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グッドライフクラブ特許検討・ポイント(メールマガジン発行第106号)

特許第3697411号(発明の名称:情報配信システム及び情報配信方法
並びに情報配信プログラム)

登 録 日: 平成17年7月8日 特許権者: データーリンクス株式会社
出 願 日: 平成13年12月21日 出願番号: 特願2001−389384
公開番号: 特開2003−186827 分  野: G06F 15/00
審査請求日: 平成13年12月21日 請求項数: 10  公報頁数:14
備   考:
【発明概要】
 ホームページから入力された電子メールアドレスのドメイン名によって、 特定企業の社員によるアクセスであるか、一般利用者によるアクセスであるかを確実に判別する、情報配信システム及び情報配信方法並びに情報配信プログラム。
【発明背景】
 従来、コンサートや映画のチケット予約・販売サービスにおいては、 特定企業の社員に対して、グレードの高い席を優先的に提供したり、あるいは一人当たりの購入可能枚数を一般の利用者よりも増加させる等の優待措置が採られることがある。
 このような優待措置は、前記予約・販売サービスを提 供する側にとっては、営業戦略上極めて重要且つ有効な措置であるものの、一般の利用者に知られると、不公平感から強い反発を招きかねない。
 そこで、従来は、特定企業の社員にのみ会員番号またはパスワードを付与し、インタ ーネットを介して閲覧可能なウェッブページ上で、当該会員番号またはパスワードを入力させることにより、会員専用のウェッブページにアクセスを許可し、上述したような優待措置に基づく情報を提供することが行われていた。
 また、別の手法として、郵送または日頃の営業活動を通じて、個別的に特定企業の社員にのみ、エントリーのウェッブアドレスを知らせておき、情報に対するアクセスの入り口を、一般利用者と特定企業の社員とで分ける、ということ が行われた。
 しかしながら、上述した会員番号またはパスワードを用いる手法によれば、一般利用者が、ウェッブページ上で会員専用のエントリーが存在することを確認できるため、不公平感を招き易いという問題があった。 さらには、パスワードを忘れてしまう、パスワードを盗用される等の問題があった。
 一方、エントリーのウェッブアドレスを分ける手法を採った場合には、一般利用者の反発を招くことなく、上述した優待措置を有効に実施するこ とが可能となるが、パスワードを忘れてしまう、パスワードを盗用される等の問題がある。
 そこで、特定企業の社員と一般利用者に共通のエントリーのウェッブアドレスを設定した場合でも、アクセスした者に意識させることなく、 特定企業の社員と一般利用者との認証を確実かつ容易に行うことができ、更には前記社員が転職したような場合には、アクセス不能とすることが可能な情報配信システム、情報配信方法、及び情報配信プログラムを提供する。
【請求項要素・ポイント】
【請求項1要素】
記憶装置を備えたサーバーと、サーバーとの間で相互に通信可能に接続され たユーザー端末とを備えた情報配信システムであって、以下の要素からなる。
  1. ユーザー端末は、
    任意のウェッブアドレスにアクセスすると共に、サーバーから送信された画面情報に基づいて、画面情報に含まれるメッセージ データを表示し、且つ、画面情報に含まれるコマンドを実行するブラウザ手段と、
    ユーザー端末において、電子メールを受信すると共に、電子メールのメッセージを表示させる手段と、
    を備える。
  2. サーバーは、
    ユーザー端末のブラウザ手段により、所定の情報配信セッション開始のためのウェッブアドレスにアクセスがある度に、電子メールアドレスの入力を促すメッセージデータ及び入 力された電子メールアドレスのサーバーへの送信コマンドを含む画面情報を、サーバーからユーザー端末へ送信する手段と、
    送信コマンドの実行により、電子メールアドレスが送信された場合に、サーバーにおいて、パスワードをランダ ムに生成する手段と、
    送信コマンドの実行により、電子メールアドレスが送信された場合に、パスワードの入力を促すメッセージデータ及び入力されたパスワードのサーバーへの送信コマンドを含む画面情報をサーバーからユーザー端末 へ送信する手段と、
    送信された電子メールアドレス宛に、パスワードをメッセージとする電子メールを送信する手段と、
