求項1に記載の電子チケット 使用支援システム。
【請求項3】
前記電子チケットには、前記電子チケットを使用可能な位置情報あるいは時刻情報のいずれか一方、または位置情報と時刻情報の双方を有する有効位置時刻情報が関連付けられており、
前記検 証手段は、
前記判定手段によって一致する場合に、さらに、前記電子チケットが使用された位置情報あるいは時刻情報のいずれか一方、または位置情報と時刻情報の双方を有する使用時位置情報と、受信した前記電子チケットに関連付 けられている前記有効位置情報とに基づき前記電子チケットが正当であるとして検証を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の電子チケット使用支援システム。
【請求項4】
電子チケットを発行するチケット発行システムと、 ユーザ識別情報を記憶するユーザ端末と、ベンダ識別情報を記憶するチケット受領マシンとを備えた電子チケット使用支援システムであって、
前記チケット発行システムは、
前記ベンダ識別情報と前記ユーザ識別情報とに第1の一方 向性関数を適用して電子チケットを生成する手段を備え、
前記ユーザ端末は、
前記チケット発行システムから前記電子チケットを受信する受信手段と、
前記電子チケットに第2の一方向性関数を適用し、ハッシュ化された電子チ ケットを生成する電子チケット生成手段と、
前記電子チケットに第2の一方向性関数を適用するときに、前記ユーザ端末側の日時を示すデータ作成開始日時情報と前記電子チケットとを含む情報に対して第3の一方向性関数を適用してチ ケット使用証を生成するチケット使用証生成手段と、
内部に記憶している前記ユーザ識別情報と、前記ハッシュ化された電子チケットと、前記チケット使用証とをチケット受領マシンへ送信する手段と、を備え、
前記チケット受領マ シンは、
前記ユーザ端末から前記ユーザ識別情報と、前記ハッシュ化された電子チケットと、前記チケット使用証とを受信する手段と、
受信したユーザ識別情報と、内部に記憶している前記ベンダ識別情報とを含む情報に対して前記 第1の一方向性関数を適用して演算を行う第1の演算手段と、
前記第1の演算手段によって算出された第1の演算結果に対して前記第2の一方向性関数を適用する第2の演算手段と、
前記第2の演算手段によって算出された第2の演 算結果と、前記ハッシュ化された電子チケットが一致するか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段によって一致すると判定された場合に、前記チケット受領マシン側で受信した日時前の所定の時間範囲を予め定められた 所定のサンプリング単位でサンプリングすることによって得られる複数の日時情報が代入される時間変数であるチケット受信日時情報及び前記第1の演算結果を含む情報に対して前記第3の一方向性関数を適用して演算を行う第3の演算手段と、
前記チケット受信日時情報に代入される前記いずれかの日時情報における前記第3の演算手段の演算結果が、受信した前記チケット使用証に一致するか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段によって一致すると判定された場合に、 前記電子チケットが正当であるとして検証を行う検証手段と、
を備えたことを特徴とする電子チケット使用支援システム。
【参考文献】
特開平11−003033 特開平10−056449 特開平10−283517 特開平09−153156 特開平11−031204 特開2000−196588 特開2000−048230

(引用文献:特許電子図書館公開公報)
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