オキシドールによる碁石の漂白実験


オキシドールで碁石が白くなるかも、という可能性は以前より考えていました。日向市のサイトを見ると碁石の製造工程で「過酸化水素水にさらして真っ白な碁石に仕上げる」という記述があったからです。オキシドールは消毒用のアルコールなどと違って基本的にただの3%程度の過酸化水素水ですから、石にもダメージは無いのではないかと推測。
これまで面倒で試していませんでしたが、経年で変色したスワブテを試してみます。
試験的に3日ほど、数個だけ試した結果は以下の通り。


浸ける前の石浸けた後の石


確実に経年の変色は薄くなることが確認できました。石にもダメージは無さそう。写真取り忘れましたが、榧碁笥による変色にも効果ありました。
で、次は数十個まとめての処理です。
少しアップ→

今回はこれだけの数を処理します。経年による変色が進んだ石です。花印。




ガラス製のタッパーに碁石を入れ・・・



オキシドールを注ぎます。これでフタをして数日放置。基本的に1日1回かき混ぜることとし、様子を見ます。

使ったオキシドール。500ml入り。400円弱。


4日目
左が浸けなかった石。右が浸けて4日目

何だか2日目からあまり色が変わっていない。
オキシドールの成分が薄くなったからだろうか?
過酸化水素(H2O2)が碁石の表面の色素と化学変化を起こして白くなっているのであれば
2H2O2→2H2O+O2
となるか、あるいは酸素部分が色素と結合して何らかの化合物を作っている可能性はありますが、反応すればするほど過酸化水素の濃度は薄まるわけで。
というわけで4日目、オキシドール入れ替えです。
最初のオキシドールには、うっすら色が付いていました。石から色が落ちたからでしょう。


5日目
めぐみ堂からイボタロウが届きました。碁石が綺麗になったら磨きたくなるのが人情ってもんです。
途中ですが数個だけ取り出して艶出し作業・・・・・
左が何もしない石、真ん中がオキシドールに5日+イボタロウ処理、右が1年ちょっと前に新品で買ったメキシコ

イボタロウいいね!
艶が出ると何だかテンションが上がってしまいます。何もしてない石と比べて光沢がUPしてるの、わかりますよね?
色の方は新しい石には及びませんが、経年の変色はかなり薄くなり、最初の石の状況から考えれば既に満足できるレベルです。


7日目
オキシドール入れ替え

8日目
ゆっくり時間が取れたので、一度全部の石を取り出してみました。すると・・・・




アップ

し・・・・白いっ!!
ページ上の最初の写真と比較してもらえば分かりますが、明らかに白くなりました。
まだ白くなる余地がありそうな石は再びオキシドールの中に。十分白いと思えたものはイボタロウで磨いてみました。



まだ「古いスワブテ」のニュアンスは残っていますが十分綺麗な碁石と言えるレベルです。
写真では真っ白いタオルの上に乗せて撮影したため露出が引っ張られて黄色っぽく見えますが・・・・



盤の上ならもう十分白く見えます。



上がオキシドール処理+イボタロウ処理、下が未処理の石。違いは歴然。



10日目まで試す予定でしたが、実験としては十分な結果が出ましたので、ここで切り上げたいと思います。

今回の実験でわかったこと

・経年の変色は、かなりのレベルまで漂白できる
・榧碁笥による色移りも漂白できる
・元々色がある部分は漂白効果が見られない(花印の色付き部分は白くならない)


今回は過酸化水素水ということで濃度の薄いオキシドールを使った訳ですが、wikiによると衣料用の酸素系漂白剤(液体)も過酸化水素の溶液であり、酸素系漂白剤(粉末)も水に溶かすと炭酸ナトリウムと過酸化水素になるそうで、碁石の漂白に使えそうです。気になるのは過酸化水素以外の成分による碁石へのダメージです。いずれ、カケやホツのある石で試してみようと思います。
※オキシドールは製薬会社によって、過酸化水素以外に添加物が入っている場合有り。

衣料用酸素系漂白剤を試す


並行してやっちゃいました。もちろん、カケ・ホツのある不要な石での実験です。リスク大きいですから。
結論からいうと、やめといたほうがいいです。

3日目で・・・


写真右のように、表面の光沢が全くなくなりました。左は比較用。漂白自体は流石に「漂白剤」だけあって真っ白になりましたが、碁石の表面にダメージがあります。
ツルツルした感じが無くなって、滑らない、引っかかる感じ。



イボタロウで磨けばツヤは出るものの、表面が荒れているのかツルツル感は戻らず。
過酸化水素以外にもアルカリ剤だとか色々入っていて何が原因かはわかりませんが、碁石にダメージがあるのは確かです。



今のところオキシドールは無難な手段だな、という感じがしますが、真似する方はあくまで自己責任でお願いします。