    送信コマンドの実行により、パスワードが送信された場合に、サーバーにおいて、ユーザー端末から送信された パスワードと、生成したパスワードとの一致を確認する手段と、
    電子メールアドレスのドメイン名と配信情報のクラスとが対応付けられたドメイン名データベースと、
    配信情報の項目のリストを有し、配信情報のクラスと、各配信情 報項目の値を対応付ける配信情報データベースと、
    パスワードの一致が確認された場合に、送信された電子メールアドレスのドメイン名に対応する配信情報のクラスを、ドメイン名データベースを用いて判別する手段と、
    判別された 配信情報のクラスに対応する配信情報を、配信情報データベースを用いて取得する手段と、
    取得した配信情報を含む画面情報をユーザー端末に送信する手段と、
    を備える。
(請求項1特許ポイント)
 この種類の特許で、いつも頭を悩ますのは、どこに特許性があるのだろう、 ということである。
 請求項でのユーザ端末とは、電子メールソフトと、WEBページを閲覧できるプラウザを備えたパソコンなどの端末である。
 この特許は、発明背景でも述べている通り、一つのWEBページで、特定企業(会員企業) の社員と一般利用者を判別し、それぞれのサービス内容に応じた情報を提供しようというものである。
 会員企業の社員と一般利用者とを、何で判別するかというと、ユーザの電子メールアドレスで、その判別を行う。
 本サービスでは、 アクセスしてきたユーザの全てに、電子メールアドレスの入力を促すページを送信する。このページは、会員企業の社員と一般利用者の区別なく、表示される。
 そして、ユーザが自身の電子メールアドレスを送信すると、その送信された電 子メールの@マーク以降のドメイン名で、ユーザが会員企業の社員であるか、一般利用者であうかが判別される。
 従って、会員企業のドメイン名は予めサーバのデータベースに記憶されている。
 電子メールアドレスのドメイン名で、 アクセスしてきたユーザを判別するのであるが、他人がかってに会員企業の電子メールアドレスを不正使用しないように、もう一段階の手順を踏む。
 ユーザが自身の電子メールを送信すると、サーバは、その都度、ランダムなパスワードを 作成し、受信した電子メールアドレス宛に送信する。また、このパスワードを電子メールと対応付けて一時記憶しておく。
 ユーザ側の端末では、自身の電子メールを送信すると、パスワードの入力画面が表示される。このパスワード入力画面に、 サーバから電子メールで送られてきたパスワードを入力し送信することにより、めでたくサービスを受けることができる。
 サーバ側では、パスワードを受信すると、一時記憶しているパスワードと比較し、存在する場合には、そのパスワード に対応する電子メールアドレスのドメイン名で、会員企業のサービス内容を検索する。各会員企業へのサービスのクラスは、ドメイン名によりデータベースに記憶されている。
 このようにパスワードの送受信という段階を入れることにより、 電子メールアドレスを他人に不正利用されることがなくなる。なぜなら、他人の電子メールアドレルを不正に利用しても、パスワードは電子メール宛に送信されるため、不正利用した者の端末では、パスワードを得ることができないからである。
【請求項2-4】
 請求項1の従属項で省略。
【請求項5】独立項
 本特許の情報配信方法。
【請求項6-7】
 請求項5の従属項で省略。
【請求項8】独立項
 本特許のサーバーのコンピュータにインストール可能な情報配信プログラム。
【請求項9-10】
 請求項8の従属項で省略。
【実際の特許請求範囲】
【請求項1】
記憶装置を備えたサーバーと、該サーバーとの間で相互に通信可能に接続されたユー ザー端末とを備えた情報配信システムであって、
前記ユーザー端末は、
任意のウェッブアドレスにアクセスすると共に、サーバーから送信された画面情報に基づいて、該画面情報に含まれるメッセージデータを表示し、且つ、該画面情報に含まれる コマンドを実行するブラウザ手段と、
ユーザー端末において、電子メールを受信すると共に、電子メールのメッセージを表示させる手段と、を備え、
前記サーバーは、
前記ユーザー端末のブラウザ手段により、所定の情報配信セッション開始の ためのウェッブアドレスにアクセスがある度に、電子メールアドレスの入力を促すメッセージデータ及び入力された電子メールアドレスのサーバーへの送信コマンドを含む画面情報を、サーバーからユーザー端末へ送信する手段と、
