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グッドライフクラブ特許検討・ポイント(メールマガジン発行第63号)

特許第3609398号(発明の名称:商品情報提供システム)

登 録 日: 平成16年10月22日 特許権者: 株式会社青山キャピタル
出 願 日: 平成15年11月11日 出願番号: 特願2003−380958
公開番号: 早期審査 分  野: G07G 1/14
審査請求日: 平成16年4月8日 請求項数: 4  公報頁数:18
備   考:
【発明概要】
 会員登録された顧客に、顧客毎に蓄積された商品購入履歴等の情報に基づいてカスタマイズされた商品価格等の商品情報を、 情報通信ネットワークを介して提供することができる商品情報提供システム。
【発明背景】
 現在、携帯電話端末の保有者は五千万人を超すと言われており、 携帯電話を保有するエンドユーザーを客としてサービスを提供するものにとって、携帯電話端末は、客が所有する社会資本と見なすことができる。 そして、サービスを提供する側が、顧客に対して、携帯電話端末等の携帯情報通信端末の画面にバーコード等の顧客に固有の認証記号を表示させるプログラムを提供し、 サービス利用精算時等において、携帯情報通信端末の画面に表示された認証記号を読み取ることにより、顧客を認証するとともに、 POSシステムを利用して顧客を管理しようとするシステムが既に提案されている(特開2002−163537号)。
 このような従来例のシステムでは、サービス提供側の情報通信端末から、顧客の携帯情報通信端末に対して電子メールを送信し、 顧客がメールに含まれるアドレスを用いて、インターネットを介して、サービス提供側のウェブページに接続することにより、 顧客の携帯情報通信端末の画面上に認識コードを表示させたり、サービスに関する情報を得たり、マイレージポイントを表示させたりすることができるように構成されている。
 また、サービス提供側のウェブページへのアクセス情報を利用して、ウェブページに掲載された商品等の販売企業である広告依頼主に対して、 広告効果の判断材料の情報を提供することができるように構成された情報提供サービスも、既に提案されている(特開2002−111909号)。
 しかし、現在の電子メールやダイレクトメールで送られる広告のように、大量の顧客に対して画一的な情報を提供しても、そのような情報に含まれる広告内容が必ずしも各々の顧客にとって有用なものであるとは限らず、 多くの場合、顧客にとって無用なものであるため、広告に対して興味を示さない顧客が殆どである。しかしながら、サービスや商品を提供する企業にとっては、それぞれの顧客に適した(顧客の嗜好に合致した)商品情報等を提供することが難しく、 今までのところ、カスタマイズされた商品情報を顧客に提供する簡単な手法が提案されていない。
 また、店舗等にては、混雑時には店員から適切な情報を得ることができない場合がある。さらに、顧客が、会員として登録した場合には、会員カードが提供されるため、会員カードがどんどん増えてしまう。さらにまた、 企業から会員に対して提供されるサービス内容も画一的であり、優遇特典等のサービス内容の種類(グレード等)も数種類と限られていたし、サービス内容の変更を頻繁に行うことができなかった。
 そこで、顧客が自分にカスタマイズされた商品情報を、簡単な構成で電子的に入手することができるようにする。
【請求項要素・ポイント】
【請求項1要素】
実際の商品又はその近傍に配置された商品タグと、会員用の通信端末と、ウエブサーバーと、商品を販売する店舗に配置され、 ウエブサーバーとの間で情報通信ネットワークを介して情報を通信する通信入出力手段を備えた精算機とからなり、情報通信ネットワークを介して会員通信端末に商品情報を配信する商品情報提供システムで、以下の要素からなる。
  1. 商品タグは、商品を識別するための商品ID及び店舗を識別するための店舗IDを含みかつ光学的に読み取り可能な商品識別子を表示している。
  2. 会員通信端末は、
    商品タグ上の商品識別子を光学的に読み取ることができる読取手段と、
