はじめに




 身体障害者福祉法が昭和25年に施行され、34年には身体障害者雇用促進法が制定、あわせて同年国民年金法が公布され、障害福祉年金が支給されるようになりました。

 そして、45年には心身障害者対策基本法が公布される等、障害者に対する国の施策も年とともに進んできております。特にきめ細かな障害者の援護にはコミュニティー・ケアーが必要であることが痛感され、近年施設の充実とともに在宅障害者の援護に福祉の手がさしのべられていることは喜ばしいことであります。

 そのあらわれの一つとして全国各地に障害者福祉都市が指定され、社会環境の整備が図られてまいりました。

 しかし、どんなに物的環境の整備による街づくりが行われてもそこに住む人々の心に砂漠が横たわっていては障害者の福祉の増進は図られません。正しい理解にもとづく社会連帯がもっとも大切なことであります。

 身体障害者の中でも視覚障害者は肢体障害のような機能障害とはことなり感覚に障害があるので、その障害を正しく理解することは容易なことではありません。したがって見えない人々への「ふれあい」の手がかりの一つとして、このガイドブックをまとめてみました。一人でも多くの方々に視覚障害者を正しく理解していただき、福祉の増進にご協力ねがえればこの上ない幸いと思います。



社会福祉法人 日本盲人職能開発センター 初代所長  松井 新二郎



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