前記送信コマンドの 実行により、電子メールアドレスが送信された場合に、サーバーにおいて、パスワードをランダムに生成する手段と、
前記送信コマンドの実行により、前記電子メールアドレスが送信された場合に、パスワードの入力を促すメッセージデータ及び入力さ れたパスワードのサーバーへの送信コマンドを含む画面情報をサーバーからユーザー端末へ送信する手段と、
前記送信された電子メールアドレス宛に、前記パスワードをメッセージとする電子メールを送信する手段と、
前記送信コマンドの実行によ り、パスワードが送信された場合に、サーバーにおいて、ユーザー端末から送信されたパスワードと、前記生成したパスワードとの一致を確認する手段と、
電子メールアドレスのドメイン名と配信情報のクラスとが対応付けられたドメイン名データベー スと、
配信情報の項目のリストを有し、配信情報のクラスと、各配信情報項目の値を対応付ける配信情報データベースと、
前記パスワードの一致が確認された場合に、前記送信された電子メールアドレスのドメイン名に対応する配信情報のクラスを、 前記ドメイン名データベースを用いて判別する手段と、
判別された配信情報のクラスに対応する配信情報を、前記配信情報データベースを用いて取得する手段と、
取得した配信情報を含む画面情報をユーザー端末に送信する手段と、を備える、
ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
前記サーバーは、前記ドメイン名データベースの更新手段と、前記配信情報データベースの更新手段とを更に備えている、ことを特徴とする請求項1記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記サーバーは、前記取得した配信情報と、配信された情報に対応する商品またはサービスの予約もしくは購買の入力を促すメッセージデータと、入力された予約もしくは購買情報のサーバーへの送信コマンドとを含む画面情報をユーザー端末に送信する手段 と、
予約もしくは購買情報のデータベースと、
前記送信コマンドに基づいて送信された予約もしくは購買情報に基づいて、前記予約もしくは購買情報のデータベースを更新する手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1または2記載の情報 配信システム。
【請求項4】
前記サーバーは、配信情報を配信した結果として得られた予約または購買の量を、各ドメイン名毎に積算する手段と、
前記ドメイン名データベースに対応する配信情報のクラスを、前記積算した予約または購買の量に 応じて変更する手段と、を更に備えることを特徴とする請求項3記載の情報配信システム。
【請求項5】
記憶装置を備えたサーバーと、該サーバーとの間で相互に通信可能に接続されたユーザー端末とを用いる情報配信方法であって、
ユーザー端 末から、情報配信セッション開始のためのアクセスがある度に、電子メールアドレスの入力を促すメッセージデータ及び入力された電子メールアドレスの送信コマンドを含む画面情報をサーバーからユーザー端末へ送信するステップと、
前記画面情報に基 づき、ユーザー端末において電子メールアドレス入力画面を表示させると共に、電子メールアドレスが入力された場合には、前記送信コマンドを実行して該電子メールアドレスをサーバーに送信するステップと、
前記電子メールアドレスが送信された場合 に、サーバーにおいて、パスワードをランダムに生成するステップと、
前記電子メールアドレスが送信された場合に、パスワードの入力を促すメッセージデータ及び入力されたパスワードの送信コマンドを含む画面情報をサーバーからユーザー端末へ送信 するステップと、
前記パスワードをメッセージとする電子メールを、前記送信された電子メールアドレス宛に送信するステップと、
ユーザー端末において、前記電子メールを受信すると共に、前記メッセージとしてのパスワードを表示させるステップ と、
前記画面情報に基づき、ユーザー端末においてパスワード入力画面を表示させると共に、パスワードが入力された場合には、前記送信コマンドを実行して該パスワードをサーバーに送信するステップと、
送信されたパスワードと、生成したパスワ ードとの一致を確認するステップと、
前記パスワードの一致が確認された場合に、前記送信された電子メールアドレスのドメイン名に対応する配信情報のクラスを、電子メールアドレスのドメイン名と配信情報のクラスとが対応付けられたドメイン名デー タベースを用いて判別するステップと、
