保渡田古墳群 群馬県高崎市 保渡田町・井出町

 高崎市北部に位置する古墳群で、被葬者が群馬県の名の興りとなった氏族のものと推定されています。

 古墳はいずれも5世紀後半に造られた前方後円墳で、一帯が歴史公園「上毛野はにわの里公園」になっています。

 園内には、二子山・八幡塚・薬師塚の三基の古墳の他、博物館・文学館などが有ります。
創建当時の様子に復元修復された八幡塚古墳


: 八幡塚古墳周溝の中島
  二重の周溝内には、直径18mの四つの中島があります。
   八幡塚古墳礫槨内部
  後円部には復元された竪穴式の礫槨と石棺があります。
: かみつけの里博物館
 外観: 駐車場と博物館入館口
   かみつけの里博物館
 常設展示室で、古墳群の説明や出土遺物を見る事が出来ます。
 コスモス咲く二子山古墳
  全長110mの前方後円墳
  かみつけの里はにわ祭り
 10月下旬に行われます。
 薬師塚古墳遠景
 寺域に使用されて形態は明瞭になっていません。
   薬師塚古墳の石棺
 寺の境内に舟形石棺が展示されています。

保渡田古墳群




◆八幡塚古墳(国指定)
 八幡塚古墳は、南東1kmにある三ッ寺T遺跡に住み、榛名山南東麓・井野川流域を治めた豪族の墓です。
 墳丘は全長96mで3段に造られた前方後円墳で、斜面は葺き石で飾られていました。周囲には内堀・外堀・外周溝が巡り、内堀り中には4つの中島があり、、この古墳の特徴になっています。これらを含めた墓域は約190mに及びます。


 古墳の周囲には約6000本の円筒はにわが巡らされる他、生活の様子を表現した人物・動物のはにわを飾った区画も有ります。
 礫槨内は盗掘されていましたが、管玉・勾玉・鉄製農具類などが出土しています。

           −現地案内板より−


◆二子山古墳(国指定)
 本古墳群の中で最初に造られた古墳で、墳丘長108mの前方後円墳になっています。周りには内堀と外堀が巡らされ、総長は213mになっています。
 内堀の中には円形の中島が4つ存在します。
 墳丘頂部には竪穴式礫槨が有り、大型の舟形石棺が確認されています。


 副葬品などは盗掘されていますが、金銅製馬具・金製装飾具・円筒埴輪・須恵器などが確認されています。

           −現地案内板より−


◆薬師塚古墳
 5世紀末〜6世紀初頭の築造が推定され、本古墳群のなかで最後に造られたものです。
 墓域は西光寺の境内となって変形していますが、三段に築かれた前方後円墳です。斜面には石垣を葺き円筒埴輪を巡らしていたと判明しています。
 全長は105m、高さ6m、周囲には二重に掘りを巡らし、全長は165mを測っています。


 後円部上の薬師堂前には、舟形石棺が展示されています。
 出土品は江戸時代にこの中から発見されたと伝えられ、鏡・装身具・各種玉類・儀式用の馬具類などが有ります。

           −現地案内板より−