原付R&Pの旅



学生時代にR&Pという原付バイクをローンで買った。
もちろん、中古。
しばらく乗っていると、これで田舎に帰りたくなった。
本で道を調べて、下準備をした。
当然僕のことだから、無線を付けたくなる。
やっぱ、当然RJX-610。モービルアンテナを何とか用意して、取り付けた。
無線のバッテリーは充電式の物。
出発する。
朝早かったから、都内の道路は空いていた。
途中、八王子の辺りで電波を出してみた。
やっぱ、誰もいない。
大垂水峠を無事に越えて、山梨県の道に入る。
走っていると、白バイの人が出てきた。
「原付は何キロだ」と言って、通り過ぎた。
40km/hしか出していなかったから、お目こぼしってやつだ。
嫌だから、ゆっくり走った。
途中、茅野の辺りで信号が聴こえたので、
呼んでみたが、やっぱ運転しながらは無理だった。
順調に松本に入る。
何故だか長野の方まで行きたくなった。
19号を走って、長野に向かう。
19号はわだちが深くて、とても怖い。
無事に長野に着き、田舎に向かう。
無事に着いた。
もう、すすで真っ黒。
すぐ、お風呂に入った。
母さんがとても心配してくれていた。
ごめんなさい。
でも、とても楽しかった。

当然往復だから、同じ道を戻る。
暑い日が続いていたので、熱価の高いプラグに変えてみた。
普通に走るには問題ない。
出発する。
何故か、プスン、プスンと音がした。
だんだん、気になる音に変わった。
諏訪の辺りでは、もう音がバスン、バスン、ボコッに変わっていた。
プラグ、オイルも調べたが、
原因は分からなかった。
それでも何とか走って山梨県の道を走った。
雨が降っていた。
大垂水峠では、もう止まりそうだった。
何とか大垂水峠は越えることができた。
でも、その先で、とうとう止まってしまった。
しょうがないので、バイクを押していると、
人がいたので、近くにバイク屋さんはありませんか?
と、尋ねると、超幸運なことに、すぐ近くにバイク屋さんがあった。
見てもらっている間、近くにお弁当屋さんがあったので、
お弁当を雨が降る中頂いた。
原因はその変えたプラグだった。
熱価が高すぎて、寒くて燃料が燃えていなかったからだ。
料金を払って、出発する。
雨が降っていたが、順調に都内の道を走って、
下宿に着いた。
本当に楽しい旅だった。


大変だったけど、学生時代の本当に貴重な思い出になった。