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2008年 山形某沢 記憶


今回 この記憶編をUPするかどうか 私なりに悩みました
情報発信をすると言う意味において
都合のいい時ばかりの発信では意味が無く

また 忘れ行く・消えて行く記憶が悲しく
あえて 掲載しその時の記憶をここに留めて置こうとの思いから
掲載に踏み切りました

釣行記を楽しみにされていた方には 大変申し訳なく思っております

今期はこの釣りが最初で最後となりますが
私には生涯忘れることの出来ない釣りとなりました



私の父親の事ですが 大のイワナ釣りキチガイであり
私にイワナ釣りを教えてくれた父親であります

ですが 本年平成20年5月 病に倒れ
夜中に私が駆けつけると 布団の中で一人苦しみに耐えており
そのまま 救急車で病院へ搬送されましたが
2〜3日の検査の結果
「悪性の肺がん末期症状」と宣告され
本人も交えて担当医師から告知されました

渓では 新しい息吹が芽生え
輝かしい自然がこれから花開こうと言う季節ですが
私の中ではそれらは どうでも良い事となりました

入院生活の世話から 親戚・知人などへの連絡や対応
放射線治療の送り迎えなどで 釣りのシーズンは過ぎて行き
気が付けば 9月の声が・・・シーズンも今月で終わりか・・

病院生活から自宅療養に変わったのを期に弟夫婦の所で
世話に成るようになり 様子見に行ったときのこと

冗談で 「親父 元気そうなら釣りでもいく?」
と聞いてみると 二つ返事で
「いいね〜〜! いつでも行くよ!」

それから 仕事の段取りを急遽変更し
何とか3日間の時間を作り 人生最後の釣りへ同行


2008年9月29日


9月28日夜半に出発し一路 東北道を北へ

出発前に弟の嫁さんから
「お父さん うれしくて うれしくて何度も何度も道具を出しては
仕舞い 昨日は多分寝てないですよ・・・気を付けていってらっしゃい!」

本人も 昨日はうれしくて 眠れなかったよ〜
まるで子供が遠足へ行くみたいで
うれしくてさ!



朝方 現地にて 肝心のハリ・目印・毛ばりなどを忘れ
急遽 鶴岡市内まで 買いに出掛ける・・・

そういえば 病室での暇つぶしにと
針巻きや毛ばり巻きのセットを渡し それをそっくり忘れてきた






ここは 私の中でも一級の沢 その割には入渓しやすい沢
サポートに徹した奥様が 背後にピッタリと付く

入院中でも私が行けない時には 代りに対応してくれ
この釣りでも 親父のサポートに徹してくれました
有難う!










途中車内では 釣りの話はもちろん
私が幼かった頃の話から・・・・

話し疲れては仮眠 又起きては話の繰り返し

抗癌治療と痛み止めのモルヒネの制限無しの投与で
食欲が落ち体重70キロ台あったものが
40キロ台まで落ち 点滴をされての釣り前日でした

人生最後の釣りに成ることは
本人も私たちにも 暗黙の了解











竿尻を持たず なぜ?

黙って見ていたのですが 今の親父には5.1メートルの竿が
重かったのでしょう
支点を持って バランスを取っているようです





途中 何度もよろめき 時には転び
沢の水にぬれていますが

濡れる事 冷たいと感じる水
生きている証拠ではないでしょうか?

内心 「ドッキ!」 としますが 見てみぬふりをしています
足腰が弱り 以前では考えられない様な体力

男同士なら 分かってもらえるでしょうか・・・
弱い自分を見せたくない・・・
「大丈夫?」などと聞いてほしくない!





奥様がいつでも スタンバイしております
付かず 離れず・・・






小さな ヤマメが釣れましたが イワナ君は
まだの様です



記憶2へ 続く


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