測量艦  筑紫

昭和16年12月17日 三菱横浜造船所で竣工  横須賀鎮守府所属
               第三艦隊付属 編入
昭和17年 1月 9日 メナド攻略支援 周辺測量
昭和17年 1月21日 ケンダリー攻略支援 周辺測量
昭和17年 2月23日 バリ島攻略支援 周辺測量
昭和17年 3月10日より  南方本格的測量開始
昭和18年 5月20日 第八艦隊付属 編入
               以後ラボール付近測量、船団護衛
昭和18年11月 4日 カビエン港内で磁気機雷に触雷、喪失
昭和19年 1月 5日 除籍

南方占領後 航路開拓の立役者

 当時は現在と違い、世界中の海全てに海図が有るわけではありませんでした。また、あったとしても軍港付近は機密扱いになることも多く、なかなか他国の海図を入手できないということがありました。また、水深や潮流は年々変化するため、国内でも沿岸海図は常に更新しなくてはなりませんでした。これには老朽艦を充てておりました。しかし艦齢の問題と装備の旧式化・不足が深刻となってきました。なんと昭和初めまで、明治18年や19年建造の海防艦「武蔵」「大和」を使っていたのです!大正に建造された敷設艦改造の「勝力」も老朽化していました。
 更に海軍としては、戦役を戦う上で港湾封鎖や艦砲射撃、上陸戦闘をする必要があり、その際に当該周辺海域の海図がないということが屡々あり、これを解消するために強行測量をする測量艦が必要となったのであります。
 しかし必要性は認識しても予算が取れない帝国海軍のこと、正面装備へ回す分だけで一杯で、なかなか建造に踏み切れませんでした。
 しかしやっと昭和12年第三次艦艇補充計画で承認されました。ということは相当に困っていたわけで、数隻だけと言うことでいろいろな機能が詰め込まれました。

 勿論強行測量が主任務ながら、船団護衛、水偵を搭載して空中測量などもできました。見た目は大型駆逐艦?

搭載機材
測深儀 シグスビー式電動測深儀 2基
電動測深儀 2基
F式音響測深儀 1基
九一式測深儀 1基
測程儀 測程儀 1基

測量用部室
測量作業室、気象作業室、海象作業室、製図・印刷作業室

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諸元
主砲  : 45口径十年式十二糎連装高角砲     2基   4門
機銃  : 九六式二十五粍連装             2基   4挺(増設した可能性あり)
航空機 : 零式小型水上偵察機 特別改装型     1機
射出機 : なし
デリック: 長11米型 4トンデリック           1基
その他 : 水路機材                          30トン
       測量艇(内火艇)                       4隻

排水量 : 1400トン
速力  : 19.7ノット    微速時2.2ノット
航続力 : 16ノットで8000浬

軸馬力 : 5700馬力
主機  : マ式3号ディーゼル               3基   3軸

全長  : 84.00米      全幅 : 10.6米       吃水 : 3.60米

乗員  : 128名→150名      水路部員 : 65名
バラスト:海水バラスト  85トン