    会員を識別するための会員ID及びウエブサーバーのURLを記憶した記憶手段と、
    ウエブサーバーとの間で情報通信ネットワークを介して情報を通信する通信入出力手段と、
    読取手段によって商品識別子が読み取られたときに、それを解読して商品ID及び店舗IDを得、 得られた商品ID及び店舗IDと会員IDとを含んだ商品問い合わせ情報を、通信入出力手段からウエブサーバーに配信させる演算手段と
    を備える。
  3. ウエブサーバーは、
    会員毎の特典レベルを、会員IDに対応づけて記憶する会員情報記憶手段と、
    商品毎の特典レベルに対応する割引率を、商品IDに対応づけて記憶する商品情報記憶手段と、
    会員通信端末との間及びウエブサーバーとの間で情報通信ネットワークを介して情報を通信する通信入出力手段と、
    通信入出力手段が商品問い合わせ情報を受け取ったときに、 該情報に含まれる会員ID及び商品IDに基づいて、会員情報記憶手段から当該会員の特典レベルを読み出し、かつ商品情報記憶手段から当該特典レベルに対応する当該商品の割引率及び商品の正価を読み出し、 当該会員に対する商品価格を演算し、該商品価格を含んだ会員特有情報を、通信入出力手段から当該会員の会員通信端末に配信させるとともに、会員通信端末に返送した商品価格と商品IDと当該会員通信端末に関する会員IDとを、商品問い合わせ情報に含まれている店舗IDに対応する精算機に対して、通信入出力手段を介して配信させる手段を備えている演算手段と
    からなる。
  4. 精算機は、
    ウエブサーバーから配信された商品価格、商品ID、及び会員IDを対応づけて記憶する記憶手段と、
    商品タグ上の商品識別子を光学的に読み取ることができる読取手段と、
    会員IDを入力する手段と、
    入力された会員ID及び読み取られた商品IDに基づいて、記憶手段から対応する商品価格を読み出して、商品販売の精算を行う演算手段と
    からなる。
(請求項1特許ポイント)
 これは面白い特許である。補正により、「精算機」の要素が付け加えられたが、この要素がなければ、ビジネス上では面白い特許となったと思う。 補正により「店舗ID」と「精算機」の要素が付け加えられたが、公開時の特許請求の範囲がどのようなものであったのかは、分からない。 明細書からも、請求項1から「店舗ID」と「精算機」の要素をのけたものであったと思われる。
 上述のごとく、特許になった時点では、「店舗ID」と「精算機」の要素が加えられたが、もともと本出願がねらっていた権利は、以下のようなものであったと思われる。
 会員用の通信端末とは、まあカメラ付きの携帯電話である。この携帯電話には会員IDが記憶されており、下記で述べる機能を持つプログラム(企業側から提供される)がインストールされている。
 ウエブサーバーには会員情報やその会員の特典レベルと、店舗での商品情報(商品IDや正価)が記憶されている。会員の特典レベルとは、今までの購買動向などで、会員毎に与えられる各商品の割引率などである。
(1)会員は、上記会員IDとプログラムを持つ携帯電話を所持し、店舗へ向かう。店舗にて、会員は携帯電話で商品タグにある商品IDを携帯電話のカメラで読み込む。この商品タグは二次元バーコードでも良いし、普通のバーコードでも良い。
(2)携帯電話のプログラムは、読み込まれた商品IDと携帯電話に記憶されている会員IDとからなる商品問い合わせ情報を、ウエブサーバーに送信する。
(3)ウエブサーバーは、送信されてきた会員IDと商品IDとに基づいて、記憶されている会員の特典レベルと商品の正価から、会員の割引価格を計算し、会員の携帯電話へ返送する。
 これにより、会員は携帯電話の画面で、問い合わせた商品の割引価格等を確認することができ、購入するかどうかを決定する。
 ここまでが、本当に権利にしたかった部分であろうと思われる。ここまでであれば、明細書での実施例3でも述べているように、商品カタログ(通信販売)での本システムの使用や、店舗においても精算時での融通がきいたと思われる。
