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グッドライフクラブ特許検討・ポイント(メールマガジン発行第15号)

特許第3514564号(発明の名称:蜃気楼の発生予測方法並びに予測装置)

登 録 日: 平成16年1月23日 特許権者: 株式会社ウェザーニューズ
出 願 日: 平成7年11月30日 出願番号: 特願平7−312313
公開番号: 特開平9−152491 分  野: G01W 1/00
審査請求日: 平成14年11月28日 請求項数: 9  公報頁数:9
備   考:
【発明概要】
 蜃気楼の発生予測方法に係り、特に明日以降少なくとも7日先までの蜃気楼発生の有無を統計的手法をかりて精度よく予測する方法及び装置。
【発明背景】
 文献によると蜃気楼は、古来より北海道オホーツク海沿岸、東北から山陰地方にいたる日本海沿岸、或いは千葉県、和歌山県、鹿児島県をはじめ太平洋沿岸各地で観察されていた現象であり、 その発生原因についてはかなり以前から調査され議論されていたが、蜃気楼の発生を予め予知するまでには至っていない。中でも毎年3月上旬から6月下旬にかけて出現する富山県魚津市の蜃気楼は世界的にも有名であり、魚津市の蜃気楼研究会では過去20年間にわたって当地の蜃気楼現象を観察しており、発生時の気象条件等を記載した貴重な記録が大切に保存されている。しかし、蜃気楼の発生と気象条件との統計的な関係はまだ解明されておらず、その出現の有無は過去の経験と勘に頼らざるを得ないのが現状である。
 そこで、蜃気楼の発生と気象条件との統計的な関係を明らかにし、蜃気楼出現の有無を正確かつ容易に予測できるようにする。
【請求項要素・ポイント】
【請求項1要素】
  1. 蜃気楼発生に係わる過去の観測気象データを解析して蜃気楼発生の有無を判別するための予測式を導出し、
  2. これを用いて対象地域における予測気象データを解析し、
  3. その解析値を過去の観測気象データの解析値と照合することにより少なくとも7日先までの蜃気楼発生の有無を判別する、
    ことを特徴とする蜃気楼の発生予測方法。
(請求項1特許ポイント)
 この請求項は蜃気楼の予測をする方法の特許である。 予測方法は、過去の蜃気楼発生時の観測気象データを解析して、7日先までの観測気象データと照合して予測するようである。
 この特許のポイントは、上記1の予測式の導出にあると思われる。門外漢であるのであまり良くわからないが、蜃気楼発生時の説明変数(各気象項目)の影響の強さを表す偏相関係数(図)とレンジおよび、 説明変数についてそれぞれのカテゴリー・スコアと相関比(説明変数全体での影響の強さを表す係数)を算出する。カテゴリー・スコアーはそれぞれの説明変数の各カテゴリーに得点を与えたものであるようだ。
 何やら良く分からないが、とにかく蜃気楼発生に影響を与えた説明変数(各気象項目)の影響の強さを算出し、7日先までの蜃気楼発生を予測するようである。
 気象項目としては、本特許の請求項4、5に記載されている。少し長くなるが、明細書の記述を記載しておく。
「過去の文献にみられる蜃気楼発生記録や気象関係資料をつぶさに検討したところ、各対象地域に共通する気象条件として、海面または地上に接する気層の気温変化率が高くて密度の異なる大気層が形成されており、大気が安定していてこの状態が崩れにくく、晴天で見通しがよい状態にあるとき蜃気楼が発生し易くまた観測しやすいことが確認された。(請求項3の要素)
 気象条件に係る具体的な気象項目としては、通常、移動性高気圧中心位置、サーマルリッジ存在エリアおよびサーマルトラフ存在エリア等の広域気象データと、海面または地表温度と気温との差、大気低層の気温減率、ショワルターのスタビリティ・インデックス、最高気温、天気、日照時間、雨量、風速および風向、冬季降雪量等の狭域気象データがこれに当る。
 気温より海面または地表温度の方が低くなる季節に観察される蜃気楼(以下、春夏型蜃気楼と略称する)については、移動性高気圧中心位置とサーマルリッジ存在エリアの2ケの広域気象データと、海面または地表温度と気温との差、最高気温、ショワルターのスタビリティ・インデックス、天気、日照時間、最大風速時の風向および冬季降雪量の中から選択される2〜7ケの狭域気象データとからなる計4〜9ケの気象項目データを使用するのが好適である。(請求項4)
 また、気温よりも海面または地表温度の方が高くなる季節に観察される蜃気楼(以下、冬型蜃気楼と略称する)については、移動性高気圧中心位置、サーマルトラフ存在エリアおよびサーマルリッジ存在エリアからなる広域気象データと、海面または地表温度と気温の差、ショワルターのスタビリティ・インデックス、天気、日照時間、および最大風速生起時の風向からなる狭域気象データの中から計6〜8ケの気象項目データを使用するのが好適である。(請求項5)」
(この特許はビジネス関連特許とはあまり関係がないが、興味があったので読んでみた。)
【請求項2】独立項
