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グッドライフクラブ特許検討・ポイント(メールマガジン発行第108号)

特許第3698090号(発明の名称:顧客選好推定方法および装置)

登 録 日: 平成17年7月15日 特許権者: 日産自動車株式会社
出 願 日: 平成13年11月8日 出願番号: 特願2001−343409
公開番号: 特開2003−150842 分  野: G08G 1/09
審査請求日: 平成15年6月27日 請求項数: 7  公報頁数:11
備   考:
【発明概要】
 顧客端末からの情報提供要求に対して、顧客の現在の状況(顧客を取り巻く状況)と、 提供情報に対する顧客の反応履歴により、提供する情報を選択する、顧客選好推定方法および装置。
【発明背景】
 顧客の商品選択履歴情報を収集して顧客の好みを推定し、 電子商取引に利用するようにした顧客選好推定支援方法が知られている(例えば特開2000−132618号公報参照)。この方法では、顧客の商品選択履歴をもとに商品属性に対する顧客の好みを数値化し、商品属性から なる商品の選好度を推定している。
 しかしながら、従来の顧客選好推定方法では、選好推定対象の顧客の過去の商品選択履歴情報のみに基づいて選好推定を行うので、新規の顧客に対しては商品選択履歴情報が得られず、 選好推定を行うことができないという問題がある。また、従来からの顧客に対しても、過去の商品選択履歴情報のみに基づいて選好推定を行うので、顧客にとって意外性のある提案や新しい好みを提案することができないという問題がある。
 さらに、従来の顧客選好推定方法では、顧客のおかれている現在の状況をまったく考慮していないので、顧客を取りまく状況の変化による選好の変化に対応できないという問題がある。例えば自動車で移動中に渋滞に遭遇した場合には、 音楽よりも交通情報が望まれるが、渋滞に遭遇しても通常の顧客の好みである音楽が提供されることになる。
 また、選好推定結果に対する顧客の反応を知ることができないので、選好推定結果を以後の選好推定に反映させることがで きないという問題がある。
 そこで、顧客を取りまく状況変化に合致した顧客の好みを推定し、顧客の好みに合った情報を提供する。
【請求項要素・ポイント】
【請求項1要素】
各種の情報が格納された情報データベースと、情報データベースから収集する 情報の内容を決定するための各種の情報提供プログラムが格納されたプログラムデータベースと、情報提供の履歴データを記録するための履歴データベースと、情報データベースから収集された情報を顧客に提供するための端末装置とを備えたコンピュータシステムに用いられ、顧客の情報に対する好みを推定する顧客選好推定方法で、以下の要素からなる。
  1. 端末装置により顧客に情報を提供する際に、情報提供プログラムの選択方法と、顧客を取りまく状況と、提供情報に対する顧客の反応とを含む情報提供の履歴データを、履歴データベースに記録する第1の処理ステップをコンピュータシステムにおいて実行する。
  2. 顧客からの新たな情報提供要求があったときに、端末装置により検出されるそのときの顧客を取りまく状況と同様な状況の履歴データを、第1の処理ステップにより履歴データベースに記録された履歴データの中から抽出する第2の処理ステップを、コンピュータシステムにおいて実行する。
  3. 第2の処理ステップにより抽出された履歴データの中で顧客の反応が最良の履歴データを選択する第3の処理ステップをコンピュータシステムにおいて実行する。
  4. 第3の処理ステップにより選択された履歴データに用いられている情報提供プログラムの選択方法を採用する第4の処理ステップを、コンピュータシステムにおいて実行する。
  5. 第4の処理ステップにより採用された選択方法に基づいて、プログラムデータベースから情報提供プログラムを選択する第5の処理ステップを、コンピュータシステムにおいて実行する。
  6. 第5の処理ステップにより選択された情報提供プログラムにしたがって、情報データベースから情報を収集する第6の処理ステップを、コンピュータシステムにおいて実行する。
  7. 第6の処理ステップにより収集された情報を、端末装置により顧客に提供する第7の処理ステップを、コンピュータシステムにおいて実行する。
(請求項1特許ポイント)
 この特許は、この分野の出願ではおなじみの、顧客に合わせた情報を提供する方法を述べたものである。
 顧客に合わせた情報を提供する特許では、その情報の選択方法を述べたものが多いが、本特許もどのようにして、個々の顧客に応じた情報を提供するかという方法を述べたものである。