 請求項1では、補正により、上記要素に加え、「店舗ID」と「精算機」の要素が加わった。商品タグには商品IDと店舗IDがあり、携帯電話は会員IDと商品IDと店舗IDをウエブサーバーに送信する。
 ウエブサーバーは、会員IDと商品IDから割引価格を会員に返送するのは同じであるが、店舗IDに対応する精算機にも会員に返送した商品価格と商品IDと会員IDを配信する手段がある。
 精算機は、会員が商品を購入する場合、会員IDを入力し、商品タグの商品IDを読み取り、会員ID及び読み取られた商品IDを基に、サーバーから送信され記憶されている商品価格を読み出す。
 ここで、ちょっと考えるのは、会員が携帯電話で商品の問い合わせ情報をサーバーへ送信し、サーバが割引価格の返信をする場合には、必ず精算機に会員情報を送信し、精算機がその都度情報を記憶するのであろうかということである。
 というのは、商品の問い合わせのみをし、購入しない会員もいるであろうから、商品情報の問い合わせのある度に、サーバーが精算機へ情報を送信するのでは、大変であろうと思われるからである。
 記載はされていないが、会員が購入する時にのみ、精算機がサーバへ通知し、サーバから情報を受け取るのかもしれない。
 さらにもう一つ分からない個所が、上記要素3のウエブサーバーは、「会員通信端末との間及びウエブサーバーとの間で情報通信ネットワークを介して情報を通信する通信入出力手段と、」を持つ、の個所である。 ウエブサーバーが会員の携帯電話との間で「情報通信ネットワークを介して情報を通信する」のは分かるのであるが、ウエブサーバーがウエブサーバーとの間とも「情報通信ネットワークを介して情報を通信する」とはどういうことか、今ひとつ良く分からない。 この「ウエブサーバー」の部分は補正部であるが、「精算機」の間違いではないだろうか。
 「店舗ウエブサーバー」は請求項2で述べているので、この「ウエブサーバー」ではないと思われる。
【請求項2】
 会員通信端末とウエブサーバと精算機に加え、店舗ウエブサーバーもある請求項1の商品情報提供システム。 ウエブサーバーは、商品情報を会員の携帯端末に返送するとともに、商品問い合わせ情報に含まれている店舗IDに対応する店舗ウエブサーバーに対して、他の商品情報、商品価格及び商品IDを会員アクセス情報として、通信入出力手段を介して配信させる。
 店舗ウエブサーバーは、受け取った会員アクセス情報を記憶するとともに、精算機における精算結果を記憶し、店舗会員の店舗におけるアクティビティの履歴を構築する。
【請求項3】
 店舗ウエブサーバーの記憶手段に構築された会員の履歴から、店舗に来店したもののその来店時に商品を購入しなかった店舗会員の会員IDを抽出し、その会員IDを保有する会員通信端末に対して、購入されなかった商品の情報又は他の商品の情報を配信する、 請求項2記載の商品情報提供システム。
 この請求項から、会員が携帯電話で商品の問い合わせをすると、サーバは店舗サーバには必ず情報を送信するようである。購買したかどうかは、精算機からの情報で分かるのであろう。しかし、精算機に必ず情報を送信するのかどうかは未だ分からない。
【請求項4】
 ウエブサーバーの会員情報記憶手段に記憶されている特典レベルは、会員の商品購入履歴、店舗来店履歴、及び、会員が特定の団体に所属しているか否かの少なくとも1つによって決定される、請求項1〜3記載の商品情報提供システム。
【実際の特許請求範囲】
【請求項1】
 実際の商品又はその近傍に配置された商品タグと、会員用の通信端末と、 ウエブサーバーと、商品を販売する店舗に配置され、ウエブサーバーとの間で情報通信ネットワークを介して情報を通信する通信入出力手段を備えた精算機とからなり、情報通信ネットワークを介して会員通信端末に商品情報を配信する商品情報提供システムにおいて、
商品タグは、商品を識別するための商品ID及び店舗を識別するための店舗IDを含みかつ光学的に読み取り可能な商品識別子を表示しており、
会員通信端末は、
商品タグ上の商品識別子を光学的に読み取ることができる読取手段と、
会員を識別するための会員ID及びウエブサーバーのURLを記憶した記憶手段と、