前記判別された配信情報のクラスに対応する配信情報を、配信情報の項目のリストを有して配信情報のクラスと各配信情報項目の値とを対応付ける配信情報データベースを用いて取得するステップと、
取得した 配信情報を含む画面情報をユーザー端末に送信するステップと、
前記画面情報に基づき、ユーザー端末において配信情報を表示させるステップと、
を備えることを特徴とする情報配信方法。
【請求項6】
前記サーバーにおいて、前記取得した 配信情報をユーザー端末に送信する際に、配信された情報に対応する商品またはサービスの予約もしくは購買の入力を促すメッセージデータと、
入力された予約もしくは購買の情報のサーバーへの送信コマンドとを含む画面情報をユーザー端末に送信するス テップと、
前記送信コマンドに基づいて送信された予約もしくは購買の情報に基づいて、予約もしくは購買の情報のデータベースを更新するステップと、
を更に備えることを特徴とする請求項5記載の情報配信方法。
【請求項7】
前記サー バーにおいて、配信情報を配信した結果として得られた予約または購買の量を、各ドメイン名毎に積算するステップと、
前記ドメイン名データベースに対応する配信情報のクラスを、前記積算した予約または購買の量に応じて変更するステップとを更に 備えることを特徴とする請求項5または6記載の情報配信方法。
【請求項8】
記憶装置を備えたサーバーと、該サーバーとの間で相互に通信可能に接続されたユーザー端末とを備えた情報配信システムにおける前記サーバーとしてのコンピュータに インストール可能な情報配信プログラムであって、
前記情報配信プログラムは、前記コンピュータを、
前記ユーザー端末のブラウザ手段により、所定の情報配信セッション開始のためのウェッブサイトにアクセスがある度に、電子メールアドレス の入力を促すメッセージデータ及び入力された電子メールアドレスのサーバーへの送信コマンドを含む画面情報を、サーバーからユーザー端末へ送信する手段、
前記送信コマンドの実行により、電子メールアドレスが送信された場合に、サーバーにおい て、パスワードをランダムに生成する手段、
前記送信コマンドの実行により、前記電子メールアドレスが送信された場合に、パスワードの入力を促すメッセージデータ及び入力されたパスワードのサーバーへの送信コマンドを含む画面情報をサーバーか らユーザー端末へ送信する手段と、
前記送信された電子メールアドレス宛に、前記パスワードをメッセージとする電子メールを送信する手段、
前記送信コマンドの実行により、パスワードが送信された場合に、サーバーにおいて、ユーザー端末から 送信されたパスワードと、前記生成したパスワードとの一致を確認する手段、
電子メールアドレスのドメイン名と配信情報のクラスとが対応付けられたドメイン名データベース、
配信情報の項目のリストを有し、配信情報のクラスと各配信情報項目の 値とを対応付ける配信情報データベース、
前記パスワードの一致が確認された場合に、前記送信された電子メールアドレスのドメイン名に対応する配信情報のクラスを、前記ドメイン名データベースを用いて判別する手段、
判別された配信情報のクラ スに対応する配信情報を、前記配信情報データベースを用いて取得する手段、
取得した配信情報を含む画面情報をユーザー端末に送信する手段、
として機能させることを特徴とする情報配信プログラム。
【請求項9】
前記プログラムは、前 記コンピュータを、
前記取得した配信情報と、配信された情報に対応する商品またはサービスの予約もしくは購買の入力を促すメッセージデータと、入力された予約もしくは購買情報のサーバーへの送信コマンドとを含む画面情報をユーザー端末に送信す る手段、
前記送信コマンドに基づいて送信された予約もしくは購買情報に基づいて、予約もしくは購買情報のデータベースを更新する手段、
として更に機能させることを特徴とする請求項8記載の情報配信プログラム。
【請求項10】
前記 プログラムは、前記コンピュータを、
配信情報を配信した結果として得られた予約または購買の量を、各ドメイン名毎に積算する手段、
前記ドメイン名データベースに対応する配信情報のクラスを、前記積算した予約または購買の量に応じて変更する 手段、
として更に機能させることを特徴とする請求項8または9記載の情報配信プログラム。
【参考文献】
特開2001−216267 特開2002−169986 特開2002−32338 特開2002−328900  特開2003−6102 特開2002−157185 特開平9−114783

