6月議会で山下が行った一般質問、議案への討論などの要旨をご紹介します。
「安保法案」への町長の見解を聞いた質問と答弁の要旨は次の通りです。
今国会で審議されている「安保法案」は、自衛隊が「戦闘地域」まで行って、武力行使をできるようにし、集団的自衛権を行使して、米国などが起こした戦争に参戦できるようにするものです。
6月4日の衆議院憲法審査会では、与野党が推薦した3人の憲法学者全員が、これら法案が憲法違反だと発言しました。
日本を海外で戦争する国にしようとする政府の動き、安保法案に対する町長の見解を伺います。
私は憲法9条を守るべきと考えています。
集団的自衛権の行使は、自衛隊の活動を拡充する懸念は否めず、歯止めがきかない安保法案には、賛意を示すべきでないと考えます。
むしろ、戦後70年、今日まで平和国家を守っていることに誇りを持つべきです。
山梨県弁護士会長から、安保法案は、憲法9条に違反するとの声明が町にも届き、また、6月4日の衆議院憲法審査会で、憲法学者3人がそろって憲法違反との見解を示しました。
法治国家としては、その判断に従うべきです。
町長は、法案が、自衛隊の活動を拡充する懸念があり、憲法違反であることから、明確に「賛意を示すべきでない」と述べました。
また、「憲法9条を守るべき」など、町長の憲法9条や平和への思いも語られました。
運動の大きな力となる、町長の良識ある答弁だと思います。
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平和と暮らしと自然を守る富士河口湖の会から提出された「『平和安全法制整備法案』『国際平和支援法案』の慎重審議を求める意見書を国会に提出することを求める請願」が、6月15日の本会議の議題となりました。
結果は、賛成6、反対11で、否決となりました(私は賛成しました)。
驚いたのは、反対討論が行われず、反対したどの議員からも反対理由が述べられなかったことです。
反対理由を議会の場で明らかにせず、請願を否決することは、住民の声を軽視することにほかなりません。
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質問と答弁の要旨は次の通りです。
今年4月より、粗大ごみの回収が、各ごみステーションでの回収から、地区ごとの拠点回収に変更になりました。
回収場所が遠くなり、車のない方、高齢の方、障害をお持ちの方などは、粗大ごみを出すことが困難になり、「運ぶ手段がない。頼める人もいない。どうしたらいいのか」という声も寄せられています。
変更の理由として町は、ごみの増加などにより、運搬のときに危険が生じている、事業者からの持ち込みがある、などの説明をしていますが、多くは、町民の責任とは言えないものです。
事前の説明もほとんどなく変更したことは問題です。
各ごみステーションで回収する方法に戻すべきです。
ごみステーションでの粗大ごみ回収は、産業廃棄物や不燃物などが混入して持ち込まれる場合が多く、回収量が増え、従事者の負担は大きいものがありました。
安全に効率的に回収するため、今年4月より、拠点回収に変え、回収回数を年1回から2回に増やしました。
この変更は、広報3月、4月号でお知らせをしました。
広いスペースで安全な作業が行えること、町民のみなさんと話しながら回収でき、持ち込まれた方からは好評をいただきました。
よって、今後も粗大ごみの回収は、拠点回収を中心に行います。
同時に、高齢者世帯などへの対応は、検討を始めています。
10月以降には、別の方法での対応の試行を考えています。
高齢者世帯などへの対応を検討するとしたことは、重要な答弁ですが、運べない方をどのように把握するのか、再質問で聞きました。
答弁は「当該世帯から環境課に依頼していただき、月ごとの回収を検討しています。周知は、広報への掲載、民生委員さんへの協力依頼を考えています」というもの。
基本的には、町民の側から申し出なけれなければならず、困っているすべての方が、その対応を受けられるのか不安があります。
そもそも、拠点まで運べない方のことを考えずに、今回の変更を行ったことは、町民目線の対応とは思えません。
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質問と答弁の要旨は次の通りです。
老朽化が進んでいる船津小学校の校舎建て替えの検討が進められています。次の2つの課題解決のため、2校に分ける案も含めて検討を。
①船津地区南部の子どもたちの通学距離が長く、その短縮が求められていること
②グラウンドが狭く、また、教室の不足が生じる年度も出ており、学校の敷地を広げる必要があること
これらの解決には困難もあるため、必要な情報を公開し、広く町民や関係者の知恵を集めることが大事だと思います。
船津小学校の校舎は、原因不明の雨漏りなどが発生するなどの現状があり、建て替えを含めた検討を行うために、今年2月に、学識経験者、保護者代表、地域代表、学校関係者など18人で構成する検討委員会を設置しました。
2回の検討委員会が行われ、早い段階での建て替えが必要であることを確認しました。
通学距離の問題も出され、現在の場所への建て替えか、2校に分けるのか、意見集約をはかりながら検討していくことになっています。