ウエブサーバーとの間で情報通信ネットワークを介して情報を通信する通信入出力手段と、
読取手段によって商品識別子が読み取られたときに、それを解読して商品ID及び店舗IDを得、得られた商品ID及び店舗IDと会員IDとを含んだ商品問い合わせ情報を、 通信入出力手段からウエブサーバーに配信させる演算手段と
を備え、
ウエブサーバーは、
会員毎の特典レベルを、会員IDに対応づけて記憶する会員情報記憶手段と、
商品毎の特典レベルに対応する割引率を、商品IDに対応づけて記憶する商品情報記憶手段と、
会員通信端末との間及びウエブサーバーとの間で情報通信ネットワークを介して情報を通信する通信入出力手段と、
通信入出力手段が商品問い合わせ情報を受け取ったときに、該情報に含まれる会員ID及び商品IDに基づいて、会員情報記憶手段から当該会員の特典レベルを読み出し、 かつ商品情報記憶手段から当該特典レベルに対応する当該商品の割引率及び商品の正価を読み出し、当該会員に対する商品価格を演算し、該商品価格を含んだ会員特有情報を、通信入出力手段から当該会員の会員通信端末に配信させるとともに、会員通信端末に返送した商品価格と商品IDと当該会員通信端末に関する会員IDとを、 商品問い合わせ情報に含まれている店舗IDに対応する精算機に対して、通信入出力手段を介して配信させる手段を備えている演算手段と
からなり、
精算機は、
ウエブサーバーから配信された商品価格、商品ID、及び会員IDを対応づけて記憶する記憶手段と、
商品タグ上の商品識別子を光学的に読み取ることができる読取手段と、
会員IDを入力する手段と、
入力された会員ID及び読み取られた商品IDに基づいて、記憶手段から対応する商品価格を読み出して、商品販売の精算を行う演算手段と
からなる

ことを特徴とする商品情報提供システム。
【請求項2】
 請求項1記載の商品情報提供システムにおいて、
該システムはさらに、商品を販売する店舗によって管理され、ウエブサーバーとの間で情報通信ネットワークを介して情報を通信する通信入出力手段を備えた店舗ウエブサーバーを備え、
ウエブサーバーの演算手段はさらに、商品問い合わせ情報を受け取ったときに、 会員通信端末に対して、商品価格とともに会員特有の他の商品情報を、通信入出力手段を介して返送させるとともに、商品問い合わせ情報に含まれている店舗IDに対応する店舗ウエブサーバーに対して、該他の商品情報、商品価格及び商品IDを会員アクセス情報として、通信入出力手段を介して配信させるよう構成されており、
店舗ウエブサーバーは、受け取った会員アクセス情報を記憶するとともに、精算機における精算結果を記憶する記憶手段を備え、
店舗会員の当該店舗におけるアクティビティの履歴を構築することができるようにしたことを特徴とする商品情報提供システム。
【請求項3】
 請求項2記載の商品情報提供システムにおいて、店舗ウエブサーバーの演算手段はさらに、
店舗ウエブサーバーの記憶手段に構築された会員の履歴から、当該店舗に来店したもののその来店時に商品を購入しなかった店舗会員の会員IDを抽出する手段と、
抽出された会員IDを保有する会員通信端末に対して、 記憶手段中の会員アクセス情報に含まれる、購入されなかった商品の情報又は他の商品の情報を、通信入出力手段を介して配信させる手段と
を含んでいることを特徴とする商品情報提供システム。
【請求項4】
 請求項1〜3いずれかに記載の商品情報提供システムにおいて、ウエブサーバーの会員情報記憶手段に記憶されている特典レベルは、会員の商品購入履歴、店舗来店履歴、及び、会員が特定の団体に所属しているか否かの少なくとも1つによって決定されることを特徴とする商品情報提供システム。
【参考文献】
特開2002−297730 特開2002−329252 特開2003−308266 特開2002−041975 特開2001−297257

(引用文献:特許電子図書館公開公報)
グッドライフクラブ 大阪市天王寺大道2-1-22 (06)6771-4010

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