(引用文献:特許電子図書館公開公報)
グッドライフクラブ 大阪市天王寺大道2-1-22 (06)6771-4010

 前回の「歩く哲学者」を読まれた方から、「心を制御する」とはどのようなことか と質問があったので、ザッとであるが述べてみました。

 今回よりしばらく、私が心をトレーニングする過程で得た、または理解したことを 簡単に紹介していきたいと思います。興味のある方は、暇な時にでも 読んでみて下さい。
 ただし、述べる事がらは全て実践する中で得た理解です。 学問的に研究したわけではありません。従って、ところどころで、 間違った語句を使用したり、抽象的な記述しているかもしれませんが、その点は ご容赦ください。

心の技術(自分の心を制御する)
 今、巷では癒しブームであるようだ。どこいらじゅうで「癒し」という言葉を目にする。心の ケアなる言葉を聞き出したのも随分と前のことで、ストレスという言葉にいたっては、完全に 一般的に定着した感がある。
 昨今の「心」ブームの背景には、何やらお金儲けの「心」が存在し、我々を 操っているような臭いが感じられなくもない。
 まあ、それでも、心の健康に注目することはよいことであると考える。

 しかし、心についてのやっかいなところは、心というものが 誰の目にも見えないものである、ということである。
 これが身体であれば、見えない場合もあるが、悪い部分が自分にも 他人にも見える、または察せられる場合が多いのであるが、心ではこうはいかない。 とにかく、手でさわったり、目で見たりして確認するわけにはいかないのであるから、いわば全てが 推論の域を出ないものである、と言うことができるかもしれない。

 例えば、書店の心に関するコーナーには、本当に様々な本が並んでいる。本の 中で述べていることも様々である。100人いれば、100通りの論が展開 されている。
 そして面白いことに、この中でたまたま売れた本があると、次から次へと その本の焼き写しただけの本が出版されてくる。
 この中には、明らかに、そのことに関して研究したりデータをとったりしたことなど、 今まで一度もないであろうと思われる人達が、世に溢れ返っているノウハウ本という形で、 次々と同じ趣旨の本を出してくる。
 まあ、ノウハウ本一般に言えることであるが、 この類の書籍は、毒にも薬にもなるものではないので、それはそれでよいのかもしれない。 書いている本人も別に、自分が書いたことを実践しているわけでも、信じているわけでも なく、ただ本を書くという目的のために書いているのであるから。

 例えばである。今主流をしめているらしい、潜在意識という意識。
 様々な本で、潜在意識という言葉を目にするが、この潜在意識なるものを 見た者は、いまだかつて一人もいない。どこにある意識なのかも誰も知らない。
 表面に出ている意識の下にある意識であるそうだが、心というものが、そのように 階層構造をしているものである、ということを実際に目にして確認した者はいない。
 ただ、今主流をしめている考え方である、というだけのものである。将来的には、 また違った論が主流をしめているかもしれない。

 我々が事実と思っている「事実」なるものは、我々の時代の多くの人が「それが 事実である」と、ただ思っている事がらにすぎない。
 コロンブスの時代には、地球は四角であると、皆信じていた。今でも地球は四角だ 協会というものがあるそうであるが、この人達にとっての事実とは、「地球は四角い」 ということである。ただ、少数派であるので、誰も相手にしないだけである。
 我々が習う歴史を見ても、我々が子供の頃に文部省検定の「教科書」で習い、試験 にまで出ていたことと、かなり違ってきている。

 従って、潜在意識という考えが主流だからと言って、数学の定理のように考える のは、おかしいような気もする。
 また、この潜在意識は、人生をも左右するらしい。なかなか恐い存在のようだ。

 この潜在意識が存在するのか、しないのか。また、存在するとしてこの潜在意識 なるものが、どのように我々に影響を及ぼすのかは知らない。
 しかし、私の経験からでは、心の健康を保つ、自分の心を制御する、あるいはその トレーニングをするということを目的とするのであれば、心がどのようになっているのかという知識は、 あまり関係ない。
 例えば、「腕立伏せ」という運動をするのに、腕の筋肉がどのようになっており、どのような仕組みで 筋肉が強くなっていくのか、などと考えながら腕立伏せをするものもいないであろう。これと 同じことである。
 心の健康を保つ、心を制御するための具体的な方法があるなら、「何故」は あまり重要ではない。

 自分の心を制御する、心の健康を保つということは、いわば心の技術というもので ある。またこれは誰でも身につけることができるものである。
 ただし、やはり技術であるので、この技術を身につけるには、少しの練習が必要である。
 何をしても一切病気にならないという人がいるように、生まれつき心の健康が保てるような 心の構造になっている人もいるかもしれないが、これだけ心の健康が叫ばれている のを見ると、多くの人にとっては、運動と同じように練習が必要なようである。

