明治二十七・八年の役で多額の賠償金を得た帝国は、軍事力の増強に力を入れ出しました。それまでの8個師団では帝国を守るに不安な面もあり、また来るべき露西亜との戦役を睨んだ軍整備も必要でした。戦役での基本的な戦闘単位は、各師団から1個旅団を抽出して2個で1個師団とするもので、8個では外征師団は4個しかできない計算になります。
多額の賠償金が手に入った当時、軍整備を進めるのは容易でした。
師団は第三師団から移管した歩兵第七連隊と歩兵第十九連隊を基幹に歩兵第三十五連隊と歩兵第三十六連隊を編成して完結しました。
歩兵第三十六連隊は第二十八師団参照
野砲兵第九連隊/山砲兵第九連隊: 通称武 1546部隊
明治29年7月13日編成 原駐地:金沢
主な戦歴:明治37・8年の役・奉天会戦で宇治連隊長戦死 朝鮮駐剳 シベリア出兵
上海事變 満州駐剳 支那事變・南京攻略・徐州会戦・武漢作戦 満州駐剳
大東亜戦役・昭和19年6月沖縄島尻へ轉進
昭和19年11月台湾轉進 新竹で終戦
騎兵第九連隊: 通称 明治32年12月27日軍旗拝受 原駐地:金沢
主な戦歴:明治37・8年の役 朝鮮駐剳 シベリア出兵 上海事變 満州駐剳 支那事變
満州駐剳・一時捜索第九連隊へ改変
大東亜戦役 師団沖縄轉進時廃止
昭和13年次
師団長 | 司令部 | |
歩兵第六旅団 | 歩兵第七連隊 | |
歩兵第三十五連隊 | ||
歩兵第十八旅団 | 歩兵第十九連隊 | |
歩兵第三十六連隊 | ||
騎兵第九連隊 | ||
山砲兵第九連隊 | ||
工兵第九連隊 | ||
輜重兵第九連隊 | ||
波田支隊 | 台湾歩兵第一連隊 | |
台湾歩兵第二連隊 | ||
台湾山砲兵連隊 | ||
台湾臨時自動車隊 | ||
台湾第一衛生隊 | ||
台湾第二衛生隊 | ||
台湾第一輸送監視隊 | ||
台湾第二輸送監視隊 |
歩兵第七連隊:通称 武1524部隊 明治8年9月9日軍旗拝受 原駐地:金沢
師団編成時第3師団より移管
主な戦歴:西南役 明治27・8年の役 明治37・8年の役大内連隊長戦死 朝鮮駐剳
シベリア出兵 上海事變軍神林大八連隊長戦死 満州駐剳
支那事變・南京攻略・徐州会戦・武漢作戦 満州駐剳
大東亜戦役・昭和19年7月沖縄轉進・昭和19年11月台湾轉進 台中で終戦
明治三十七・八年役時
師団長 | 司令部 | |
歩兵第六旅団 | 歩兵第七連隊 | |
歩兵第三十五連隊 | ||
歩兵第十八旅団 | 歩兵第九連隊 | |
歩兵第三十六連隊 | ||
騎兵第九連隊 | ||
野砲兵第九連隊 | ||
工兵第九大隊 | ||
輜重兵第九大隊 | ||
師団弾薬大隊 | ||
師団野戦兵器廠 | ||
師団野戦病院 | ||
師団野戦病院 | ||
師団野戦病院 |
師団新設時
師団長 | 司令部 | |
歩兵第六旅団 | 歩兵第七連隊 | |
歩兵第三十五連隊 | ||
歩兵第十八旅団 | 歩兵第十九連隊 | |
歩兵第三十六連隊 | ||
騎兵第九連隊 | ||
野砲兵第九連隊 | ||
工兵第九大隊 | ||
輜重兵第九大隊 |
日露戦争へ準備師団
工兵第九連隊: 通称 武1550部隊 明治29年7月編成(大隊) 昭和11年連隊へ改変
原駐地:金沢
主な戦歴:明治37・8年の役 芹沢連隊長戦死 朝鮮駐剳 シベリア出兵 上海事變
満州駐剳 支那事變・南京攻略・徐州会戦・武漢作戦 満州駐剳
大東亜戦役・昭和19年7月沖縄轉進 昭和19年11月台湾轉進 新竹で終戦
終戦時
師団長 | 司令部 |
歩兵第七連隊 | |
歩兵第十九連隊 | |
歩兵第三十五連隊 | |
山砲兵第九連隊 | |
工兵第九連隊 | |
輜重兵第九連隊 | |
師団通信隊 |
明治三十一年十月十日編成
歩兵第三十五連隊: 通称 武1533部隊 明治31年3月24日軍旗拝受 原駐地:富山
主な戦歴:明治37・8年の役中村連隊長戦傷・折下連隊長戦死 朝鮮駐剳 シベリア出兵
上海事變 満州駐剳 支那事變・上海で死傷2000名・南京攻略・
徐州会戦・武漢作戦
大東亜戦役・昭和19年7月沖縄轉進・昭和19年11月台湾轉進 台中で終戦
歩兵第十九連隊: 通称 武1528部隊 明治19年8月23日軍旗拝受 原駐地:敦賀
師団編成時第3師団より移管
主な戦歴:明治27・8年の役 明治37・8年の役 服部連隊長戦死 朝鮮駐剳 上海事變
満州駐剳 支那事變・南京攻略・徐州会戦・武漢作戦 満州駐剳
大東亜戦役・昭和19年7月那覇轉進・昭和19年11月台湾轉進
新竹で終戦 昭和20年9月3日新竹州で軍旗奉焼
師団建制