 本特許での情報提供方法では、顧客の現在の状況(請求項では顧客を取り巻く状況)と、 提供情報に対する顧客の反応履歴により、提供する情報を選択する部分に特徴がある。
 請求項1では、顧客側の端末装置をも含めたシステムでの方法となっている。実施例によると、この端末装置は自動車等に搭載されることにより、移動可能なもののようである。人が携帯するものも含まれるが、 本特許の特徴である、顧客の現在の状況をセンターに送信できるものでなければならない。
 提供情報に対する顧客の反応履歴とは、今までに、その情報を提供された顧客が、その情報に対してどのような反応をしたかを記録したものである。例えば、その情報を保存したか、 リピート操作をしたか、再生操作をしたか、再生中止操作が行われたかなどがあり、この情報が履歴データベースに記録されている。
 客を取り巻く状況とはどのような情報であるかは、請求項2で述べられている。
 顧客が端末を使用しセンターへ情報提供を要求すると、 端末装置は、まず、日時、現在位置、移動速度または目的地などの顧客の現在の状況を調べ、センターへ送信する。
 センターのコンピュータシステムでは、受信した顧客の状況から同様の履歴データを、履歴データベースから抽出する。
 抽出した履歴データの中から、 顧客の反応履歴が良好なものを選択し、情報提供プログラムを選択する。そしてこの情報提供プログラムにしたがって、情報データベースから情報を収集し、顧客の端末装置に送信する。
【請求項2-4】
 請求項1の従属項で省略。
【請求項5】
 コンピュータシステムは、IMT−2000方式の携帯電話を利用して端末装置に送信する、請求項1〜4のいずれかの顧客選好推定方法。 端末装置とセンターの通信に携帯電話を利用するもの。
【請求項6】独立項
 本特許のセンター側のコンピュータシステムの特許。請求項1では、端末装置も含めた方法の特許である。
【請求項7】
 請求項6のコンピュータシステムにおいて用いられている顧客選好推定装置。
【実際の特許請求範囲】
【請求項1】補正部アンダーライン省略
各種の情報が格納された情報データベースと、前記情報データベースから収集する情報の内容を決定するための 各種の情報提供プログラムが格納されたプログラムデータベースと、情報提供の履歴データを記録するための履歴データベースと、前記情報データベースから収集された情報を顧客に提供するための端末装置とを備えたコンピュータシステムに用いられ、顧客の情報に対する好みを推定する顧客選好推定方法において、
前記端末装置により顧客に情報を提供する際に、情報提供プログラムの選択方法と、顧客を取りまく状況と、提供情報に対する顧客の反応とを含む情報提供の履歴データを前記履歴データベースに記録する第1の処理ステップを前記コンピュータシステムにおいて実行し、
顧客からの新たな情報提供要求があったときに、 前記端末装置により検出されるそのときの顧客を取りまく状況と同様な状況の履歴データを前記第1の処理ステップにより前記履歴データベースに記録された履歴データの中から抽出する第2の処理ステップを前記コンピュータシステムにおいて実行し、
前記第2の処理ステップにより抽出された履歴データの中で顧客 の反応が最良の履歴データを選択する第3の処理ステップを前記コンピュータシステムにおいて実行し、
前記第3の処理ステップにより選択された履歴データに用いられている情報提供プログラムの選択方法を採用する第4の処理ステップを前記コンピュータシステムにおいて実行し、
前記第4の処理ステップによ り採用された選択方法に基づいて、前記プログラムデータベースから情報提供プログラムを選択する第5の処理ステップを前記コンピュータシステムにおいて実行し、
前記第5の処理ステップにより選択された情報提供プログラムにしたがって、前記情報データベースから情報を収集する第6の処理ステップを前記コン ピュータシステムにおいて実行し、
前記第6の処理ステップにより収集された情報を前記端末装置により顧客に提供する第7の処理ステップを前記コンピュータシステムにおいて実行することを特徴とする顧客選好推定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の顧客選好推定方法において、
前記第1の処理ス テップでは、顧客を取りまく状況に日時、現在位置、移動速度および目的地の内のいずれか1つを含めて、前記履歴データを前記履歴データベースに記録し、