 ただ、心を健康に保つように練習するといっても、前述のごとく心というものは 目に見えるものではなく、運動のように進捗状況がわかるものでもない。

 身体の健康を保つのであれば、様々な説はあることはあるが、規則正しい生活をし、 バランスよく食べ、適度な運動をする、という方法に集約される。また、そのための 具体的方法も、それぞれの症状に応じて示すことができる。
 されには、身体に何らかの悪い徴候が見られるならば、その原因を取り除けば よい。

 しかしながら、心に関しては、健康を保つための具体的練習方法や施策をはっきり と示すことが難しいようだ。
 多くが、前向きに考えましょう、笑顔でいましょう、良い言葉を口にしましょう等、 抽象的な言い回しに終始している。
 リラックスしましょう、ストレスをためないようにしましょう、このように考えましょう等といわれても、 それができないから悩んでいる。そのための具体的な方法を教えてくれということになる。

 リラックスするために、今はやりの「癒し」サービスをためしても、その時には 気持ちよいのであるが、またすぐに元の状態に戻ってしまう。
 そのため、また「癒し」サービスへ通う。何回か通っている間に、さらに「強烈」 な「癒し」が必要となってくる。
 こうなると、他人の心を操作しようと考える悪い連中が忍び寄って来ても、分からなく なってしまう。自分が苦痛と思っているものから逃れるため、何かに依存してしまう ことになると、自分で自分の囚われに気づき取り除かない限り、なかなかその状態から抜ける ことはできない。
 自分の心の健康を保つ、または自分の心を制御するために、自分の心以外の力を 借りようとすると、間違った方向へと進んでしまう。

 実際の話、心を健康に保つ、心を制御する、あるいはその為のトレーニングを する上において、「心地よさ」や「リラックス感」という感覚は、あまり関係がない。
 例えば、心のトレーニングをする時では、気持ちよかろうが、気持ち悪かろうが 全く関係がない。リラックスしているかどうかも関係がない。その場限りの「癒し」 とは違うのである。

 また、人間の脳はどのような「心地よさ」や「リラックス感」にもやがて 慣れてしまう。タバコやお酒でも、初めての時には、頭がくらくらとするが、 やがて慣れてくる。これと同じだ。
 この肉体的または精神的な「心地よさ」や「リラックス感」を追い求めてしまうと、 以前の「心地よさ」や「リラックス感」を得るために、「さらに強い」刺激が必要となっ てくる。
 怪しげな団体がよく使う手口である。注意する必要がある。

 「心地よさ」や「リラックス感」など、実際には、どのような方法でも簡単に得ることができるもので ある。
 しかし、体験したことが無い者には、先程のタバコやお酒と同じように、なかなか強烈な インパクトを与えるようだ。肉体的な「心地よさ」に関しては、特にそうである。
 生命が子孫を残すために、肉体的快感を報酬とする方法を採用したのもうなづける。 それだけ肉体的刺激とは強烈なものなのであろう。
 しかし、前述のごとく、ほとんどの感覚において、 同じ刺激ではやがて慣れてしまう。そこで、以前の「心地よさ」 や「リラックス感」を得ようと、さらなる刺激を求めるようになってしまう場合がある。

   また、心と身体は一体であると、やたら身体を鍛えている人達もいる。
 確かに心と身体はつながっている。心に感情が生起すると、身体に微妙な変化が現れる。
 特に、首筋の後ろ側に微妙な感覚が現れる。

 余談ではあるが、プロのスリは、人の首筋の後ろ側を観察しながら 仕事をするらしい。すられている方の人は気がついていないが、身体と心は 刺激に対して反応しているのであろう。

 この身体に現れる感覚は、普通では感じることは難しいが、 心を制御する練習をある一定期間行うと、知ることができるようになってくる。
 怒りや悲しみなどの大きな感情であれば、普通でも知ることができるであろうが、 生まれては消え、生まれては消えしている心に生じる微妙な感情と、それにより 生じる体の感覚を知るには、やはり練習が必要である。

 話はそれるが、我々の五感と心は24時間休むことなく活動している。普通では気づくことが ないが、五感から取り込まれる様々な刺激に対して、様々な微小な感情が心に 生起している。
 そして、長年の間に積もり積もって、我々というものを形作っている。
 この心に生じる微小な感覚を知るには、やはり練習が必要である。
 よくセミナーやノウハウ本などで、自分の心を知ろうということをやっているが、 この心に生じる微小な感覚を知ることができるようになるまでには、それ相当 の時間がかかる。
 心の問題に関しては、目に見えるものではないので、すぐにも全員が フルマラソンを走れるかのように、様々なことが行われているようである。

