三年式十二.七糎砲
特型駆逐艦以降の標準装備となりました。当初は平射砲としてでしたが、航空機の発展とともに高射の目的も持たされました。帝国海軍の駆逐艦ではほとんどにこの砲を見かけます。それだけに防循形状が多岐に亘りました。
A型、B型、B型改、C型、D型があります。
A型は特型Ⅰ型、B型は特型Ⅱ型初期、B型改は特型Ⅱ型後期・暁型・初春型、C型は雷・電・白露型・朝潮型・陽炎型、D型は夕雲型・島風型に搭載されました。
諸元:口径:127ミリ
初速:910㍍/秒
最大射程:A型18270メートル
C型以降18400メートル
発射速度:11発/分
砲弾重量:13.5㎏
最大仰角:A型40度
B型55度
D型70度
八九式十二.七糎高角砲
帝国海軍大型艦の標準装備高角砲。昭和4~5年ころから旧式の十年式と換装されていきました。重量的に難しい艦以外は装備されています。
しかしこの砲は扱いやすい反面?長が短く、初速も遅いために少々物足りない面もありました。時間信管でしたから、命中率も低い物でした。
諸元:口径:127ミリ
砲身長:4980ミリ
初速:720㍍/秒
射程:13800メートル
射高:9200メートル
膅長:40
発射速度:14発/分
砲弾重量:23㎏
炸薬重量:1.7㎏
装薬重量:5.6㎏
砲弾長:97センチ
操砲人員:11名
三年式十二糎砲
駆逐艦では睦月型以前のものに搭載されていました。しかしあまりに旧式になったと判断されたため、また威力不足もあり12.7センチ砲と交代しました。この砲も艦から下ろされた後は、陸上砲へと転向したり商船の備砲に利用されたりしました。陸上砲は対上陸戦には大きな威力を発揮したと言います。
諸元:口径:120ミリ
砲身長:5550ミリ
膅長:45
初速:825㍍/秒
射程:15200メートル
発射速度:11発/分
弾量:20413㌘
装薬:5.11㎏
十年式十二糎高角砲
大正から昭和初期の大型艦の主要高角砲です。そののち手軽さから海防艦に搭載され、大東亜戦役中大活躍しました。
諸元:口径:120ミリ
膅長:45
初速:830㍍/秒
射程:15600メートル
射高:10400メートル
弾量:20.7㎏
九八式十糎高角砲
航空機の発達に追いつくために開発された高性能高角砲。高射指揮装置と連動して射撃盤で諸元入力後自動尾栓解放で装填、高速回転の砲が指向して信管を自動調節、発砲の流れとなります。つまりほとんど自動なわけで、今日の砲の先駆けとなりました。長所だらけの砲ではありましたが、短所は存在します。まず高初速な為に砲身命数が短いこと、生産に手間が掛かることでした。交換の手間だけは内筒を交換しやすくすることで解決できました。
諸元:口径:100ミリ
砲身長:6500ミリ
膅長:65
初速:980㍍/秒
射程:19500メートル
射高:14700メートル
発射速度:19発/分
弾量:13㎏
八糎高角砲各種
三年式は5500トンクラスの軽巡に隈無く積まれました。つまり大正時代の帝国海軍の標準的高角砲でした。他に潜水艦用の五年式短八糎高角砲、高初速で航空機の開発に追いつこうとした九八式八糎高角砲がありました。大東亜戦役の頃には三年式は使い勝手が悪く、商船などに回されていました。
三年式 諸元
口径:76ミリ
膅長:40
初速:680㍍/秒
射程:10800メートル
射高:6800メートル/75度
発射速度:13発/分
弾量:5.99㎏
五年式 諸元
口径:76.2ミリ
膅長:23.54
初速:450㍍/秒
射程
弾量:5.67㎏
九八式 諸元
口径:76.2ミリ
膅長:59.9
初速:900㍍/秒
射程:13600メートル
射高:9100メートル
発射速度:25発/分
弾量:5.99㎏
十二糎噴進砲 砲?
要するにロケット弾ですが、案外使えました。
九六式二五粍連装機銃の銃架を改造して28連装にしたものが多かったようです。横6発・縦5発ですが、右側最下段2発を俯仰装置としたため28発でした。リレー式発火で10秒で28発全部を撃ち終わりました。所定の射程に達した後解放角度15度で焼夷弾子を放出、600メートル先で140メートルの傘を作るような感じでした。ただし、工作技術の問題上何発かは未発射が起き、危ないというてんもありました。
指揮官の機が良ければ、確実に敵機を墜とせる砲でもありました。
諸元:口径:120ミリ
所定射距離:
1000~1500メートル
焼夷弾子射程:600メートル
俯仰角度:8~-8度
発射速度:10秒で28発
次発は冷めるまで
砲弾:タサ弾
操砲人員:4名