前記第2の処理ステップでは、顧客からの新たな情報提供要求があったときに前記端末装置により検出されるそのときの日時、現在位置、移動速度および目的地 の内のいずれかに基づいて、抽出する履歴データを決めることを特徴とする顧客選好推定方法。
【請求項3】
請求項1に記載の顧客選好推定方法において、
前記第3の処理ステップでは、前記提供情報に対する顧客の反応をその提供情報に対して顧客が前記端末装置に行った操作に基づいて評価し、その評価結 果に応じて顧客の反応が最良の履歴データを選択することを特徴とする顧客選好推定方法。
【請求項4】
請求項1に記載の顧客選好推定方法において、
前記第2の処理ステップでは、顧客データベースから情報提供要求をした顧客と属性が類似する他の顧客を抽出し、情報提供要求をした顧客の履歴データと抽 出した他の顧客の履歴データの中から、情報提供要求をした顧客を取りまく状況と同様な状況の履歴データを抽出することを特徴とする顧客選好推定方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの項に記載の顧客選好推定方法において、
前記コンピュータシステムは、前記第6の処理ステップにより収集された 情報をIMT−2000方式の携帯電話を利用して前記端末装置に送信することにより、前記第7の処理ステップを実行することを特徴とする顧客選好推定方法。
【請求項6】
各種の情報提供プログラムにしたがって顧客に種々の情報を提供するコンピュータシステムであって、顧客に情報を提供するための端末装置 と、前記端末装置における顧客の反応に基づいて顧客の情報に対する好みを推定する顧客選好推定装置とを有するコンピュータシステムにおいて、
前記端末装置は、
顧客からの情報提供要求に応じて、そのときの顧客を取りまく状況を検出する状況検出手段と、
前記状況検出手段により検出された顧客を取りまく 状況を前記顧客選好推定装置へ送信する状況送信手段と、
前記状況送信手段による状況の送信に応じて前記顧客選好推定装置から送信される情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段により受信された情報を顧客に提供する情報提供手段と、
前記情報提供手段により提供された情報に対する顧客の反応を 検出する反応検出手段と、
前記反応検出手段により検出された顧客の反応を前記顧客選好推定装置へ送信する反応送信手段とを備え、
前記顧客選好推定装置は、
各種の情報が格納された情報データベースと、
前記情報データベースから収集する情報の内容を決定するための各種の情報提供プログラムが格納 されたプログラムデータベースと、
前記端末装置により情報を提供したときの情報提供プログラムの選択方法と、顧客を取りまく状況と、提供情報に対する顧客の反応とを含む情報提供の履歴データが記録されている履歴データベースと、
前記状況送信手段により端末装置から送信された顧客を取りまく状況を入手す る状況入手手段と、
前記履歴データベースに記録されている履歴データの中から、前記状況入手手段により入手された状況と同様な状況の履歴データを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された履歴データの中で顧客の反応が最良の履歴データを選択する履歴データ選択手段と、
前記履歴データ選択手 段により選択された履歴データに用いられている情報提供プログラムの選択方法を採用する選択方法採用手段と、
前記選択方法採用手段により採用された選択方法に基づいて、前記プログラムデータベースから情報提供プログラムを選択するプログラム選択手段と、
前記プログラム選択手段により選択された情報提供 プログラムにしたがって、前記情報データベースから情報を収集する情報収集手段と、
前記情報収集手段により収集された情報を前記端末装置へ送信する情報送信手段と、
前記反応送信手段により端末装置から送信された顧客の反応を入手する反応入手手段と、
前記選択方法採用手段により採用された情報提供プ ログラムの選択方法と、前記状況入手手段により入手された顧客を取り巻く状況と、前記反応入手手段により入手された顧客の反応とに基づいて、前記履歴データベースに記録されている履歴データを更新する更新手段とを備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のコンピュータ システムにおいて用いられている顧客選好推定装置。
【参考文献】
特開平09−218643 特開2001−134225 特開2000−020598 特開2000−132618 特表2003−502776 特開2003−122992