情報を公開し、広く町民の意見を聞き、進めたいと考えています。
※この質問後、3回目の検討委員会が行われ、現在地に建て替えする案を基本に、敷地の拡大なども検討していくとの方向が決められたと町より報告がありました。
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質問と答弁の要旨は次の通りです。
住宅が急増している地域では、防火水槽(写真)や消火栓が十分に設置されていない場所があります。
特に、船津地区は、水圧が低い地域があり、消火栓では対応しきれない場合があり、防火水槽がない地域への設置が求められています。
市街地では、消火栓、防火水槽などの消防水利の設置基準は、ほぼ満たしています。
しかし、新興住宅地では、防火水槽が少ないのは事実です。
消火栓と防火水槽はそれぞれ長短があり、バランスよく配置することが理想ですが、用地の確保などの課題もあります。
地域の要望、住宅の建設状況なども確認しながら、総合的に判断し、適切に対応していきます。
船津地区の水道管の水圧が低い問題があります。
その抜本的な解決のため、配水池の新設・増設の計画を伺います。
2013(平成25)年度に整備計画を作成しました。
これは、現在、加圧ポンプにより水圧を上げているものを、標高の高い場所に配水池を設け、自然の圧力で安定して給水できるようにします。
しかし、29億円が必要となるため、財源を検討し、長期的に進める計画となっています。
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質問と答弁の要旨は次の通りです。
病院や買い物に行くのに交通手段がない、などの声は切実です。
町内には、公共交通手段がほとんどない地域もあります。
また、タクシーは多額な料金がかかるため利用できないという声、バスはあってもバス停まで行くことが困難、などの声もあります。
こうした声にこたえるため、デマンド交通の実施が有効です。
それは、事前に予約を行い、自宅付近でタクシーなどを利用できるようにするシステムです。
町民、交通事業者などで協議を行い、検討していくことを求めます。
高齢者などの交通弱者の対策は、大きな課題だと思っています。
この間、交通事業者との協議や先進地の調査を行ってきました。
デマンド交通は、利用者が集中した地域ではメリットがあるが、当町の地域特性からすれば、利用者や町の費用負担が大きくなることが予想され、慎重に検討すべきと考えます。
各地区の民生委員さんから聞き取りを行ったところ、真に交通弱者と思われる方は、町内全域で17人ほどという結果でした。
以上の状況をふまえ、まずは、まったく交通手段がなく、本当にお困りの方に対する救済施策を優先することが大事だと考えます。
現在、町の社会福祉協議会と協議を進めています。
今後、有効な対策を講じていきます。
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6月議会で、西浜中学校を勝山中学校に統合するための条例改正案が町から提案され、私は、反対の立場で討論を行いました。その要旨を以下にご紹介します。
これは、2016年4月より、西浜中学校を勝山中学校に統合するための条例改正です。
教育委員会として、生徒の教育環境の保障にとって必要であるとの判断から、西浜中学校と小学校の保護者との懇談、アンケートを重ね、意見集約をはかり、出された結論であると説明がありました。
「希望する部活に入りたい」など、統合はやむをえないという方の声は、子どもたちの声にこたえるために、尊重する必要があると考えます。
しかし、一方で、「太鼓を続けるためにも存続してほしい」「少人数教育でこそ、子どもたちの能力を伸ばせる」「地域にとっては、できることなら残したい」などの存続の声もあります。
そのことは、小中学校の保護者アンケート結果で「存続すべき」という方が約1割、「どちらともいえない」という方が14%あったことにも現れています。
また、保育所の保護者のみなさん、地域のみなさんには十分に知らされていません。
区長さんなどに説明が行われ、町の主要事業説明会での説明が行われたのみです。
せめて、議会議決の前に、地域住民全員を対象とした説明会が開かれるべきです。
保護者のなかにもある存続を望む声、地域住民の声にも、十分に耳を傾けていくことを求め、討論を終わります。
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この6月議会で、一般質問を行ったのは、議長をのぞく17人の議員のうち2人(そのうち1人は私)だけでした。
議場での一般質問は、町民要求を届け、町政の課題をただす重要な場です。
総務、文教社会、産経土木の各常任委員会では、複数の議員による質疑が行われましたが、これらを含めても、6月議会のなかで一度も発言をしなかった議員もいます。
県内のほかの市町村の議会を見れば、ほとんどの議員が質問している議会もあります。
議員の発言が十分に行われない、いまの富士河口湖町議会。
私は、町民の声をしっかり届け、町政をチェックする議会に変えていくために、これからもがんばります。
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