ヒーちゃん、ありがとう




 ヒーちゃん、今は天国で大好きなチーズを食べながら走り回っているよね。

 ヒーちゃんはとても印象深い子でした。彼は志村家に来た最初の盲導犬候補生。名前は当時"クレイ"でした。足の短い、気の強い男の子だった記憶があります。僕らも盲導犬を育てるのは初めてで、僕はもっぱら"遊ぶ"ことしかしなかったと思う。お外で育てたのはこの子だけだったかな。今から思うと"やっぱ外じゃ寒かったよね。ごめんね"って感じ。そうそう、松木のスキー靴を噛んじゃった時もごめんね。あまりにショックだったから、『このバカ犬。お前なんか盲導犬になれるか!!』って叩いちゃった。本当は玄関のところになんかに置いておいた僕がいけないのに。ほんとにごめん!!

 そんなヒースがリタイアして帰って来る!って聞いた時すごくうれしかった。でも、病気になって弱っていた姿を見た時、「え〜、あんなに若く元気だったクレイがこんなに年老いちゃった…」って少しショックでした。その後手術を何回もすることになっちゃって、その容姿に最初は涙が出そうだった。

 でもヒーちゃんは本当に強かったよ!ほんとに何回も手術した子?っていうぐらいがんばってた。またまた怒りたくなっちゃうぐらい"のっしのっし"と『マイペース』だったしね(笑)。不思議とヒーちゃん見てると"なんか僕もがんばらないと"って気がして来るんだよね。

 昨年の夏前ぐらいから体調が悪くなったんだよね。足腰が立たなくなっちゃって…。でも軽井沢でがんばって歩いている姿を見て、"まだまだ大丈夫"って思ってたんだけど…。

 ヒーちゃんが亡くなっちゃった日、成城に寄ろうか迷ってたんだよね。ちあちゃんが夕食に居なかったから、成城で電車降りてケンタッキー買って、ヒーちゃんの様子見るのを兼ねて成城寄ろうかと…。でも結局家の前を素通りして帰っちゃった。だから、朝のママからの電話は息が止まりそうなぐらいショックだった。あの時なんで寄らなかったんだろう、って今でも悔やまれる。ほんと、ヒーちゃん最後に会えなくてごめんね。

 今から言っても遅いけど、もっともっとお散歩に行ってあげれば良かった。軽井沢にも行こうと思えばもっと行けたのに、ってちょっと悔やむ。でも、ヒーちゃんは幸せだったよね。みんなに愛されて。みんなもヒーちゃんからいろんな事を授かったと思うよ。直向きに生きている姿見て。

 "あんり"とかの子犬には煩がる素振り見せてたけど、時々気遣っているような仕草をしていたよね。ほんとはすごーく優しい子なんだよね。

 ヒーちゃん、本当にたくさんの思い出ありがとう。

 僕らはヒーちゃんの事忘れません。天国から皆を守ってね。(^_^)/~。



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