(引用文献:特許電子図書館公開公報)
グッドライフクラブ 大阪市天王寺大道2-1-22 (06)6771-4010

 前回同様、長い期間に渡って、私が心をトレーニングする過程で得た、 または理解したことを簡単に紹介します。興味のある方は、暇な時にでも 読んでみて下さい。
 ただし、述べる事がらは全て実践する中で得た理解です。 学問的に研究したわけではありません。従って、ところどころで、 間違った語句を使用したり、抽象的な記述しているかもしれませんが、その点は ご容赦ください。

刺激の感受、そして反応
 我々の人生には実に様々な出来事が起こる。やる事なすこと全て上手くいく時もあれば、 その逆に全て裏目に出てしまう時もある。また将来に渡って順風満帆、一かけらの心配もなさそうな時に、 思ってもみなかった苦労を背負いこんでしまう場合もある。まさに「禍福は糾える縄の如し」である。

 我々は得てして、順調な時には元気溌剌として颯爽としているものであるが、 一たび逆境になると途端に右往左往し、 何をどうすればよいのか全く分からなくなってしまうものである。 また自ら誤った選択を繰り返し、状況をより一層悪くしてしまうことも少なくない。

 順調な時、逆境の時と色々あるのが人生であるが、出来得るならば、どのような時にも常に 冷静に対応し、正しい判断、行為が出来るようになりたいものである。

 普段の生活において、我々は様々な刺激に出くわす。そのほとんどは感じたことすら知ることもないが、 我々の身体と心は確実に刺激を感受し、反応している。そして我々が刺激に対して反応するたびに、 その刺激への反応として蓄積されていき、我々は次第に同じ刺激に対して同じ反応をするクセを身に付けて いくようになる。

 どのような反応のクセを身に付けているかは、これはもう人それぞれである。
 例えば、私の知人の中には、 歩いている時に自動車のクラクションを聞いただけで怒り出す者もいるし、テレビを見ながらしきりに 文句を言っている者もいる。
 若い時には何とも思わなかった刺激に対して、歳を重ねるにつれ、自分でも気が付かない間に 過敏に反応してしまうようになってくる。
 これらは我々が気が付かない間に蓄積された刺激への反応の型と呼べるものである。

   このように、我々は知らず知らずのうちに、同じ刺激に対して同じ反応を繰り返す反応(思考) のクセを身に付けてしまっている。そしてこの反応(思考)のクセは、年を取るにつれより強固 なものとなり、我々の言動を左右する思考(反応)パターンとなる。

 それでもこの反応(思考)のクセが肯定的なものであればよいのであるが、困ったことに、 その多くが否定的なものである場合が多い。

 何かがあると過敏に反応し不安になる、怒る、嘆き悲しむ等々である。 そしてこれらの否定的感情や妄想に支配され、めったやたらと振り回されてしまう、 あるいは同じことばかりを繰り返してしまう。
 しかもほとんどの場合、反応していることにすら気づくことがない。