 この前も「一体どのようなことをやっているんだろう」と思い、 今流行りのセミナーに行ってきた。そこでもやはり、講師の人が自分の心を 知ろうとやっていた。
 そこで私はその講師の人に「あなたは自分の心が今感じていることを知ることができます」と質問すると、 講師の人が「できます」というから、「それでは今あなたは、自分が、まばたきをしたことを 知っていますか、自分の足の小指が今何をどのように感じているか知っていますか」と質問をした。
 講師の人は「こいつはバカか」というような顔をして、「そのようなことと自分の心を知ることとは 何の関係があるのだ」と言ってくれた。
 この一言で、この講師の人は、一切自分の心に生起する感情を知ることができず、 自分の心を制御することもできない、と知ることができた。
 私が何を言おうとしているのかは、心を制御するための正しい練習をした人には、すぐに 分かってもらえることであると思う。

 話がかなり横道にそれたが、心と身体が一体であるから、健全なる身体には健全なる 精神がやどるとばかり、しゃかりきになって身体を鍛えている人達。
 これが、身体の健康を維持する程度の運動であればよいのであるが、度を越して 運動中毒のように鍛錬している人や、何かにとりつかれたように健康食品などを 口にしている人もいる。

 前述のごとく、確かに心と身体は連動している。また、身体の健康が損なわれると、 心が暗くなってくるのも事実である。しかし、どのようにしゃかりきになって身体を 鍛えようと、肉体は年齢とともに衰えていく。これは自然の理である。

 子供の頃や若いうちは身体を鍛えることにより、心を健全に保つべきである と考える。私は今、子供の頃の運動(体育)は、健全な心を養う上で非常に大切なもので あろうと考えている。
 これは、子供の頃や若いうちは、まさに心と身体が一体化しており、身体を鍛えることにより、 健全な心を養うことができると考えているからである。

 しかしである。歳とともに身体は衰えてくる。身体の衰えとともに、心と身体の 一体化が徐々に崩れ出してくる。
 心が、あっち飛び、こっち飛びして、不安定になってくる。
 これではいけないと、身体を鍛えても、若い頃のような身体に戻ることはない。
 人間以外の動物が、身体の衰えとともに死ぬというのも、何となく理解できるような気もする。
 しかし、我々人間は、身体が衰え出してからも何十年と生きて行きなければならない。

 それでは、どのようにして、心の健康を保てばよいのであろうか。
 それには、運動をし身体を鍛えるのと同じように、心の健康を保つために 心の運動(練習)をすれば良い。
 ある年齢からは、心そのものを鍛える練習が必要になってくる。

   さらには、心のトレーニングをすることにより、逆に身体によい影響を 与えることができるようになる。
 簡単な例では、身体の様々なコリが取れてくる。
 歳をとると身体のあちこちが凝り出してくる。 マッサージをしても、その時はよいのであるが、またコリ出してくる。
 病的な身体のゆがみということもあるが、ほとんどの身体のコリは、感情と 結びついたコリである場合が多い(変な言い方であるが)。
 その証拠に、心のコリを取り除くと、自然と身体のコリも取れてくるようになる。

 このように心の健康を保つには、年齢とともに、その方法が異なるもののようである。
 私は今40代であるが、40歳を過ぎたあたりから、このように考えるようになった。
 心の健康を保つために、具体的な心の運動をし、身体の健康を保つために適度な 運動をする。

 ここで重要なのは、心の運動といっても具体的なものでなければならない、ということである。
 前述の「このように考えましょう」というような具体的方法がない抽象的なものでは なく、腕を鍛えるには腕立伏せをすればよい、脚を鍛えるには走ればよい、というように 具体的なものであり、またどのように腕立伏せや走ればよいのかという練習方法である。

 歩く哲学者の私としては、この何十年の間に、生活の中で行う様々な心のトーレーニングを発見し 、知人にもその都度教えてあげている。
 この中には、歩きながら行い身体の運動にもなるものもあれば、座りながら行えるものもある。
 原理自体は非常に単純なものばかりである。まあ、身体の健康も原理は単純なものなので あろうが。

 

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