 演算処理システムにより請求項1の予測を行う方法。実施例では、ワークシートを用いて予測しても、演算処理システム(コンピューター等)を用いて予測しても良いとある。請求項1ではこの両方を含んだ請求項で、請求項2では演算処理システムに限定している。
【請求項3】
 請求項1または2の気象データ(各対象地域に共通する気象条件)の内容を述べた蜃気楼の発生予測方法。(上記ポイント参照)
【請求項4】
 春夏型蜃気楼の予測に用いる請求項3の気象項目データ。(上記ポイント参照)
【請求項5】
 冬型蜃気楼の予測に用いる請求項3の気象項目データ。(上記ポイント参照)
【請求項6】独立項
 蜃気楼の発生予測装置。
【請求項7-9】
 請求項6の従属項。
【実際の特許請求範囲】
【請求項1】
 蜃気楼発生に係わる過去の観測気象データを解析して蜃気楼発生の有無を判別するための予測式を導出し、これを用いて対象地域における予測気象データを解析し、 その解析値を過去の観測気象データの解析値と照合することにより少なくとも7日先までの蜃気楼発生の有無を判別することを特徴とする蜃気楼の発生予測方法。
【請求項2】
 予め蜃気楼発生に係わる過去の観測気象データを入力して蜃気楼発生の有無を解析・判別できるよう学習制御した演算処理システムに、対象地域における現在以降の予測気象データを入力することにより、少なくとも7日先までの蜃気楼の発生予測情報を出力させることを特徴とする蜃気楼の発生予測方法。
【請求項3】
 請求項1または2記載の気象データが、対象地域の海面または地表に接する気層の気温変化率、大気の安定度および天候に関与する気象項目データの組合わせからなる蜃気楼の発生予測方法。
【請求項4】
 請求項3記載の気象項目データが移動性高気圧中心位置、サーマルリッジ存在エリアおよびサーマルトラフ存在エリア、海面または地表温度と気温との差、大気低層の気温減率、ショワルターのスタビリティ・インデックス、天気、日照時間、雨量、風速および風向である蜃気楼の発生予測方法。
【請求項5】
 請求項3に記載の気象項目データが、海面または地表温度と気温との差、最高気温の平年偏差、大気低層の気温減率、ショワルターのスタビリティ・インデックス、天気、日照時間、最大風速生起時の風向および冬季降雪量の狭域気象データより選ばれた少なくとも2ケの気象項目データと、移動性高気圧中心位置、サーマルリッジ存在エリアおよびサーマルトラフ存在エリアの広域気象データより選ばれた少なくとも2ケの気象項目データの組合わせからなる蜃気楼の発生予測方法。
【請求項6】
 蜃気楼発生に係わる過去の観測気象データを解析して蜃気楼発生の有無を判別するための予測式を導出する演算装置と、この演算装置に過去の観測気象データ及び対象地域における予測気象データを入力する入力装置と、入力データを予測式で解析して得られた蜃気楼発生の有無の判別結果を出力する出力装置とからなる蜃気楼の発生予測装置。
【請求項7】
 請求項6記載の気象データが、対象地域の海面または地表に接する気層の気温変化率、大気の安定度および天候に関与する気象項目データの組合わせからなる蜃気楼の発生予測装置。
【請求項8】
 請求項6記載の気象項目データが移動性高気圧中心位置、サーマルリッジ存在エリアおよびサーマルトラフ存在エリア、海面または地表温度と気温との差、大気低層の気温減率、ショワルターのスタビリティ・インデックス、天気、日照時間、雨量、風速および風向である蜃気楼の発生予測装置。
【請求項9】
 請求項6に記載の気象項目データが、海面または地表温度と気温との差、最高気温の平年偏差、大気低層の気温減率、ショワルターのスタビリティ・インデックス、天気、日照時間、最大風速生起時の風向および冬季降雪量の狭域気象データより選ばれた少なくとも2ケの気象項目データと、移動性高気圧中心位置、サーマルリッジ存在エリアおよびサーマルトラフ存在エリアの広域気象データより選ばれた少なくとも2ケの気象項目データの組合わせからなる蜃気楼の発生予測装置。
【参考文献】
特開 平9−49884 特開 平7−225284 特開 平6−300860 特開 平2−221997 特開 平7−260946 特開 平5−134055 特開 平4−253282

(引用文献:特許電子図書館公開公報)
グッドライフクラブ 大阪市天王寺大道2-1-22 (06)6771-4010

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今回はビジネス関連特許とはあまり関係がありませんが、
蜃気楼という言葉に興味を持ち読んでみたところ面白かった
ので配信しました。
生きていくうえには、別段これと言って必要ではないのですが、
「なるほど、これはこのよになっているのか」「へぇー、こんなものがあるのか」
と、今まで知らなかった事柄に対する知識が増えるということには、
何故か不思議な喜びがあります。

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