 我々の心の健康を保つためには、刺激に対して過敏に反応してしまうクセを是正する必要があるが、 長年にわたって形成されたこのような反応(思考)のクセを是正するということは 簡単なことではない。
 それどころか、本人が何の刺激に対して、どのような反応をしているのかを 理解していない場合がほとんどなのであるから、是正しようにも是正のしようがない。

 我々を悩まし、我々の心の健康を害する不安や怖れ、後悔や嘆き、 また怒りや不満、疑いなどの思いや感情。
 ある程度の不安や怒りなどの感情を持つことは、我々が人間である限り避けられないことで あるし、生きていくうえには必要なものであるのかもしれない。しかし、過敏 な反応、過剰な反応は、自分を見失わせてしまう。また心の健康にとっても 良いことではない。

 これらの否定的な思いや感情は、我々がいくら追い払おうと努力しても、 すぐにまた我々の心を支配してしまう場合が多い。これは、我々が受ける 刺激に対する反応のクセ、いわば我々の思考の型(パターン) として定着していることが多いためである。

 この刺激への反応(思考)の型(パターン)は、我々が反応すればするほど強固なものとなる。 またそれに伴う感情もより大きく成長し、さらに強く我々を反応させようとする。
 そして終には、同じ反応の繰り返しから抜け出ることができなくなってしまう。
 しかも、同じ反応を繰り返していることにすら我々は気がつかない。

 よく同じ失敗ばかり繰り返すというが、これなどはまさに刺激に対する反応の型、 つまり我々の思考パターンのなせる技であろう。

 自分がどのような刺激を受け、どのような刺激に対して、どのような反応をしている のかも知らない。これこそまさに無知である。
 自分を変える、性格を変えるということも、 我々の刺激に対する反応(思考)の型を変えるということであると言えるであろう。

 しかし、長年にわたって形成された我々の 思考(心)のクセや反応(思考)の型を変えるということは、前述のごとく、 「さあ、今から肯定的に考えましょう」「このように考え方を変えなさい」 というようなことでできる程、簡単なことではない。

 ノウハウ本やセミナーなどで、自分の感じていることを紙に書き、自分の考え方を知ろうという ことをやっているが、普通で知ることができる感情や思いなどは、反応の結果 現れた感情や思いである。
 この反応の結果としての感情や思いをいくら知ったとしても、 自分の反応の型や思考の型を知ることにはならないし、是正することなど 到底できない相談である。
 しかも、短期間のセミナーなどで、できるようなものではない。これは 断言しておく。

 このようなセミナーが趣味であればよいが、真剣であるならば、確実に お金のムダ使いである。

 自分の思考のクセを知り、是正していくという作業は、本当に地道なもので あり、日々の積み重ねであり、終わりのないものである。しかも、正しい方法で 行う必要がある。


 以下、刺激の感受から我々の反応として現れ出るまでの流れについて少し 述べてみたいと思う。
 我々が刺激を感受してから反応として現れるまでには、微妙な時間差があるようである。
 このことは、私が日々心を制御する練習を実践する過程で得た理解である。

 簡単には、我々が五感から入る刺激を受けると、それがどのような刺激であるのかが 検討され、このように反応しろという命令が出る、ということになる。

 五感から入る刺激とは、言わずと知れた、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚 で感じ取る刺激のことである。
 この五感からの刺激については、我々が気づく場合もあるが、気づかない場合もある。

 ここでは、一体全体、どのような存在が気づくのかと言う話はしない。この話をすると 、私とは何かという話になってしまうので、ここではとにかく、我々が気づかない刺激も 入り込む、ということにしておく。
 また、五感から入り込む刺激の影響には関係なく、心自体において生起する感情や思い も取り上げないことにする。あくまで、五感から入り込む刺激に対する反応について述べ ることにする。

