Place : Shiraoi
Porotokotan |
今回ご紹介するトイレは、しらおいポロトコタン内にある、アイヌ民族の便所です。
北海道に住んでいて、アイヌの便所を紹介しないわけには、いかないということで取材してきました。
ところで皆さんは、アイヌ民族をご存知ですか?
アイヌ民族とは日本の先住民族で、かつては本州の東北部から北海道、サハリン、千島など広い範囲に住んでいた民族なのですが、後に移住してきた和人の人口増加に伴いアイヌの人口は減少して行き現在では、ここのような観光の為の一部の場所で、見ることができるだけになってしまいました。
これがアイヌ民族についての簡単な説明です。
その文化も独自で、「イヨマンテ(熊の霊送り)」などは、歌にもなったので、ご存知の方が多いと思いますが、トイレにも文化色が出ています。
今回、トイレとは呼ばず、あえて便所と呼ぶことにしますが、アイヌの便所についてですが、昔のアイヌ文化には便所は無く、一定の場所で用を足すという習慣は、なかったらしい、大抵は林や森に適当な場所を求めて入り、穴を掘り、用を足した後、土を被せる、溜まってきたら他の場所に行くと言うスタイルをとっていたそうで。
故にアイヌ語で便所のことを「アシンル(asin-ru)」といい、[新しい路]という意味があるそうです。
そしてアイヌは、「自分たちに役立つもの」や「自分たちの力が及ばないもの」には神が宿ると言う信仰を持っており、便所にも神が存在し、それを[神の路]ルコロ・カムイ(ru-koro-kamui)と呼んだそうです。
近年になって倉の脇にある塵埃捨場のそば一定の場所で行われたという資料が残っています。
左の画像は、アイヌが使用していたと言う便所を再現したものですが、中段が男女兼用のもので、穴が掘られ桶のようなものが埋められていました。
下段が、生理中やお産の女性が使ったといわれている便所で、中の様式は二枚の板を渡した造りになっていました。
区別した理由は、その時期の女性の身体を”けがれ”として忌み嫌ったからだとされています。
この便所は、もう一つの違う使われ方がされたとも伝えられているのですが、それは熊のお仕置き場としてで、熊は神としてアイヌの間では大事に扱われていたが、人を襲って噛み殺した場合など、その首をはねて、この便所に置き「人間を殺すと汚物をかけるぞ」と他の熊にみせしめたそうです。
ちょっとここで、『TOMのアイヌ語講座』を、はじめます(拍手ー、パチパチパチ)
便所→Asin-ru(樺太アイヌはcirumunと呼んだらしい)
小便所→Oshoine-ushi または Okuima-ushi
大便→Osoma、小便→Okuima、屁→Opke、屁をする→Opke Kara、用便する→Ru-kari
便所まで案内してください→Ashinru oro pakno en tura
ここに便所があります→Toanda okuima ushi an
どうですか、トイレに関係ありそうなアイヌ語をあげてみました。
役に立ったかどうかは、わかりませんが話のネタにはなったでしょう(笑)。
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