 五感からの刺激が感受されると、その刺激が検討され、刺激への反応が決定されることになる。
 どのように検討されるかというと、膨大に蓄積されている過去の記憶データ が検索されるようである。
 似たような記憶データがない場合はどうなるんだという問題があるが、簡単にするため この話も省くことにする。

 余談ではあるが、この記憶データは本当に膨大であり、私自身、日々、驚いているほどである。
 何故、こんなに古くて細かいことまで憶えているんだ、ということまで記憶されている。
 普段では、このような古くて細かな記憶は、我々の意識の表面には出てこないが、 心の制御の練習をしている時には、意識して記憶を探っていく場合や、勝手に古い記憶が出て来る 場合があり、その時に 「ああ、こんなことがあった。こんなこともあった」と、驚くわけである。
 この記憶に関して言えば、何らかの感情や思いと結びついた事がらは、全て 記憶されているのではないかと考えている。

 このように過去の記憶データが検索され、五感からの刺激に対する反応が決定 される。そして反応の命令が、その反応を担当する部分に伝えられる。
 まあ、簡単に言えば上記のようになる。そして、この間、微妙ではあるが確かに時間差 がある。
 この時間差は通常では気づくことがない、というよりも、早くて気づくことができない。
 それでは何故、私みたいな人間が確かに時間差があると気づいたのかというと、ある時 この時間差を感じたのである。

 長い期間、毎日毎日、心を制御する練習をしていると、本当に様々なことを経験する。 これも、そのうちの一つである。
 ある時、スローモーションのように、刺激の感受から反応までを観たのである。そして、なるほど と理解したのである。
 これは、ウソのような本当の話である。

 この刺激の感受から反応まででは、他にも面白いことがある。それは、決定された反応の命令 は、その反応を扱う部分へ送られるようだ、ということである。つまり、我々が「私」と思っている意識には 送られてこないのである。

 これのどこが面白いんだと思われるかもしれない。しかし、ここで言いたいことは、 「私」という意識は、反応の結果が現れるまで、どのような反応であるかを知らない、という ことである。

 例えば行動に関して言えば、自分の行動を「私」が知らずに行動するなんてことがあるはずがない、 と当然思われることであろう。
 しかしである。刺激に対する反応としての行動でみる限り、反応命令を受けた行動が先で、 その行動を「私」が認知する、という順序であるようだ。
 この間、ほんのわずかの時間差であるので、ほとんど意識することがないため、「私」が 命令し行動に移っているように感じているだけのようである。

 「私」という存在が、反応としての自分の行動を知るのは行動の後である。当方としては、 客観的な方法でこのことを検証したわけではないが、直感的には、このように感じる のである。
 ただし、このことはあくまで、刺激への反応として行動についてのことである。
 考え、そして行動に移る場合は、また異なる。
 先程、「私」という意識には触れないと言ったが、我々が「私」と思って いる意識は、必ず微妙な遅れを伴うものなのである。この「私」という意識が 「私である」という感覚は、必ず僅かではあるが過去のものなのであり、そして 「私」という意識の連続が「私である」ということとなる。
 まあ、ややこしくなるのでこのあたりで、やめておくのが適当であろう。

 我々は生きている限り、心の中には、自分の意志とは関係なく、毎日様々な ガラクタが入り込んで来る。今日のように刺激が溢れ返った世の中で あればなおさらである。

 とにかく、我々を反応させよう、反応させようとして智恵の限りを尽くして 刺激を生み出してくる。この作業がお金儲けに直結しているのでなおさらだ。 また、多くの人間を反応させる刺激を作ったものが、マスコミでも大きく取り上げられる。

 考えてみると、何やら恐ろしい気もする。
 人を反応させようと懸命になっている人間も、他の刺激に反応させられてしまい、気が付くと その反応から抜けられなくなってしまうという、ミイラ取りがミイラになってしまうこともある。

 このような世の中においては、我々は、自身で自分の心を守っていかなければならない。

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